発達障害の子が学校でトラブルを起こして、毎日のように電話がかかってくる、そんなお悩みはありませんか?それは二次障害の始まりかもしれません。学校での暴言・暴力、そして不登校になった息子が復活した、自宅でのサポート方法をお伝えします。
1.発達障害の子どもの学校トラブルの原因は二次障害?
発達障害やグレーゾーンのお子さんが、学校でトラブルを起こしてお困りではありませんか?
自閉症スペクトラム(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの傾向を持っている子どもはその特性により、まわりの子どもに比べて、学校で上手くいかないことが多かったり、失敗体験をしてしまうことが多いです。
例えば、ASDタイプの子どもは、こだわりが強く柔軟に周りの意見に合わせることがとても難しく、「自分勝手」「変わり者」と思われてしまうことがあるかもしれません。
ADHDタイプの子どもは、好奇心が旺盛で、周りに合わせて行動しなきゃと頭ではわかっているけれど、ついつい体が動いてしまって立ち歩いてしまったり、興味のない授業に出るのがとてもしんどく、教室を出てしまったりする場合もあります。
そうすると、悪目立ちしやすく怒られることが多いため、自己肯定感が低くなり、自信を失いやすいのです。
こんな発達障害やグレーゾーンの子ども達は、他の人と見えている情報が違ったり、物事の捉え方や考え方も独特な場合があることで、コミュニケーションがうまく取れないことがあります。
このような状態が続くと、イライラして暴言や暴力が出る子や、やる気や自信を失って不登校になる子、酷いとうつ病を発症することもあります。
このように発達障害を要因とした二次的な障害を、二次障害と呼びます。
学校でのイライラや暴言は、二次障害の始まりである可能性が高く、さらなる悪化を防ぐためにも早めの対応が必要です。
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2.二次障害を起こしやすいのが高学年!
小さいころや低学年の頃は落ち着いていたのに、高学年になって急に学校でのトラブルが増えた方も多いのではないでしょうか?
それは、高学年になると二次障害を起こしやすい原因があるからなのです。
◆自分とほかの子の違いが見えるようになる
小さな頃は自分の世界のことばかり考えていた子ども達は、高学年になると周りの子どもと自分の違いというものに意識が向くようになっていきます。
発達障害を持つ子どもは、周りと自分の違いが見えるようになると、自分ができていないことが多いことに気付き、自信を失うことが増えます。
また、友達やクラスメイト等の周りの子ども達も、発達障害の子に対して気がつくことが増えていきます。こだわりの強さや自分ルールがあることで、「学校のルール」や「仲良しグループでのルール」を守れないことを、不思議に思う子や、違和感を感じる子がいるんですね。
すると、子ども同士でのいざこざが増え、子どもはストレスが溜まっていきます。
◆学校では高学年として求められる行動のレベルが高くなる
低学年のうちは、1つ1つ細かく指示を出されていたことも、高学年になると「自分で考えて動く」ことが求められます。
発達障害の子は周りの状況を読むことや、具体的でない言葉の意味を汲んで理解することが苦手です。
そのため、やるべきことや、求められていることがわかりません。
更に、自分に自信がないと、わからない時に先生に「わかりません」と伝えることができないため、先生や周りの大人から「怠けている」「やる気がない」と誤解されることが多くなります。
3.学校での暴言暴力は息子からのSOSだった!
我が家の長男も、小学校5年生になって、急に学校でのトラブルが増えました。
お友だちに手を上げてしまったり、先生に暴言を吐いたりと、夕方学校から電話が毎日のようにかかってくるようになったのです。
「死ねって言ってくる子がいる」
「問題児のくせに授業で手を上げるのかよって言われて怒った」
と息子の主張を聞いて先生に相談しますが、息子はそれ以上に切れて暴れているため、お互い様と取られてしまい、解決には至りませんでした。
それどころか、息子の爆発的な怒りに、先生たちはどんどん警戒するようになっていきました。
自分でコントロールできないなら、専門家に助けを求めようと、療育センターに相談しましたが、ソーシャルワーカーとの面談までも3か月待ち、医師との面談はさらにそこから4か月も待たされました。
そうしているうちに、息子の学校での行動はエスカレートし、授業中は立ち歩き暴言を吐き、さらには教室に入ることさえできなくなって、廊下で大声を出したりするほどにまでなってしまったのです。
学校での様子を聞き、これは息子の悲鳴だ。学校では息子がこんなに困っているのに、問題児扱いするだけで寄り添ってはくれない。私がどうにかしてあげないと!
そう思った私は、しばらく学校を休ませることを決断しました。
そんな息子が、家でのサポートだけで、2か月で落ち着きを取り戻し学級復帰した方法をお伝えします!
4.暴言暴力で荒れた息子を落ち着かせたおウチでの基本カウンセリング
ここまで荒れた息子を復活させるため私が家で行った対応、それは大きく2つだけです。
◆とにかく褒めること!
褒めるといっても、できたことを褒めるだけではありません。子どもが動き出したとき、そのことを言葉に出してあげるだけ。そうすることで、自信を失ったお子さんが、自分のできていることに気が付き、自信を取り戻していきます。
お風呂に入ろうとしたら、
「お風呂の準備してるんだね!さっぱりしてきてね!」
ちょっとでも宿題をやろうとプリントを取り出そうとしていたら、
「宿題出すんだね!
「今日は早いね〜!!」
というような感じです!
他にも、
・たくさん感謝を伝えること。
・スキンシップを増やすこと。
・子どものしていることに興味を持つこと。
このすべてが肯定となり、お子さんの失った自信を取り戻し、気持ちを落ち着けることにつながるのです。
◆よくない行動は怒らずスルーすること!
ついつい、ご飯ができているのにゲームをやめない。何回言ってもお風呂に入らない。など、注意したくなる瞬間がありますよね?
でもそこはぐっと我慢です。せっかくたくさん褒めているのに、注意もいっぱいされていたら心は回復していきません。よくない行動は、いい行動を褒めていくうちに、自然と減っていきます。
我が家では、まず、「お風呂入ったね~」「ズボン履けたね」など、日々のあたりまえのことにもとにかく声をかけ、何かと「ありがとう」「助かる」と感謝を伝えていました。
また、高学年ではやりにくいスキンシップも、ドライヤーをかけてあげる、マッサージしてあげるなど、子どもが受け入れやすい方法で取り入れていきました。
感覚と感情をつかさどる脳は仲良しなので、感覚に心地よい刺激を与えてあげると、子どもの気持ちは落ち着いていきます。
5.息子の心が回復!成長した姿で学校へ復帰
息子が不登校になった2か月、我が家では上の二つの実践を徹底しました。そんな息子の成長をお伝えします。
「褒め」とスルーを続けて、2か月たった時には…
「俺もう大丈夫」「お母さんのおかげで、俺は復活した!」
と、自信をもって言えるようになり、学校に復帰!
嫌なことがあって怒っても、暴力をふるうことはなくなり、
先生からも
「前と違って落ち着いてますね」
と言ってもらえるようになりました。
時には特性によるこだわりから友達と言い合いになったり、理解してもらえずイライラする時もありますが、そんな時は私がよく話を聞いてあげるようにしています。
発達障害の子どもの二次障害は早めに対処しないと、回復までに時間がかかってしまいます。
学校でのトラブルを落ち着かせ、二次障害を防ぐための道は、家で、たくさんの褒めのシャワーを浴びせてあげることです。お子さんの暴言や暴力にお困りの方、ぜひ実践してみてくださいね!
執筆者:やなぎ みほ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
発達障害やグレーゾーンの子をもっと成長させる方法、お届けします!