不安と100-0思考から不登校になった発達障害・グレーっ子が元気を取り戻したお昼ご飯の力

次こそは頑張る!と張り切っていた新学期なのに、思春期真っただ中の発達障害・グレーゾーンの子が『不安』『100-0思考』で完全不登校に。すっかり元気をなくした状態からお母さんのおうちサポートで元気を取り戻すことに成功した実例をご紹介します。

1.張り切って迎えた新学期、新しいクラスが不安で不登校に

張り切って迎えた新学期なのに、何だか元気がない、そんなお子さんはいませんか?

我が家の当時中学3年生の息子はその一人でした。
新学期になり3日目から学校に行けなくなってしまいました。

中学2年生までは皆勤賞、お友達と会うのを楽しみに毎日学校に通っていた明るい息子なのにどうして?と私は大変落ち込みました。

息子は発達障害・自閉症スペクトラム(ASD)傾向のグレーっ子です。
中学2年生までは『100-0思考』全開!の中学校生活を送っていました。

好きな教科では100%の力を発揮し、定期テストでも高得点、体育会や合唱コンクールでは120%の力で張り切って、クラスを盛り上げ率先してお昼休みの自主練習を提案していました。

大好きな給食でも、給食委員を3期務め、てきぱき働き、給食準備や片付けに取り組む姿勢は先生から感謝の言葉をもらうほどでした。

反面、嫌いな教科は0%
授業態度は最悪で、放課後に残されてお説教されることもしょっちゅうありました。

私も先生から電話を受けたり、学校に呼び出されたりすることが何度もありました。

それでも、クラスメイトにもともとから仲良しの友達がいたので、毎日学校に通っていました。

中学2年生の終わりごろには、高校受験も意識して、「中3からは勉強頑張る」と言っていました。

そんな息子がどうして急に不登校になったのでしょうか。


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2.発達障害・グレーゾーンと思春期のダブルパンチ!

私が発達科学コミュニケ―ション(発コミュ)で学ぶ中で、息子の行動を紐解いてみると、『不安』が影響していたのだとわかってきたのです。

いざ新学期、中学3年生になってみると

①心を開いていた先生が二人いたが二人とも異動になってしまった

②クラス替えの結果、新しいクラスでは知らない子や、知っているけれど親しくない子ばかり

③小学校当時仲良しだった友達の一人と久々に同じクラスになって安心したが、初日に冷たい反応をされた

一番の決め手は③でした。

小学校の時はいいやつだと思っていたのに、あんなに嫌なやつに変わってしまった。

→仲良しだったと思っていたのに、もう味方がいなくなった

→その友達のグループ(たまたまその友達と同じ部活の子が5人ほどいた)全員嫌なやつなんじゃないかと不安

→あんなクラス嫌なやつばっかりに決まっていると決めつけてしまった

2日目は私が励まして、いやいやながらも登校しましたが、息子の中で、このクラスは嫌なやつばっかりに決まっているという『不安』と『100-0思考』とが重なって、3日目の朝には布団から出て来られなくなりました。

涙を流してあんなクラスに行きたくない、と訴えました。

不登校になるまでは、実際、息子に「何か不安なことある?」と聞いてみても「なーんにも無い」とか「別にないけど?」としか返ってきませんでした。

しかも、小さい頃から明るい性格の息子です。
私は自閉症スペクトラムの特性の中の

予想外のことが起きたり、自分の思った通りに事が運ばなかったりしたときに非常に強い不安を感じる

といった『不安』が強いわけがないと考え、全く気にしていませんでした。

思春期は、発達障害ではない子どもも、自己評価が下がったり、劣等感を抱いたりしやすくもなります。
また、周りの人が気になり始め、他の人と違うことを意識し始める時期でもあります。

他のみんなと同じようにできないことに違和感を持ち始める発達障害・グレーゾーンの子どもも多くなってきます。

発達障害・グレーっ子の場合は、小さいときから「どうしてできないの?」「〇〇したらダメでしょ」と親や先生から注意され続けていることが多いです。

否定され続けた経験から「みんなと同じようにできない自分はダメな人間」と思ってしまうのです。

3.元気がなくなった子どもの元気を取り戻すお母さんサポート

発コミュの基礎講座は受講済みだったので、親子のコミュニケーションは良好で、母からのアドバイスを素直に聞いてくれる耳は出来上がっている状態でした。

親として伝えたいこと、息子が元気を取り戻した言葉をご紹介します。

◆「学校に行かなくてもいいよ」と伝える

「お母さんは、あなたが学校には行きたくないなら行かなくてもいいよ」とはっきりと伝えました。

安心したのか、息子は布団から起きてきました。

何でも好きなことをしていていいけれど、朝は起きて夜は寝てほしいことを伝えました。

ゲームとユーチューブばかりの日々が始まりましたが、前から決まっていた時間のルールを守っているので、私の心の中の『勉強をちょっとでもやってほしい』も封印しました。

◆子どもの興味を広げる言葉を伝える

勉強もしてほしいという私の気持ちを封印した代わりに、ゲームをしている横で、タイミングを見ながら

「これはなんていうゲーム?」
「このキャラクターかわいいね」

とゲームについて話しかけて、理解を示します。

息子の口からゲームについて説明をしてもらい、「なるほど」「わかるわかる」と共感しました。

すると、息子からゲームやユーチューブについて話してくれることが増えてきました。

安心してアウトプットができることで、脳の働きが促されます。

ゲーム実況のユーチューブばかり見ていると思っていたのですが、意外にお料理動画や動物動画を見ていることもわかりました。

息子が「ユーチューブで見た料理を作ってみたい」と言い、私のいるときに買い物から調理までやってみた日もありました。

家族から「すごい!おいしい!」「また作って!」とリクエストをもらって、少しずつ料理をすることで自信がついてきました。

一方、過集中で時間を忘れゲームに没頭してしまうので、用意しておいたお昼ご飯が、私の帰宅時までそのまま手つかずで残っている日もありました。

「母ちゃん帰ってきちゃった、ヤベー」とコソコソ食べる様子を見て、「こんな時間まで食べてないなんてダメじゃない」とは言いません。

私は、がっかりする気持ちを抑えて「食べてるね」「食欲旺盛でいいね!」と声かけしました。

この、お昼を食べることを忘れてしまう問題が功を奏することになりました。


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4.さらなる問題発生!かんたん料理でも脳を働かせてピンチをチャンスに!

『お昼ご飯食べ忘れ問題』も、好きなことが助けてくれました。

私が忙しくて、どうしてもお昼ご飯の準備に手が回らなかった日
「冷凍チャーハン作れる?」と聞くと
「説明読めばできるんじゃね?」と言うので任せました。

息子はチャーハンが大好物なのです。

発達障害・グレーゾーンASD持ち前のこだわりが発揮され『冷凍チャーハンをいかにしてパラパラに仕上げるか』をテーマに日々試行錯誤しはじめました。

その結果を帰宅した私に報告してくれました。

また、私が不在で、小学生の妹が早帰りの日の朝には…

「お昼どうしようかな~」とつぶやくと
「冷凍チャーハン作ったろか?」

と妹にも自信作のパラパラチャーハンを振る舞ってくれるようになりました。

食べることを後回しにしがちだった息子が、冷凍チャーハンだったらゲームを中断して、自分でフライパンで炒めて、しっかり食べてくれるようになりました。

我が家の冷凍庫には冷凍チャーハンが常備されるようになりました。

栄養面を考えれば問題ありかもしれません。私がお昼ご飯を準備する日もあるので毎日ではないですし、体の栄養は他の食事で補えばいいのです!

どうやったらおいしく作れるか脳を働かせ、自信もついて、息子の心の栄養は、冷凍チャーハンが補ってくれました。

元気のなくなってしまった息子は好きなことで自信がついて、ドンドン元気が戻っていきました。

会話が弾むようになり、中学校卒業後の進路についても話し合える状態になったのです。

発達障害・グレーっ子は、好きなことを制限せずに、活かしていきましょう!その先にはきっと明るい兆しが見えてきますよ!

執筆者:岡千恵
(発達科学コミュニケ―ションリサーチャー)

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