1.ゲームをやめられないときに効果的な方法がある?
発達障害グレーゾーンの子は、何か興味のあることを見つけると没頭しやすい特性もあって、「なかなかゲームがやめられない」と悩んでいるママも多いのではないでしょうか?
怒っても、制限しても、ずるずるとゲームをする。言えば言うほど荒れていくばかり。のめり込んで、ご飯や寝る時間も乱れてしまう。
ママも本当は怒りたくないけれど、なかなか言うことを聞いてくれないお子さんに、言い過ぎをやめられない。
そんな状況から卒業できる、親子のコミュニケーション3つのポイントをご紹介します。怒る叱るよりも圧倒的に効果的ですよ。
2.発達凸凹キッズがゲームをやめられない2つの要因
私の息子は、発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)・自閉症スペクトラム(ASD)・学習障害(LD)のミックスのグレーゾーンです。
好きなこと・興味のあることには驚くほどの集中力を見せるけれど、興味のないことは全くやらない、そんなタイプでした。
ゲームがなかなかやめられなくて、宿題もやらない、習い事もサボる、そんな様子がでてきたの小学校中学年ころからでした。
「やめなさい」と言っても私の声は届きません。次第に怒ってムリやりやめさせるという方法をとるようになりました。
ですが、息子は反抗的になる一方。それどころか「ネット環境が悪い」「もっといいスマホをよこせ」と、文句を言うようになりました。
そこで私が取った方法は、「カギのある部屋にゲームやスマホをしまって使えなくしてしまう」という方法でした。
これでうまく行ったと思いますか?いいえ、それどころか、息子は、ドアや壁を壊してまでもスマホを取り出そうと大暴れしたのでした。
なぜ制限しても、怒っても、うまくいかないのでしょうか?
発達障害グレーゾーンの子どもたちが、ゲームをやめられないのには、発達障害の特性や、子どもをとりまく環境が影響しています。
・欲求や感情のコントロールが苦手
・興味のあること、好きなことに、過集中になりやすい
・集中すると周囲の声かけが届きにくい
・行動の切り替えが苦手
など。お子さんの様子をみていて「そう言えば…」と心当たりのある方もいるのではないでしょうか?こんな特性があるからゲームやスマホにハマりやすくなるのです。
そしてもう1つ、私たち大人が覚えておきたいのが、「ゲームもスマホも『子どもの居場所』になっている」ということ。
発達障害グレーゾーンの子どもたちは、学校でうまくできないこと、苦手なことも多く、自信を失う場面がたくさんあります。
失敗をしてしまったり、意図しないことで叱られてしまう経験を、日々積み重ねています。
そんなお子さんにとって、ストレスなく楽しく過ごせるのが、ゲームやスマホの時間です。それを制限されたり取り上げられたりすれば、荒れてしまうのも無理はないのです。
では、そんな子どもの状況も理解しながら、どうやって上手に「ゲームをやめられない」子から卒業させてあげればいいでしょうか?
ゲームを巡って親子バトルが絶えなかった我が家が、その状態から卒業するためにやった3つのステップを紹介します。
3.ゲームを巡る親子バトルが解消した3ステップ!
◆2つの「居場所」を大切にする。
ゲームやスマホも子どもにとっては「自分の居場所」です。それを否定することをやめました。
それまでは「30分ゲームやったら1時間は勉強しなさい!」「宿題が先!」などと厳しく管理していた。
それをやめて、1日の終わりの時間(我が家は21時半終了)を決める以外は、口うるさく言うのをやめました。
終了時間を決める時も一方的に通達するより、お子さんと話し合って決めるといいです。自分で決めたことは行動に結びつきやすいからです。
それと並行して、リアルのお家の中にお子さんの居場所を作ってあげましょう。
「居場所」の作り方、それは、お家でお子さんが肯定される体験をたくさん積むことです。
お母さんからしたら「当たり前」と思うことでもしっかり肯定をしていくことで、お子さんはお家で安心して過ごせるようになります。
そうなると、自分の居場所できるので、「ゲームの世界だけが自分の居場所」という状態から卒業して、お母さんの声かけを聞きやすくなります。
◆ゲームに興味関心を示す
お子さんとゲームの話をたくさんするのがおすすめです!
「今日は良いアイテムゲットできた?」
「今日の成績はどうだった?」
「難しいことやってるんだね」
こんなふうにお子さんの好きなことを、たくさん聞いてあげて、たくさん語らせてあげてください!
この声かけ、子どもにとって「肯定的」なメッセージとして届きます。つまり、自分の『居場所』を、お母さんも理解してくれたり受け止めてくれていると伝わります。
肯定的なコミュニケーションは、子どもの安心や自信につながります。
そして「しゃべる」ことはお子さんの脳の発達にも欠かせません。ゲームをしていろいろな情報をインプットしたら、上手にアウトプットすると、脳が育ちやすいのです。
◆ゲームをやめたら「いつでも」褒める
お子さんがゲームを終えることができたら「ゲームやめられたね」「終わりにするんだね!」と一声かけてあげてください。
もちろん、時間通りに終われることばかりではありません。守れるようになったのに、なにかの拍子にまたできなくなることもあります。
ですが「時間を過ぎてる!」と叱るのをやめて、ゲームを終わりにしたという行動だけに注目して、笑顔でひと声かけてあげられるとベストです!
実は、子どもの行動を言葉にして伝えることで、子どもは自分ができたことを記憶して、それをだんだん繰り返してできるようになるのです。
定着させたい行動は「しっかり言葉にして伝える」と良いですよ!
「ゲームをやらせろ!」と暴れて暴言を吐いて息子はもういません。やるべきことをやりながら、ゲームとも楽しく付き合う、そんなスタイルを確立しています。
お風呂も、ゲームも、学校に行く時間も、しっかり自主的に行動できるようになっています。
お母さんのコミュニケーションを変えるだけで、発達障害グレーゾーンの子の「ゲームをやめられない」問題、上手に乗り越えられるようになります!
今日からぜひチャレンジをスタートしてみてくださいね。
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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