1.「自分はコミュ障」と悩む不登校発達凸凹キッズがいます
コミュニケーション能力が低そうに見えないのに、「自分はコミュ障…」と悩んでいる子どもがいます。
特に、知能の高いお子さんがいるお母さん、思い当たりませんか?心通じる友達ができなくて、本人も気にしている場合どうしてあげたらいいんだろう?と悩みますよね。
知能が高いといっても、元々興味関心がマニアックで、人との交流よりもこだわりの物への愛着が強いタイプのお子さんは、友達がいなくても平気という場合もあるかもしれません。
自分のことを理解してくれる人がいて、とことん好きなことをできる環境があれば、友達がいるかどうかはそれほど気にならないというケースです。
一方で、話題が合わない…自分の世界観で話せる友達ができない…と悩んでいる子どもがいます。
また、周りから見るとそれほど問題がなさそうでも、実はとても緊張していたり不安を抱えたりしている子どももいます。
今回は、不登校になってしまった繊細な子どもが心通じる友達ができくなった場合の対処法をお伝えしていきたいと思います。
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2.友達が欲しいのに通じあえる友達いなくなって辛い
ギフテッドやHSC(人一倍敏感な子)の特性として、コミュニケーションの苦手さが必ずあるわけではありませんが、同年代とのコミュニケーションを不得意に感じている子がいます。
同世代とは仲良くできなくても、大人であったり、逆に自分よりも年下の子のお世話をしてあげるのは好きだという場合はありませんか?
また、親や先生から見ると同世代の子とも仲良くすることができていたり、発表場面でも流暢に話していたりするため、コミュニケーションに悩んでいるように見えない場合もあります。
しかし、ギフテッドの子どもの中には、自分を「コミュ障」だと思って悩んでいる子達がいるのです。
理解力が高く、一般的な常識もしっかり理解でき、社会の評価をとても気にする繊細なタイプの子は、
同世代の友達はたくさんいた方がいい
親友と呼べるほどの心通じる友達がほしい
友達がいないと陰キャだ…
と、友達がいない、少ない自分を否定してしまう傾向にあります。
けれども、興味のあることに対する探究心が強く、知識がマニアックに偏りやすいギフテッドは同世代が好む情報に興味を持てなかったり、相手には興味がないだろうとわかって自分の好きなことを話せなかったりします。
また、思春期からは同年代と関わることに誰しも緊張したり恥ずかしい気持ちを感じたりするものですが、空気感を敏感に察知するタイプの子は緊張しすぎてしまいます。
そのため、
友達が欲しいけど、友達が作れない。
と辛い想いを抱え、悩んでしまうのです。
過度激動(OE:Overxcitability)と呼ばれる性質もあり、喜怒哀楽すべての感情が激しく、本来は高い共感力や深い感情移入ができる能力を持っているギフテッドの子どもは、落ち込みの度合いも激しいです。
そのためお母さんが、「友達なんてそのうちできるわよ」と気楽に考えていると、子どもはどんどん深く落ち込んでいってしまうため注意が必要です。
3.ギフテッドの息子、友達なんてそのうちできると楽観視していたら…
我が家の通信制高校に通う元不登校の息子も、中学校時代は友達がほとんどいませんでした。
小さな頃から集団生活は苦手でしたが、好奇心旺盛なために、公園などで自分より年上のお兄ちゃん達が遊んでいるところに物怖じせずに入り込んでいき、いつの間にか仲良くなっていたり、
学校に通っていた小学生時代も、放課後は友達と約束して出かけることもありました。
学校での発表などもハキハキとこなしていたため、私はあまり息子のコミュニケーション能力に心配をしていませんでした。
ただし、思い返せば学年が上がるごとに、友達が悪ふざけでやってきたことに対してとても嫌悪感を感じていたり、同じゲームをしていても息子のマニアックな話をわかってくれる子がいなかったりして、真剣な表情で悩んでいたことはありました。
初めて会う人と遊んだり話したりするときは、ものすごく気を使って優しく接しているけれど、家に帰ると「疲れた…」とグッタリしてしまったりもします。
また、感性が独特で、好きなゲームやテレビが古かったりするのです。「好きな仮面ライダーは1号!ポケモンは昔のドット絵調の時代が一番良かった!」そんなことを言う、オヤジっぽい子です。だから、なかなか同年代で同じ感性の子に出会えません…
すると、見かけ上のコミュニケーション能力は高いのに、本人の心の中では劣等感が蓄積されて辛い気持ちだったようで、親としてすぐに気づいてあげることができませんでした。
不登校になってからは更に劣等感も強くなり、友達が来ても、遊びを断ることが多くなり、環境的にも心理的にもひきこもってしまうようになりました…
息子が心を開いていた数少ない友達は同じ年のいとこと、すぐ近所に住んでいた同級生だけでした。
発達科学コミュニケーションを私が受講して、ひたすらおウチで息子のことを肯定してあげられるようになると、明るくなり、引きこもりも解消していきましたが、こんな言葉をよく言うようになりました。
「友達がほしいんだ。でも、どの子と話してもなんか違うんだよな…」と。
不登校の子ども達は、ネット上でゲームをしたりしてネットの友達がいることで満たされたり、ネットの中でコミュニケーション能力を高めたりしている子もいますが、息子はそれもできませんでした。
「顔が見えないと、相手がどんなことを考えているのわからなくて怖い。」と。不安が強いタイプのため、ネット上のコミュニケーションはリアルよりも難しいのです。
あまりに真剣に悩んでいるため、
「子どもの頃の友達なんて大人になったら付き合いなくなっちゃうし、無理してつくらなくてもいいんじゃない?」なんて声をかけたこともありました。
けれど、それは息子の辛い気持ちを解決する会話にはなっていないなと気づきました。
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4.友達は大人でもいいじゃない!
ネットの友達作りも難しい、リアルで友達を作るのも難しい…
同世代が難しいのなら、異世代の友達を増やせばいいんだ!と思い、私は息子が好きになりそうな大人と会う機会を増やすようにしています。
大人の友達を作るなんてどうすれば?と思うかもしれませんが、まずは、自分のことを素直に話せる人と会う機会を増やすということでいいと思います。
例えば、床屋さん、病院の先生、よく行くお店の店員さん、習い事の先生等。
そんな定期的に子どもと会う機会のある大人を、厳選するようにしていました。
人と関わることにネガティブイメージを持ってしまった息子には、今は対人面での失敗体験はしてほしくないと思ったので、
不登校ということで批判してこない
ちょっと独特な息子を面白いと言ってくれる
その人自身が魅力的な生き方をしている
そんな人を選びました。
そのため、小さい頃から私の好みでなんとなく通っていた病院も、息子が好きそうな理論的で最新の研究をしていて、子どもの話をよく聞いてくれる先生のいるところに変えました。
また、息子がプログラミングに興味があるため、IT関係の仕事をしている人と繋がれるように私の友人に頼んでみたところ、システムエンジニアの若いお兄さんと繋がることができました!
専門知識を持っている人とはサクサク会話がはずんで、相手の話を聞くのも、自分のことを話すのも楽しいようです。
「人と話すのは実は緊張するけど、会話の通じる人となら緊張しても話したくなる!」と言うように。
子どもの時代は、同世代との関わりで他者とのコミュニケーションをとる練習をする機会が多い日本ですが、大人と子どもの関わりだっていい。
まずは、興味のある人との関わりの中で、自分の意見を伝えたり、相手の話に耳を傾ける経験を積ませてあげたいですね。
そして、いつか、心通じる友人ができるといいな…そのときまで、身近な人との関わりの中でコミュニケーション能力を伸ばしてあげよう!子どもの力を信じてママはサポートしていきましょう!
執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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