「子どもが吃音について相談してこない内は気にしていない」は勘違い

吃音のあるわが子が良いことも辛いこともなんでも話したくなるママのコミュニケーション法
わが子には、どんなに悩みが深くなっていたとしても、または、悩みが深くなる前から相談してもらいたいものですよね。

子どもたちが相談できなくなってしまう理由として、できている時だけ褒められる、認められるような声かけが、「全部完璧にできないとダメだ」といった完璧主義思考を育ててしまっているということがあります。
できていない自分を否定するような考えになってしまうことで、うまく話せないことはダメなことだと決めつけてしまい、相談するというハードルを高くしてしまいます。
また勇気を出して相談をしても、「気のせいだよ」「そのうちよくなるから」などと突き返されてしまったり、「話す前に深呼吸してごらん」「話す前に、えーっとって言ってから言ってごらん」などと気持ちを聞いてもらう前にアドバイスを言われてしまうことで、自分の気持ちを分かってもらえなかったと感じてしまい、相談することを諦めさせてしまうのです。
なんでも相談してくれる、話してくれる親子関係は、吃音をよくしていくための第一ステップです。
嫌だなという気持ちがあっても、相談できなかった息子
元々口数が少なかった息子は、学校での困りごとや相談などをほとんどしてくれていませんでした。
「学校どうだった?」の私の質問にいつも「忘れた。」とめんどくさそうに答えていました。
これまでの私は、口を開けばできていないことを指摘し、聞きたいことばかりを質問していました。
息子の話は、聞いてはいたものの、興味を持っていると伝わらない聞き方だったのです。
「みてみて!カタツムリがいる」 「うんうん。急いで急いで、遅れちゃうよ。」とこんなやりとりをしていたのです。

「どうせママに話しても興味を持ってくれない。つまらない。なんなら話したら怒られるかも!」 そんな息子の声が今なら聞こえてきそうですが、忙しさにばかり目が向いて、息子の気持ちに全く気がついていなかったのです。
そんな息子がある時、2人で話している時に「言いたい言葉を言おうと思っても言いにくいことがある」と相談してくれたのです!
そんなふうになんでも話せる親子になったのは、発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学んで、息子が好きなことに興味を持ち、話したくなるような返事を心がけたからです。
お子さんが吃音について相談してくれるようになったら必ず伝えてほしいこと
「ママ」と呼んでくれた時には、一旦手をとめ、息子の方を向き、柔らかい雰囲気で話を聞くように意識しました。
興味を持って聞いていることが伝わると、息子はどんどん話をしてくれるようになったのです。
相槌だけではなく、「え〜その話おもしろい!」「わかりやすい」など具体的に息子の話の良いところを伝えるようにしました。
話してくれたことに、肯定の声かけをし続けたことで、ママと話すのは楽しい。もっと話しを聞いてほしいと思ってくれるようになったのです。
また、私が失敗してしまったこともわが子に相談するようにしました。
「今日仕事で失敗しちゃって!手が滑って荷物落としちゃったの。でも周りの人が助けてくれて大丈夫だったんだ〜。」 「ママの失敗の話、聞いてくれてありがとう。聞いてもらうとなんだかホッとするんだよね」と嬉しいことも、悲しいことも、失敗したことも、笑えることも、なんでも話すようにしました。
すると、楽しいことも困ったこともママに話したいと思ってくれるようになりました。
そう思ってくれるようになったため、吃音について相談してくれたのです。
子どもの吃音についてお子さんが相談してくれたとき、伝えてあげたいことがあります。
それは、「必ず良くなるから安心してね」という一言です。

よくならない人もいるのでは?とママが不安に思ってしまうお気持ちとてもよく分かるのですが、 「気にしなくていいよ!」や「治らないかもしれないんだよ。」と言われてしまうとお子さんには不安やストレスがかかってしまい、脳が育ちにくくなり、かえって吃音が悪化しやすい状況になってしまいます。
必ず良くなるからという安心感をしっかり届けることで脳が育ちやすいベースを整えていくことが吃音をよくするためにとても大切なことなのです。
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

