1.発達障害ADHDの小学生がかかえるネガティブ感情の正体
小学校に行った子ども達は、学校でいろいろな経験をしています。楽しいこと もあれば、嫌なこともたくさん。
学校から帰ってきたお子さんは、嫌な思いをしたことを話す機会が多いでしょうか?
お友達に〇〇されて嫌だった
漢字のテストばっかり嫌だ
など、
今日あった楽しいことより嫌なことを話す
今日あった嫌なことから過去の嫌だったこと も引っ張り出してくる
結局、今日本当に嫌なことがあったのか、昔の話をしているのかわからない
なんて嫌な思いをしたことばかり話すということ はないでしょうか?
本来ネガティブ感情は、生存本能として自分の命を守るために存在していると言われています。
ネガティブ感情に反応する脳の「扁桃体」は、危険に対してすぐに対応できるよう常に厳戒態勢をとっているのです。
なかでもとくに、発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもの脳は、不安や恐怖という感情が特に心に残りやすく、簡単には解消できないのです。
今日の嫌な出来事を話していたら、昔の嫌だったこと も思い出してしまって、言葉がまとまらなくなったりしてしまうのは、脳の特性と言えるでしょう。
もう小学生になったのだし、自分で解決できるでしょ!と思わず、ネガティブ感情をうまくコントロールして、ネガティブな記憶をポジティブに変えられるサポートができるといいですね。
2.子どもが発するネガティブな感情を否定する間違った対応
親は、子どもにはいつでも明るく幸せな気持ちでいてほしいと願うものですよね。
私はそんな想いから、子どもが悲しみや怒りを言葉や体で表現した時は、ついそれを否定したり、時には叱ったりすることが多くありました。
「そんなこと言ってもしょうがないよね」
「それは今日の話じゃなくて、この前の話でしょ」
「あなたも相手の嫌がるようなことをしたんじゃないの?」
「そんなことで泣かないの」
「そんなに怒っても解決しないでしょ!」
「もう小学生になったのだから、自分で考えなさい!」
など、私はあらゆる言葉で子どものネガティブ 感情を否定し続けていました。
息子が発達障害ADHDグレーゾーンであることを受け入れられなかった時期は、ネガティブな感情を抱えやすいということに気づけなかったのです。
そのため、我が子は 自分に自信がなくなり、自分をも否定するようになってしまいました。
「オレはどうせできないダメなやつ」
「オレはバカだから」
息子の口から出たこれらの言葉に、私は自分の対応が間違っていたことを突きつけられたのです。
子どもが悲しみや怒りなどのネガティブな感情を抱いた時こそ、子どもの心を育てるチャンスです。
私がどの ように対応方法を変えたのかご紹介します。
3.ADHD小学生・プレ思春期の気持ちを受け止める方法
子どもがネガティブ感情を抱いた時は、否定せず受け止めることで、心の安心につながります。
発達障害ADHDの子が、ため込んだネガティブ感情が爆発する前に、この感情を否定せずに認めてあげることから始めてみてください。
「嫌だと思ったんだね」
「〇〇することが不安だと感じたんだね」
「〇〇が大っ嫌いなんだね」
と、無理にネガティブな気持ちを変えようと せず、じっくり話を聞き、そのままの感情を言語化してあげてください。
そうすることで、子どもが抱えている気持ちを少しでも軽くしてあげられるのです。
そして、なぜそう思ったのか、怒りや不安を感じた子どもの本心を 見てあげて欲しいと思います。
それを繰り返すうちに、子ども自身が怒りや不安と向き合えるようになり、そこからまたチャレンジするチカラに変えることができますよ。
執筆者:三浦由記子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
ADHD凸凹キッズのネガティブ感情についてたくさんの学びがありますよ!
▼こちらで一緒に学びませんか?