1.HSP気質で感覚が敏感だと学校がつらいかも?
「学校に行きたくない」という子どもの中には、聴覚過敏や視覚過敏などの感覚が過敏なために学校が辛いというお子さんもいますね。
聴覚過敏には耳栓やイヤーマフ、最近ではノイズキャンセリングイヤフォンなど色々な対策グッズがありますし、視覚過敏の場合もサングラスをする、環境を整えるなどの対応方法があります。
しかし、大人が「これをすれば大丈夫だよ!」と提案したグッズを子どもが受け入れてくれて「学校が辛くなくなった〜!」となれば良いのですが、そうはいかないことも多いのではないでしょうか?
HSP(Highly Sensitive Person:人一倍敏感な人)の気質を持つ子どもは周りの視線をとても気にしますよね。
今回は、HSC(Highly Sensitive Child)傾向のある子どもが、学校で感覚が疲れてしまってもおウチで感覚を癒やすことができた子どもにとって楽しい方法をお伝えします!
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2.学校は「うるさくて疲れる」のに家でもYouTube⁉
我が家の娘は小学2年生から3年生になる春から登校しぶりが始まりました。
どちらの学年のときも、最初に娘がよく言っていたのは、
「学校うるさい」
「がやがやしていて気持ち悪い」
「隣の男の子がすごく喋ってる」
といった、音に関する悩みでした。
学校の先生に、「近くの席になる子はあまりやんちゃではない子でお願いします」と配慮を求め改善されたものの、学校の音で疲れるという状況はすぐには変わりませんでした。
次に私は、娘に耳栓やイヤフォン、ヘッドフォン等を提案しましたが、周りの子ども達の視線が気になるため全力で拒否されてしまいました…
学校の環境をこれ以上変えれないのなら、自宅で疲れた耳や心を回復できるようにすればいいかな?と考え、綺麗な音楽や自然の音楽を用意してみました。
けれども、娘は「そんな曲好きじゃなーい」と言い、学校に帰ってきたら好きなYouTubeを見る毎日。
「そんなガヤガヤした動画で休まるわけがない!」
「そんなのを見続けたら具合悪くなっちゃうんじゃない?」
「やらなきゃいけないことも忘れてしまうんじゃない?」
と私は心配で仕方なくなってしまいました。
子どもが好きなものをさせてあげた方がいい、得意を伸ばしてあげた方がいいと思っている反面、YouTubeを見続ける娘がYouTubeのようなエンターテイメントで何か得意が磨かれるとは思えなかったのです。
さらに、自分達のような親世代にとってゲームやYouTubeは単なる娯楽というイメージが強く、疲れた体や心を癒すためにはもっと違うことをしなくてはいけないのではないかと考えていました。
3.ゲームやYouTubeが癒しになる⁈
HSP気質のあるHSCの子ども達は、聴覚が繊細で学校で大勢の人の話し声がとても負担に感じてしまうことがあります。
普通の人なら、自分には関係がないと思う話し声や物音は無意識にフィルターをかけて気にならないようにするのですが、HSCの子ども達は全てをキャッチしてしまいます。
例えば、1日中コンサート会場のような場所にいるような生活が毎日続いたら、大人でも疲れてしまいますよね。
だから、まずは聴覚過敏があると学校生活はとても大変だということをお母さんにはわかってほしいです。
また、HSCの子ども達は周りの人の気持ちにも敏感です。
相手はどう思っているのかな?
こうしてあげたほうが喜ぶだろうな。
こんなこと言ったら怒るかな?
先生はこうした方がいいと思っているからしっかりやらないと。
などと、常に相手の心を読んで自分の行動を決定してしまいます。
先生や周りの大人からみると、「素直で先生の言うことを聞く良い子」という良いイメージを持ってもらえる反面、子ども本人は常に誰かを気遣って動いているためとっても疲れます。
一方、YouTubeやテレビ、ゲーム等の音声は、一方的に流れてくる情報で、そこには相手に気遣わなくてはいけないという世界はありません。
何を考えても大丈夫!
怒られたり嫌われたりすることはありません!
HSCの子どもにとっては単なる楽しみというよりも、メディアの情報を見る、聞くということは癒しに近いものかもしれません。
HSPの気質を理解すると、YouTubeやゲームもそこまで悪ではないのかなという気持ちになれませんか?
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4.おウチにいるときは好きな音を聞きまくる!
ストレスで感覚過敏が強くなってしまっているときは、あえて感覚刺激を強めに入れてあげることがストレスのたまった敏感の状態を落ち着けてくれるのに役立ちます。
一般的には、発達凸凹があって苦手な音がある場合、その苦手な音を頑張って聞き慣れる、という練習の仕方があるのですが、学校でストレスをためている子にはオススメできません。
好きな音をたくさん聞く!これでOKです!
学校から帰ってきたら、好きなだけYoutubeでもテレビでも見てもOK!TickTockやInstagramの動画でもOK!
我が家では、YouTubeを見たら、
「どんな動画見てたの?」
「面白い動画はあった?いい曲あった?」
と娘の気持ちを聞くようにしていました。
また、お子さんが過ごす環境は、なるべく静かな環境にしてあげてください。カーテンを閉めるなどして少し暗めにしてあげることも視覚的にも疲れている場合は心を休めるのに効果的ですよ。
時間はできることなら、子どもが満足するまでさせてあげることが大事です。
やる前に親の方から、
「ゲームは○○分にして、終わったら宿題やろうね!」と勝手に決めないようにしてあげてください。
あれこれ予定を詰めて言われると頭が混乱して余計にストレスを感じてしまいます。
もし、「いつまでもYoutube見続けるんじゃないか…」とどうしても不安な場合は、
「YouTubeはどのくらい見る?」とお子さんに聞いてみましょう。
お子さんが答えた時間がお母さんにとって長すぎる場合でも、
一旦は、「〇〇時間見たいんだね!ご飯食べる時間はどうする?」
と他の予定をどうするかを聞いて、お子さんに考えさせてあげましょう。
最初から自分で完璧にスケジュールを立てられなくても、気長に見守ってあげましょう。
学校の宿題や準備が間に合わない!となったらそのときはお母さんが手伝ってあげればよいですよ。
5.好きな感覚で満たされると心も体も学校に耐えられるように!
YouTubeを見ているときに「面白いのあった?」と聞いても最初は「別にないよー」と言っていた娘も、そのうち嬉しそうにして色々と教えてくれるようになっていきました。
そして、最初の頃はおもしろ動画ばかり見たがっていた娘は、最近では自分で落ち着く曲や心が癒される曲をYouTubeで見つけてきて、特に疲れたときや、勉強をするときは好きな曲をイヤフォンで聞くようになりました。
イヤフォンやヘッドホンで聞くと自分の中にこもれる感覚で良いようです。
「この曲すごくいいんだよ!」
「心にぐっと来るよねー」
と表情豊かに教えてくれるように。
中学生になった今では、もうそれほど学校での音に悩まされていないようで、帰ってきたらすぐ勉強、習い事へ行く等、活動し続けられています。学校ストレスへの耐性がめちゃくちゃ上がっているなと感じます!
いかがでしたか?
敏感な感覚であるがゆえに学校がつらいと感じたとしても、子どもの興味を暖かく見守ることで、心・体の回復力(レジリエンス)が育っていきますよ!
執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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