吃音×発達凸凹キッズには話し方ではなく、話の内容に注目してあげてください。と、よく見聞きすると思います。
その理由は、どもる話し方を意識して、どもらないように隠そうとすると吃音が悪化するから。ということでした。
それもありますけど、会話ってそもそも楽しんだり、話すことで気持ちをラクにしたりするものですよね。
それがいつの間にか何か話すたびにママが別のことを考えている、ママの表情が曇る、ママが「ゆっくり話してごらん」というとなると、
「なんか話すとやな気分になる」となり、子どもが話すことに対して自信をなくしてしまいます。
ですが、この負のスパイラルがわかっていてもなかなか気持ちを切り替えることが難しい!というのが、吃音キッズを育てるママの気持ちでもあります。
今回、それを乗り越えた9歳の男の子ママ、Mさんをご紹介します。
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本人が1番辛いとわかりながらも、どもる息子と会話することが私はとっても辛かった。
イライラすると言ったらひどい親と思われるかもしれませんが、吃音を聞いているとイライラして話の中身が入ってこないんです。そんな自分を責めました。
辛くて子育て辞めたい、とも思いました。
息子を変えたい、というよりも、そんな自分を変えたい、という思いで受講を決めました。
始めに「肯定」を学んだ時、9歳の息子に届くのか正直、不安でしたが、肯定の声かけをしていったところ息子が嬉しそうな表情をかすかに見せてくれたことで、私も躊躇せず肯定することができるようになりました。
息子って素直で可愛い子だったよな〜と想い出すことができて、どもりながらも会話を楽しめるようになってきました。
まだたくさんどもりますが、ブロック(難発)が出なくなり、以前のような苦しそうな話し方はなくなりました。
気にするべきところは話し方じゃなかったんだ!がようやくわかってきたと思います。
最近は、「ママ見て!」と甘えてくるようにもなり、今まで甘えられないような態度をとってきたんだな〜、と改めて気づいたところです。
もっと息子の良いところを見つけて、声をかけてあげて、息子の素直さを伸ばしてあげたいと思います。
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Mさん、ありがとうございます。
吃音に対してどうしても否定的な目を向けてしまうことに葛藤があったMさん。
そんな自分を否定的な目で見てしまうことで、さらにネガティブな感情が強くなられていたところもあるのではないかと思います。
どもる子はどもる度に吃音を隠せなかった自分を罰し、どもる子を育てるママは自分の態度や感情を罰し、親子で辛い経験を重ねることがあります。
ですが、罰しているだけでは前に進むことができません。まずはどもることを許すこと、受け入れることが必要です。
その感情に持っていくために吃音以外のところに目を向けていきます。
Mさんは肯定の声かけをすることで、かすかに嬉しそうな表情をみせた息子さんの反応を見逃さなかった!
9歳というと男の子でも難しい年頃に入ります。
ですが、発コミュのコミュニケーション術は年齢・性別を問わず、相手の脳をポジティブに変え、発達させるものです。
声が詰まるブロック(難発)が出なくなったということは良い兆候です。
引き続き肯定の声かけをして、お子さんの自己肯定感と素直さを発達させて、吃音を緩和させていきましょう!
話し方じゃない!注目すべきところはもっと他のところにある!です。
執筆者:おざわつきこ
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)