完璧主義な吃音のある娘
私は小学2年生の吃音のある女の子のママです。
娘が年長の冬に発コミュと出会い、吃音を少しでも良くしたいという思いから発達科学コミュニケーション(以下発コミュ)を学び始めました。
発コミュを始める前までの娘は、完璧主義者で弱音は一切言わない真面目な子で、吃音は伸発が出ており、自覚しているし吃音が出ないように工夫している様子でした。
吃音の種類についてはこちらの記事で詳しく説明しています。よければ合わせてお読みください!
なぜ完璧主義かというと、原因は私の対応にありました。
私の場合、
「水筒出して」
「ふざけすぎだよ」
「大きな声でうるさいよ!等、子どものためと思った指摘やダメ出しが多かったのです。
良い行動はもちろん褒めていましたが、やり切ったところで「できたね!」「流石!」 と褒めていたので、
「完璧にできないとママに褒めてもらえない」
「できない理由は言ってはいけない、弱音を吐いたらいけない」と、マイナスな発言=弱音と捉え、「弱音を吐いたらママに否定される」と思い込み、完璧主義になってしまったように感じています。
吃音がなかなか良くならない原因として、娘の場合はストレスを溜め込みやすい性分です。吃音の悪化要因にストレスがあると言われています。
娘はまさしくその通りで、言語化できずに知らず知らずのうちにストレスを溜め込むようになってしまいました。
もちろん、何に対してどのぐらいストレスを感じるか、というのは個人差がありますので、ストレスが全てママのせいというわけではありません。
ストレスが溜まることで癇癪へと繋がる
「弱音を吐いたらママに否定される」と思い込んでいるため、困っていることや嫌なことは必ずあるはずなのに、それを弱音と感じる娘は、一切言わない良い子ちゃん状態になってしまいました。
しかしまだ幼児。溜まったストレスの感情メーターがいっぱいになり、感情の暴走、いわゆる癇癪を起こしていました。
吃音のことは家族内で話しやすい環境を作っているつもりでしたが、当時、娘から相談されることは一切ありませんでした。
このままでは以下の2点の点で困る!と考え、焦っていました。
一つ目は、学校が始まると親の目が届かないことが多くなりますます複雑化してくること
二つ目は、吃音当事者の私の体験上、どもることを相談することは親であってもハードルが高いこと
以上2点が困り事だと考え、どうすればいいか考えました。
ストレスを感じない環境へ大変身!子どものできている行動に目を向けよう
発コミュのテクニック「否定的な注目を極力避け、いい行動のみ注目した」これに重きを置きました!
とにかく子どものつい指摘や指示だしをしたくなるような行動はグッと目をつぶり、今子どもができている事実のみに集中しました。
「パジャマが脱ぎっぱなし」
「机の上が散らかっている・・・」など、できていないところに注目するのではなく、
「宿題を自分からしようとしている!」
「明日の準備に取り掛かってくれている!」
「弟と一緒に遊ぼうとしてくれた!」など、素晴らしい行動をしようとしているまさにその時に気づき、褒め続けました。
まずは行動させ、本人が「できている!」と実感させることが何よりも大事です!
「行動」は、脳が発達するためになくてはならない条件の一つです。吃音が良くなるには、脳の発達が何よりも大事!遠回りなようで、吃音を良くする最短ルートなのです。
そして「褒めてくれた」ということは、自分を認めてくれたということです。自分はいてもいいんだ、無条件に愛されているんだという承認を満たします。
完璧主義×吃音のある子に絶対つけてほしい力が「気持ちを言語化する力」
ところが、良い行動にのみ注目するということがなかなか難しく、つい指示だしをしてしまいそうになりますが、根気強く続けたところ、いつの日か「学校面倒臭いな」「宿題やだな」とポロっと言ってくれる日が増えました。
弱音を吐いてくれるようになったということは、ネガティブな気持ちを言語化できた!ということです。
ついに本音を言ってくれた!そういう時は「そうかそうか、学校が面倒臭いんだね」と肯定も否定もしないどっちつかずの「共感」です。
気持ちを言語化してくれることが増え、癇癪がグッと減りました。
このように自分の気持ちを言語化することは、吃音のある子は特にとても重要なことです!不安やストレスを言語化することによって緩和させ、自分の意見や気持ちを伝える行動力にも繋がり、その行動力が脳を発達させ、吃音が良くなるサイクルへとなるのです!
このように、弱音を吐きやすい環境は吃音の話しもしやすい家庭環境へと変わっていきます。真面目な子ほど、自分の気持ちを抑え込みストレスがかかっているかもしれません。
子どもができている行動に注目し、たくさん褒めてあげてください!そして子どもからの弱音を、「弱音ばかり言ってて大丈夫かな」と心配するのではなく、信頼関係ができてきている証なんだと前向きに受け取り、共感してあげてくださいね!
執筆者:いわもとあさな
(発達科学コミュニケーショントレーナー)