仲間はずれにされた吃音のある繊細な小学生が気持ちを立て直した関わり方

繊細
仲間はずれにされた時に、強い自己否定に入った吃音と繊細さのある小学生の中で起きていることに対して、責めない、理由を探さない、意味づけしない関わりが、気持ちを整え、再び前を向けるようになった方法をご紹介します。
 

吃音と繊細さのある小学生が仲間外れにされたとき子どもの中で起きていること

 吃音と繊細さのある子が「今日は仲間に入れてもらえなかった」悲しそうに話してくれることはありませんか?
 
 
とてもショックな状況に、子どもの頭の中はもうパニック状態
 
 
 
 
それを聞いたママもどうしていいのか頭が真っ白になってしまうこともあります。
 
 
子どもの中でも、ママの中でもさまざまな感情が同時に忙しく動きます。
 
 
例えば、突然のことで何が起きたのか分からない戸惑いを感じたり、自分が悪かったのではないかと思い当たることはないのに自分を責めたくなる気持ちになってしまったり、どうしたらいいのかが分からなくて不安になる気持ちなどが入り混じって混乱してしまいます。
 
 
仲間外れにされた出来事は、「遊べなかった」という事実以上に、 「自分はここにいていいのかな」という不安を残します。
 
 
その不安に、ママがどんな言葉を返すかで、 子どもが前を向けるかどうかが大きく変わっていきます。
 
 

理由探しや意味づけが心と吃音を苦しくする理由

仲間外れにされた話を聞くと、大人は心配の気持ちから、つい「どうしてそんなことされたの?」「何かきっかけがあったのかな?」「それは悲しいよね」と声をかけたくなります。

 

 

ですがこのとき、理由を探そうとすることや大人が先に気持ちに名前をつけることは、子どもにとって負担になることがあります。

 

 

まだ自分の中で何が起きたのかも整理できていない状態で、理由を求められたり感情を決めつけられたりすると、「うまく説明しなきゃ」「ちゃんと答えなきゃ」 というプレッシャーが生まれやすくなります。

 

 

 

 

その結果、ありのままに感じたことを伝える余裕がなくなり、 言葉を探す負荷が一気に高まります。

 

 

この“余裕のなさ”こそが、吃音が強く出やすくなる状態でもあります。

 

 

仲間外れの経験が重なると、

 

 

どうせ自分は入れてもらえない

 

 

話しても伝わらない

 

 

黙っていた方が楽

 

 

という思い込みが、少しずつ強くなっていきます。

 

 

今このタイミングで、 「どんな気持ちでも出していい」経験を積めるかどうかが、 これからの人間関係の土台になっていきます。

 
 

戸惑い・悔しさ・悲しさでいっぱいになっている息子に、我が家が大切にした「判断しない時間」

わが家には、吃音と繊細さのある小学生の息子がいます。

 

 

息子は、お友達と一緒に遊ぶ時間が大好きな子です。

 

 

ある日、そんな息子が仲間外れにされた出来事を話してくれたことがありました。

 

 

ゲームで一緒に遊ぶ約束をしていて、同じゲーム内にいるのに、気づくともう一人の友達とだけ遊んでいて、自分とは遊んでくれなかった。

 

 

「なんでなの?」「もー…」がっかりした気持ちと、戸惑いが混ざった様子でした。

 

 

そのときの息子は、気持ちの動揺も大きく吃音も強く出ていました。

 

 

私自身、「何か言ってあげないと」「早く立ち直らせないと」と焦る気持ちがありました。

 

 

それでも、この状態で言葉を足すことが、本当に息子の力になるのか、立ち止まって考えました

 

 

「嫌われたのかもしれない」「ここにいていいのか分からない」そんな不安が心の中にあること自体を、そのまま受け止め整理する時間を大切にしました。

 

 

 

 

根掘り葉掘り聞かれない。

 

 

責められない。

 

 

そんな安心を感じられるだけで、言葉を探す負荷は少しずつ下がり、 息子は自分のペースで気持ちを外に出せる状態に戻っていきました。

 

 

アドバイスや私の考えは一旦横に置き、ぐちゃぐちゃになっている心と頭の中にある言葉が、そのまま出てくるのを待ちました

 

 

すると、途切れ途切れだった言葉が少しずつつながり、言葉が出ない沈黙の時間も含めて、 息子は自分の気持ちを外に出すことができました。

 
 

吃音と繊細さのある子が仲間外れにされたときに大切にした4つの関わり

我が子の悲しそうな様子を見ると、「なんとかしてあげたい」「早く元気になってほしい」そんな思いが強くなりますよね。

 

 

だからこそ我が家では、気持ちを出し切りもう一度前を向ける状態に戻るための関わりを大切にしました。その4つをご紹介します。 

 

 

「仲間外れにされたあなたが悪い」と責めない

何か嫌なことをしてしまったのかな? お友達とのやり取りを確認したくなることもあります。

 

 

ですが、責められていると感じた瞬間、子どもは本当に思っていることを話せなくなってしまいます。

 

 

まずは原因探しをせず、評価も正しさも持ち込まず、気持ちを吐き出せる空間をつくることを優先しました。

 

 

安心感を届け続ける

話している途中で、不安になったり怒りが強く出たり気持ちが行ったり来たりすることがあります。

 

 

その揺れも含めて受け止めることで、「どんな気持ちでも出していい」という安心が育ちます。

 

 

怒りも悲しさも否定されない経験が、言葉を詰まらせずに話す土台になります。

 

 

 

 

今の気持ちを吐き出す時間を保証する

話を聞く10分間は、

 

 

質問しない

 

 

評価しない

 

 

まとめようとしない

 

 

と決めて、ただ隣にいました。

 

 

言葉に詰まってもいい。

 

 

黙ってもいい。

 

 

苦しそうでも、隣で待つ。

 

 

「うまく言えなくても聞いてもらえる」この安心感があることで、 子どもは少しずつ、心の中に溜まっていた気持ちを外に出せるようになります。

 

 

「どうしたいか」を一緒に考える

「明日こうしたらいいよ」とすぐにアドバイスしたくなる気持ちを、ぐっとこらえました。

 

 

代わりにかけたのは、「どう思ってる?」「どうなったらいいなって思う?」「本当はどうしたい?」子どもが自分の気持ちに気づくための問いです。

 

 

話を聞いていく中で、 仲間外れに見えた出来事が、 好きなゲームのレベル差から起きた一時的なすれ違いだったことも分かってきました。

 

 

責められない。

 

 

根掘り葉掘り聞かれない。

 

 

意味づけされない。

 

 

この環境の中で、子どもは少しずつ「考えられる状態」に戻っていきます。

 

 

心が落ち着くと、言葉も戻り吃音も自然と落ち着いていきます。

 

 

次にお子さんが困りごとを話してくれたとき、 すぐに答えを出そうとせず、 「今日はここまで話せたね」と声をかけて終えてみてください。

 

 

それだけで、子どもの中で気持ちは確実に動いていきます。 

 
 
執筆者:こじま さとこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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