『どんなに頑張っても学校が合わないこともある』ギフテッドの女の子がお母さんと不登校を選んだわけ

子どもが幼稚園では楽しく伸び伸びしていたのに、一斉に基本から勉強する小学校に入学した途端に行きしぶりが始まって悩んでいませんか?うちの子学校が合わない?と思ったら読んでほしいギフテッドの子どもの不登校を支えたお母さんのインタビューです。

1.「うちの子は学校が合わない」と思ったら

3学期が始まり、もうすぐ進級・新学期が迫ってくる時期。

学校という環境が苦手と感じているお子さんのお母さんは、来年度の子どもの登校サポートや居場所について考えることが多くなるのではないでしょうか。

子どもが「学校に行く、行かない」で悩む時、うまくいかないことが出てくるかもしれません。けれど、決して悲観しないでほしいです。子どもの学び方について新たな気づきを得られるチャンスと捉えてほしいのです。 

今回、ギフテッド傾向のある小学校5年生の女の子のお母さんMさんにインタビューさせていただきました。

娘さんのYちゃんは、小学校3年生から2年程不登校となりました。小学校に入学してから学校で過ごすことに違和感を感じ始めたそうです。

学校の先生と連携しながら学校生活を模索していった親子がどんな決断をしたのか、「うちの子は学校が合わないかもしれない」と心配なお母さんに読んでほしいと思います。

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2.小学校で感じた集団教育の違和感

ーーYちゃんが不登校になった経緯を教えていただいてもよろしいですか?  

「はい。入学した直後から、親子共にこれは学校生活が大変だぞという予感がありました。

幼稚園がわりと自由でアクティブラーニングを意識した教育をする幼稚園だったので、好きなだけ砂場を掘るとか、好きなだけパズルで遊ぶとか、カプラというおもちゃを積み続けるとか、そういう自分の探求心に合わせて活動を決まった活動の時間以外は行えるという幼稚園だったんです。  

すごく楽しい幼稚園時代を過ごし、学校にも期待を持って入学したんですが…1年生で一番最初の参観日に夫婦で見に行ったとき、しばらく我慢の日になるねと夫婦で話したのを覚えています。  

ノートを閉じるとか、鉛筆を出すとか、そういうところからして全員でそろうように先生が指導していらっしゃったんですね。

もうすでにその頃にYは、平仮名もカタカナも書けて、なんなら漢字もちょっと一部書き始めたりとか、アルファベットだったり、数字だったり、計算もできる感じの子でした。

授業の時間ずーっと姿勢を正したまま先生の指示通りに体を動かし、指を動かし、書いたりしなければいけないというのは大変だと思いました。  

ただ、繊細で、マイペースで行動や気持ちの切り替えが苦手な部分もあったので、みんなで何かをやるということを覚えるのも大事だろうから、子どもを励ましつつやっていこうと思っていたんですよね。

Y自身も、学校では、もの珍しいこともいっぱいあって、授業はちょっとつまんないけれど、友達もいるしと最初は頑張って登校していました。」  

ーー親も子も学校生活というものに適応しようと頑張っていらっしゃったのですね。  

「けれど、小学生になるというプレッシャーや不安が大きかったのだと思うのですが、次第に強迫的な行動がみられるようになりました。

例えば下駄箱に靴を入れたあと繰り返し位置を微調整して、かかとが揃うようにするとか。色々なところで色々なことが気になるようになってしまっていて。

入学時から学校へは繊細な面があるということを伝えていましたが、Yが学校で頑張れば頑張るほどそれが悪化していってしまった感じでした。5月にはお医者さんから強迫性障害の診断もおりました。」  

ーー学校で受け取る大きな不安で自分をコントロールするのが大変になってしまったのですね。学校の先生は、Yちゃんが学校で過ごしやすいように対策をしてくれましたか?  

「例えば授業中の課題が早く終わったら別のことをしてていいかどうかとか、宿題を別のものをやっていいかどうかとか、そういうことも度々お願いはしていたんですけれども、あまりたくさんは融通は利かなかったです。  

というのは、低学年のうちにクラスをまとめてクラス運営が上手にいくようにしたいという先生の狙いもありまして、そうでないとなかなか低学年の子どもたちを大人数そろえるのって大変だと思うんですよね。

やっぱりそういう中で一人だけ本を読んでいるとか、一人だけ違う課題をやっているとか、そういうのは難しいということで。  

けれども課題が終わった後は別のことをやったり、まだできていないお友達に教えたりとか、丸付け係を作ってくれたりとか、色々と先生としても工夫をしてくれていたんですけれど、こちらのニーズとのズレが出てしまっていました。

Yにとっては我慢の日々になってしまって、親が思っていたよりその我慢は娘に与える影響としてとても大きかったと思います。」

ーー学校運営をされる先生の想いとYちゃんの様子が心配な親としての想いとで葛藤があったと思います。よく冷静に対処されていたなと思います。

3.お母さんの心を解放したカウンセラーの言葉

幼稚園での探究心が満たされる活動とは違い、自分のわかっていることを一斉に皆で教わらなければいけない学校という場で苦しい思いをすることになったYちゃん。その後、Yちゃんとお母さんのMさんは学校を休むことを決断します。  

学校に行かないと決断したときの気持ちを聞いていきます。  

ーーその後、Yちゃんの強迫的な行動はどうなったのでしょうか?  

「Yは、強迫性障害がひどくなっていってしまって、2年生の夏に少し長い期間お休みをして遠方の祖父母のお家に一人で出かけてリフレッシュしたり、図書館や保健室への別室登校をしたり、色々と模索していました。

けれどもやはり学校へ行くと辛いことは変わりなかったようです。

友達がいないわけでもなく、何か授業中に飛び出して行っちゃうとかそういうわけでもなく、おとなしく授業は聞いているんだけども、やっぱり生活の細かい中に本人としてはすごくツラい我慢しているということがたくさんあって。

それが自分の体に返ってきてしまって、家では癇癪を起こすことも多くありました。  

学校から帰ってきてうがい手洗いをするということですら、泣き叫んでできなくなってしまいました。

そういう状態を主治医の先生やスクールカウンセラーの先生に相談しました。すると、スクールカウンセラーの先生がこんな風に言ってくださったんです。  

『不登校の中には2パターンあるよ。

学校側になるべく寄り添ってもらって、学校に行くことをなるべくお願いしてお子さんを学校に行く方向で指導していった方がいい子と、逆に学校に行かない方がその子にとって有益というパターンと2パターンあるけれども、娘さんの場合は行かない方がいいかもしれない。』  

その言葉が決定打になって3年生の4月に、もう完全に学校に行かないという選択をしようという風に決断することにしました。」

また、主治医からも娘に対して、『学校に行くのはあなたの健康のためにドクターストップだよ。』と言われ、娘はその言葉で不登校への罪悪感が和らいだのだそうです。

ーー専門家のアドバイスにより不登校の選択をしやすくなったということですね。お母さんとしては、その時の気持ちはどうでしたか?  

「そうですね、カウンセラーの先生の言葉が結構自信になったというか、やっぱりそうか、という感じに思って。でも、はた目からはどうしてそうなったのかが分からないっていう状態だったので少しもどかしい気持ちは残りましたけど。」  

ーーあんなにできている子なのに、あんなにいい子なのに、どうしてみたいな感じですよね。カウンセラーの先生、主治医の先生の助言がすごくよかったですよね。そういう先生いるんだ!と感動しました。  

「学校の先生方はどの方もすごく熱心で、これ以上ないっていうくらいに対応はしてもらったな、と思っています。でも、それでも行けない子がいることを、色々な方にわかっていただけたらなと思います。  

学校の先生も多分それはわかっているとは思うんですけど、ベストを尽くしても学校に戻れることが正解ではないから、戻そうとはしていなかったと思うんですよね。

できれば戻ってきてほしいって本音もあったと思うんです。だけど、そればっかりが正解ではないよね、っていうスタンスでみなさんいてくださったのはほんとに親子共に助かりました。」  

ーー「うちの子可哀想だからどうにかしてよ」というスタンスではなく、Mさんが先生達の学校運営のことも理解して、Yちゃんの状況も理解して上手介入して先生たちとやり取りしていらっしゃったんですよね。

学校が合わなくても先生達は自分のことを理解してくれていると感じることは、子どもの心の安定にとっても大事ですよね。

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4.学校に行かない選択はあり!子どもの心ファーストで!

子どもに学校が辛いと言われたり、学校が辛そうな様子がわかっていたとしても、なんとか学校に行ってほしい、頑張ってほしいと思う親心があると思います。 

不登校でもいいよというスタンスに世の中の見方が変わってきているとはいえ、まだまだ学校に戻そうという意識が働いてしまいますよね。  

学校という場所は、定型発達の子どもにとって、先生達にとっては、みんなで読み書き計算を覚えられる楽しくて便利なところです。

けれども、何かの能力が秀でていたり、逆に苦手さが強かったり平均的なところからはみ出している子にとってはとても辛いところになり得るということを多くの人に知ってほしいです。  

Mさんがおっしゃっていたように、どんなに周囲の大人が頑張って子どもへの配慮をしても学校というシステムになじむことができない子もいる。  

「この子は学校が合わないのかもしれない」と強く感じた場合は、ぜひ、お母さん自身の気づきを信じてお子さんの心の安全を第一に考えてください。お母さんの気づきは誰よりもお子さんを見ているからわかることです。自信を持ってください。  

学校に行かないという選択をした親子も世の中にはたくさんいます!

Yちゃんも学校を休んでいる間にたくさんの楽しい学び方を見つけ、強くたくましく成長していきます。不登校を選択した後、Yちゃん、Mさん親子はどのように過ごしたのか後編もぜひ読んでくださいね!
▼後編はこちらから!ぜひご覧ください。

執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)  

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