最終日!仲間に怒っていた吃音×発達凸凹キッズが、仲間を励ます子になるまで

お家で吃音をよくする対応

うちの子、吃音もあるけど、
突然、瞬間湯沸かし器のように
怒り出す、
楽しくなるとはしゃぎすぎ、
ふざけすぎて鎮めるのが大変、

そんな、
“感情のジェットコースター”
タイプの子についてお話します。

サッカークラブに所属する
小学6年生の男の子がいました。

仲間がミスをすると責め、
自分がミスをすると暴言を吐く。

ひどい時は、物や
チームメイトに当たる。

練習でも試合でも、
感情をむき出しにしてしまい、
仲間やコーチの声も
届かなくなっていました。

その結果、
次第に仲間との距離ができ、
とうとう放課後や週末の遊びにも
誘われなくなっていました。

悩んだコーチからは、

「このままでは練習も試合も
参加させられない。
怒りを抑える練習をしよう」

と言われてしまったそうです。

そこでママは、
彼が興奮するとすぐに、

「それがダメって
 言ってるでしょ!」

「怒りを外に出すな!」

「サッカーできなく
 なっても
いいの?」

とガンガン怒ってしまい、
親子関係まで
悪化していきました。

彼は、まさに家にも外にも
味方がいないような孤立状態に
なったようにみえました。

ところが、彼にはちゃんと
味方がいたんです。

彼の未来を諦めず、
ネット検索を重ねて
私を見つけてくれた、
“説教マシーン”と
化していたママです。

個別相談で印象深かったのは、
ママのこんなお話でした。

「この子は小さい頃から、
イライラした時の爆発も
すごかったんですが、

嬉しい時や楽しい時も
はしゃぎすぎたり、
ふざけすぎたり、
人一倍激しい子だったんです。

だからクラスでは、
おもしろがられて
人気者だったんですよ」

このエピソードに、
彼の脳の特性を理解する
ヒントがありました。

彼は怒った時だけでなく、
楽しい時も興奮が大きくなり、
周りが見えなくなる子、
ということです。

脳には、感情に関わる
「扁桃体」という場所と、
気持ちや行動にブレーキをかける
「前頭前野」という場所があります。

この二つはともに連携し合って、
状況に合わせて感情を出したり、
引っ込めたりする役割があります。

ところが、
感情のブレーキをかける
前頭前野がまだ未熟な子
の場合、


この役割が機能しないので、
「突然切れる子」
「はしゃぎ過ぎ、ふざけ過ぎ」
と、外側からは思われてしまう
ことがあります。

まだまだ小さなブレーキしか
もっていない彼に、

「怒っちゃだめ!」
「我慢しなさい!」

と、どんなにたくさんの人が
繰り返し言っても、
叱っても、
彼にはまだそれは荷が重かったんです。

「止めようとしても止められない」、
これが彼の脳の正直なところでした。

このことをママに伝えたところ、
反応がすごかった!

「だから、何度言っても
変わらなかったんだ〜。

むしろ、
声をかければかけるほど
興奮するのは、
そういうわけですね」

と、彼の脳の特性を
あっさり受け入れ、
どこにすれ違いがあったのか
すぐに理解されたのです。

「彼の脳を知る」ということに
まっすぐになったママは、

そんな脳の発達状況の子には、
脳科学的にどんな対応がいいのか、

”説教マシーン”を横におくことを
してくれました。

まずは、彼が興奮した時、
お説教するのをやめて、

興奮が落ち着くのを
ジッと待つ

ということをしてくれました。

なぜなら、
扁桃体が暴走している時は、

どんなにママが正しいことを
言っても、彼の脳には
届きにくいからです。

届くタイミングが来るまで、
教えてあげたいことを言うのは待つ、
ということをしてもらいました。

しかも、彼の場合、
待つ期間は、
結果的に3ヶ月以上かけて
もらいました。

なぜなら、彼は、
ママが何か声をかけると、

「は?」とか、
「うるせえ!あっちいけ!」とか
「クソババァ!」など

暴言を吐きまくって
会話にならなかったからです。

まずは、
会話になる状況を作ることが
この親子には必要でした。

そこで、ママにしてもらったことは、
興奮して彼が暴走した時、
落ち着くのをジッと待ち、

落ち着いたらそっと横に座って、
彼が嫌がらない限りは、
肩や背中をさすりながら、

「うんうん」と頷くだけ。

余計なことを言わない、
ということをしてもらいました。

ここは、普段、講座で
他のお子さんにお伝えしている
内容と少し違うところでした。

扁桃体が暴走することが
頻繁に起こるようになっている子の
根っこには、
「不安」と「自信喪失」が
隠れています。

大人のことば、態度に
警戒心MAXなので、

そこまでいってしまったら
一旦余計なことは言わずに、
どんなあなたもママは
受け入れているよ、

を態度で示す時間が
大事になってきます。

この修復に、
3ヶ月以上かかりました。

けれども、
それからのこの親子の成長は、
まさに「ウナギのぼり」
と表現していいほどでした。

練習に復帰した彼は、
仲間がミスをすると、
良かったところを肯定する。

試合ではベンチから、
肯定的な声をかけ続ける。
ボールや靴など、
物も大事にする。

コーチや仲間からの信頼を、
みるみる回復していきました。

放課後や休日には、
また友達から遊びに
誘われるようになったのです。

そして半年後。
チームが5点差で負け、
ネガティブなムードが
広がっていた試合でのこと。

途中出場した彼が、
なんと逆転勝利を
後押しする活躍をしました。

5点差からって、
すごくないですか?

ママは半年を振り返って、
こんなふうに話してくれました。

「つきこ先生から、
今は、この子の良さは
隠れているだけ。

それを引き出せるのは、
彼の本当の姿を知ってる
私たちですよ。

と言われた時、
“本当に〜?嘘でしょ〜?”
って半信半疑でした。

コイツ、本当にヤバい。
いつか犯罪者になるんじゃないか、
って思ってたから。

だけど、
信じてみたかったんですね。

ここまで変わるなんて、
正直、思っていませんでした」

そんなことを言っているママも、
どこかでちゃんと、
彼の可能性を
信じていたんだと思います^ ^

今でも“説教マシーン”の
片鱗はあるそうですし、

「クソババア」と
ふざけて言われることも
あるそうです。

それでも、どんなに怒っても、
どんなことをやらかしても、
ママはそばにいてくれる。

そんな安心感と自信が
育っていく中で、
瞬間的に怒っても、
すぐに落ち着けるようになり、

親子の会話で解決できることが
増えていったのでした。

このママが学んだのは、
怒りを抑えるための
声かけだけではありません。

彼の脳の特性を知り、
今の彼に必要な関わりを
選ぶことでした。

発コミュでは、
脳科学や発達心理学などを
もとに、子どもの行動の奥にある
脳の特性を見ていきます。

わが子の脳を知ると、
今まで「困った行動」に
見えていた姿の理由が
少しずつ分かってきます。

すると、叱って変えようと
頑張る子育てから、
わが子に合った関わりを
選べる子育てへ。

ママ自身の気持ちも、
親子の毎日も、
変わり始めるんです。

もし、みなさんの
お子さんも、
感情のジェットコースター
タイプだとしたら、

興奮し始めた時、
言葉を重ねるのをやめ、
一旦距離を置いて
ジッと待ってみてください。

人や物に当たる時は、
まず安全の確保を。
危険なまま待つ、
という意味ではありません。

落ち着いた後、
お子さんが嫌がらなければ
そっと近寄り、
「うんうん」と頷いてみる。

その時、お子さんの
表情や体の力の入り方は
どう変わるでしょうか。

フッと力が抜けたら、
教えてくださいね。

「わが子は、どんな時に
言葉を受け取りやすいんだろう?」

そんなふうに、
お子さんの反応を見ながら、
わが子に合う関わりを
見つけていきましょう。

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