1.アスペルガータイプの子、困っているのにサボっているように思われてしまうのはなぜ?
勉強や学校の活動になかなか取り組もうとしないお子さんに、本当はやればできるのにサボっているだけなのでは…と感じることはありませんか?
お子さんのやる気がなさそうな様子を見て、「ちゃんとやりなさい!」とついお母さんが感情を荒げてしまうこともあるかもしれません。
一見サボっているだけに見えますが…実は発達障害の特性が隠れているのです。今回は発達障害グレーゾーン、その中でもアスペルガータイプのお子さんの発達の特性についてお話をします。
・周囲とのコミュニケーションに課題を抱えやすい
相手の立場に立って気持ちを理解することや空気を読むことが苦手で、お友達から「変わった子」と思われてしまうことがあります。
・特定のものごとへの興味やこだわりが強い
気になったことはとことん追求する「博士気質」がありながら、興味のないこと、やる意味を感じないことに対しては完全にスルーするといった一面もあります。
・変化に対応するのが苦手
行動や習慣の面ではルーティンがあったほうが落ち着くタイプです。
予期せぬ予定が入ることやイレギュラーな行事を嫌がる子も多いです。
このように、アスペルガータイプの子は知能や言語の遅れがないので本当はやればできるんじゃないか、と誤解を招いてしまうことがあるのです。
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2.発達障害グレーゾーンアスペルガータイプの子はどうして学校がつらくなってしまうの?
次にアスペルガータイプのお子さんのお母さんからお寄せいただく、勉強面でのお悩みについてお話しします。
・宿題や勉強で、途中式を省略して答えしか書かないので、先生によく注意されたり、テストで点が取れなかったりする。
・漢字などの宿題を繰り返し書くことをとても嫌がる。
・授業をしっかり聞かない。
ですが、お子さんからすると、
「答えがわかっているんだからそれで良くない?」
「もう漢字覚えたのに何度やらせるんだよ!」
「先生の話は同じことを何度も言うからつまらない。」
「学校の授業では僕の興味のあることをやってくれない。」
などの想いがあります。
知能や言語の遅れがない一方で、コミュニケーションや思考が個性的でこだわり派の一面があります。
ですから、『みんなと同じことを同じペースで同じやり方でやる』という学校での勉強がつらくてしかたない!と感じてしまいます。
結果的に、『学校ってなんてつまらない場所なんだ!』と感じてしまい、この想いがアスペルガータイプのお子さんの学校がつらい理由の一つになっているのです。
もちろん、勉強だけでなく、他にも学校行事や集団活動などにつらさを感じている子もいます。
ですが、お母さんが接し方を変えることで、お子さんが学校生活で苦手に感じている場面でも立ち向かっていく力を育てることができるのです。
3.行事に参加できた自信が苦手と向き合えるようになった!
発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)講座の受講生、Kさん親子の成長ストーリーをご紹介します。
Kさんのお子さん、小学校6年生のK君は行事のたびに登校しぶりを繰り返していた発達障害グレーゾーンアスペルガータイプのお子さんでした。
K君は “行事”が大の苦手で、様々な行事の練習が始まると、毎年嫌がって暴れて、学校に行きたがらないという状態でした。
・いつものペースを乱される
・大きな音や刺激がある
・興味のない踊りや歌をやらされる
そんな環境がK君にはつらかったのです。
お家で過ごしていても暴言が多かったり勉強をほとんどしなかったりと、お母さんもお子さんの将来を心配してあれこれ口出ししてしまう毎日でした。
そんなときに、お母さんが発コミュを受講されて接し方を変えると、K君に大きな変化が起きました。
・行事の練習に参加できるようになった。
・行事の係の仕事にもチャレンジできた。
・行事の当日、休まずにやり切った。
さらに運動会の1週間後には、K君が嫌いな宿題に自分から取り組み始めることができたのです。
きっと運動会での自分の成長から自信が芽生えた結果だと思います。
以前は、嫌なことがあるたびにイライラして暴言を吐いていたK君でしたが、今では不安なことや嫌なことがあっても、怒ったりキレたりせずに自分の気持ちを言葉にして伝えてくれるようになったそうです。
そうやって、自分の気持ちを言葉にするようになってから、嫌なことと向き合う力が育ち、「まずはやってみるよ」とチャレンジするようになったそうです。
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4.アスペルガータイプの子の「やってみたい!」を引き出す親子のコミュニケーション
こんなにKくんが変わった発コミュにはどんなしかけがあるのでしょうか?
発達障害グレーゾーンアスペルガータイプの子のこだわりの強さやかたくなな様子は「防衛反応」の表れでもあるので、無理やり変えようとしてもうまくいきません。
「防衛反応」の様子が見られるときは感情的な脳が優位に働いているので、いくら「正しいこと」をお母さんが説き続けても受け取ってもらえません。
お母さんの言葉を冷静に受けとめてもらうためには、「理論的」な脳を優位に働かせてあげる必要があるのです。
素直さが伸びることでお母さんの声も届きやすくなり、結果的に行動力が上がってきます。
発達障害のお子さんの行動を起こす力を引き出すため、スモールステップでできて当たり前のことを褒めて肯定することから始めてみてください。
「自分で起きられたね。」
「お風呂入ったんだね。」
「歯磨きしているんだね。」
「着替えできたね。」
これだけでも肯定になります。
お母さんがどんどん口に出して、「行動できた」事実をしっかり肯定していくことが大切なのです。
また親子の会話も、明るく肯定的なものにしてお子さんがお家で穏やかに過ごせるように心がけてみてください。
例えば、
「おかえり!学校がんばったね!」
「ご飯たくさん食べたね!」
「今日の給食〇〇だったの?おいしそうだね〜。」
など、何気ない会話で構いません。
発達障害のお子さんが不安やイライラを手放せるように自信と安心を親子のコミュニケーションでしっかり育ててあげることで、「素直さ」や「柔軟さ」が伸びてきます。
そして、苦手なことにチャレンジする力がついてくるのです。
シンプルに「行動を起こせる」ことは、とても大事なことです。
行動を起こすからこそ経験できること、学習すること、考えること、分かること、が増えるのです。
みなさんも、発達障害グレーゾーンアスペルガータイプのお子さんの「やってみようかな」を引き出す親子の会話にぜひ挑戦してみてくださいね!
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不登校の息子をどうにかしたい、息子の気持ちを知りたいとネットサーフィンする中、パステルジャンプの記事にたどり着きました。清水畑さんのメルマガを読み始めたとき、思春期の子どもと会話が出来るようになんてなるの?と半信半疑でしたが、毎日届くメルマガの中に不登校を経験しても子どもの未来は明るい!とご自身の経験談が書いてあり、説得力がありました。(Oさん)
執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)