「片付けて!」「あとで!」だった 小6吃音×発達凸凹男子が、 自分から動き出すまで

お家で吃音をよくする対応

帰宅後すぐに
玄関で靴下を脱ぐ息子くん。
脱いだところで放置されるのが
お約束でした。

「これ、洗濯カゴに入れてね」
「うん、あとでね…」

夕方になっても、靴下はそのまま。
昨日も同じ。一昨日も同じ。
いっつも同じ・・・・。

「今やれば、すぐ終わるでしょ!」
「何回言ったらわかるの?」

最後は強く叱って、
文句を言いながら渋々片付ける。
その繰り返しでした。

子どもだから、言って教えないと。
できないことは
叱ってでも覚えさせないと…。

そんな想いもあって、
毎日、注意することばかりに
なっていること、ありませんか?

実は、この「片付けて!」にも、
吃音のあるわが子との関わりを
変える手がかりが隠れています。

******

吃音は、ママの叱り方が原因で
起こるものではありません。
けれど、生活の中の負担で
話しにくさが強まることはあります。

だから、片付けができるかの前に、
親子のやり取りが
苦しくなっていないかに
目を向けたいんです。

ママが我慢し続けるのではなく、
「何度言えば!」を減らすために、
子どもの姿を見てみましょう。

靴下を脱いだ瞬間、
「あ、大好きな漫画がある!」
と読み始める子。

「後で片付けよう」と思っていても、
他のものに夢中になると、
靴下のことが頭から抜けてしまう。
そんな子もいます。

一方、片付け始めたのに
終わらない子もいます。

鉛筆を片付けようとして、
床のカードが目に入り、そちらへ。
引き出しを開けると、
今度は中のおもちゃが気になる。

あれにもこれにも手をつけて、
部屋は逆にごちゃごちゃに。

片付けには、
物を分け、置く場所を決め、
順番に進める力が必要です。

気になるものが目に入っても、
元の作業に戻る必要もあります。
「片付けて」の一言には、
こんなにたくさん含まれているんです。

実は、会話をする時にも
似たように、頭の中で
たくさんのことをしています。

「何から話そう?」
「どの順番なら伝わるかな?」

話したいことを選び、
順番を考えながら、
相手にも伝わるように話す。

片付けでも会話でも、
「何から始めるか決める」
「一つのことに注意を向ける」
という力が使われます。

日常の片付けで、
一つずつ選んで進める経験は、
そうした力を育てることを考える
きっかけになります。

吃音のある成人を対象にした
ある研究では、参加者の約4人に1人が
不注意に関する特徴を6つ以上
自己申告していました。

これはADHDの診断の割合を
示したものではありません。
また、片付けができれば吃音が治る、
という意味でもありません。

私が大切にしているのは、
話し方だけを見るのではなく、
日常の中でその子の困り方を知り、
使う力を育てていくことです。

片付けが大の苦手な
小6の男の子を育てるOさんも、
「片付けなさい」「あとで」の
繰り返しでした。

「あとでって、いつ?」と聞いても、
いつやるかは決まらない。

そこで私はOさんに、
始めるタイミングと取り組む範囲を
具体的にすることを提案しました。

Oさんが選んだのは、
彼が楽しみにしていた
お出かけ前の5分!

「出かける前のこの5分で、
机の上を片付けよう」

もう一つ、取り決めたのは、
完璧に片付けることを
求めないことでした。

彼がしたのは、机に積まれた服を
クローゼットに入れたことだけ。
まだ机には物が残っていましたが、

Oさんは笑顔で、
「洋服がクローゼットに戻ったね」
と伝えました。

すると翌日。
「片付けて」と言っていないのに、
机の上がすっかりきれいに!
勉強しやすく整理されていたんです。

その後も、物を山積みにするのは
変わらないのですが^^;
自分で「10分で片付ける!」と決め、
動くようになりました。

できていないところを指摘するより、
できたことを喜ぶやり取りが増え、
親子の会話も増えていきました。

Oさんからは、吃音も
「難しいことを話す時に
時々出るかな?」というところまで
落ち着いてきたと伺っています。

私が一緒に考えたいのは、
「何と言えば言うことを聞くか」
ではなく、その子がどこで止まり、
何があると力を出せるか、です。

今日のチャレンジは、一つだけ。

「片付けて」を、
「これぐらいならできそう!」
と思える大きさに分けて
提案してみてください。

たとえば、一緒に机を見ながら、
「机の上の鉛筆を、筆箱に入れよう」。

全部終わったかより、
できたところを見つけて伝える。
そこまでを一つのチャレンジに^^

「注意するところばかり」の子に、
「あ、この伝え方ならできるんだ!」
が見つかる。
わが子のこと、もっと知りたいですね。

今日のメールも保存してください。
5日分を保存してくださった方へ、
『お子さんの吃音タイプ診断』の
冊子をお届けします。

「うちの子は、ここで止まっている」
というお話も、
返信で聞かせてくださいね。

明日は最終日。
気持ちの波が大きい子の
「立て直す力」を育てるお話です。

タイトルとURLをコピーしました