発達障害・グレーゾーン兄弟の激しいケンカを急がば回れで確実に減らす方法

夏休みの兄弟喧嘩に疲れませんか?発達障害・グレーゾーンの子ども達は感情のコントロールが苦手です。同じ傾向がある兄弟がケンカを始めると収拾がつかず、親もぐったり…でも脳の特性を理解出来れば急がば回れで激しい兄弟のケンカを解決できますよ!

1.発達障害・グレーゾーン兄弟の激しいケンカにうんざりしませんか

兄弟のケンカについてインターネットで検索するとたくさんの記事が目に入ります。「放っておけば解決するから大人は口出ししない方が良い」「暴力はだめ」「共感が大切」などなど。

でも、本人たちに解決させようと任せれば手や足が出て大事になったり、共感したのに逆ギレされたり…簡単にいかないのが発達障害・グレーゾーンの子どもたち。

そして暴力が伴うケンカは今すぐにでもやめさせたいですよね。

そこで今回は「急がば回れで激しい兄弟のケンカを確実に減らす方法」をご紹介します!

2.原因はささいなことであっても、兄弟のケンカをとめるのは大変

我が家には小6と中2の男子がいます。2人とも発達障害の注意欠陥多動性障害(ADHD)があり感情のコントロールが苦手です。加えて長男は自閉症スペクトラム(ASD)の傾向もあり、相手の気持ちを察することも苦手です。

ケンカの原因自体は「学校で嫌なことがあってむしゃくしゃする(やつあたり)」「次男に対する長男のちょっかい」などささいなことばかり。

彼らが小さかった頃はケンカになると手を出した方をリビングから出して、気持ちを落ち着かせようと試みていました。…がリビングに戻った途端に仕返しが始まってしまい、効果はほとんどありませんでした。

冷静になれる場所を提供しても一度興奮モードに入った彼らの気持ちは簡単にはおさまらないのです。

成長すれば言葉が伝わるようになるかと期待していたのですが、落ち着くどころか力が強くなってケンカはこじれる一方でした。

3.暴力はいけないこと…でも…

怒りや不安、感動などの原始的な感情の働きをするのは脳の中心部にあります。その中心部を覆いかぶさる大脳が理性的に感情を抑える働きをしています。学校生活などでストレスを抱えていると大脳の働きが鈍くなり感情のコントロールはいっそう難しくなります。

また、発達障害・グレーゾーンの子どもたちは自分の気持ちを説明することも相手の気持ちを想像することも苦手です。「嫌だな」「我慢しているのに」…など思いを抱えているのに言葉に出せずもやもやしているのかもしれません。

そんな彼らにとって暴力は「あふれた思い」です。だからこそ一度ケンカになるとなかなか収拾がつきません。

暴力はいけないことですが、その場で暴力を叱っても「僕の気持ちを否定された!」と不満だけが溜まってしまい、ケンカを減らすことにはつながらないのです。

4.3つのステップで兄弟のケンカは解決できます

そこで兄弟のケンカを解決する3つのステップを提案します。

◆仲良しでいる時間をたくさん肯定する。

仲良くやっている時に「楽しそうだね」「仲良くしているね」と穏やかに声をかけるようにします。声をかけても子どもたちの反応はあまりないでしょう。でもこれは「ケンカをしていない時もお母さんは君たちを見ているよ」と伝えるための声かけです。

◆ケンカをしているときは肯定できることだけに注目する。

暴言を吐かれても我慢している子どもには「我慢しているね」「カッとならずに話せているね」と声をかけます。

こういう時の子どもは必死で我慢しているので不機嫌です。「うるさい」「きも」「うざ」と返してきたり、時にはグーパンチが飛んでくることさえあります。そんな時は言葉や行動に反応せずに平静をよそおいます。

そしてケンカをしかけた子どもにはあえて声をかけません。暴力を伴う場合も叩かれる子どもを助けることに徹して声をかけません。
(暴力が激しい場合は叩かれた子どもと一緒に逃げましょう。)

この対応を続けていた頃、次男には「どうして長男を怒らないの!?」と幾度となく責められましたが、「怖かったよね」と共感し「怒ってほしいという君の気持ちはわかるよ」とだけ答えました。

一方、長男の悪意なき”ちょっかい”がケンカの原因の時は長男を次男からさりげなく離しながら「悪気がないのはわかっているよ」「次男が可愛くてちょっかいを出してしまうんだよね」とだけ伝えるようにしました。

◆相手の表情を見るよう促す

暴言、暴力が減った後も長男の”ちょっかい”はなかなか減りませんでした。そこで長男のちょっかいに対し次男の表情がこわばっているときに

「次男はどんな顔をしているかな」
「次男の顔が怒っているよ」と長男に伝えるようにしました。

最初は聞く耳をもたなかった長男も次第に次男の顔を見て、ちょっかいを止めるようになりました。大人は最後まで見守って「おっ、自分でやめたね」とだけ伝えます。

一時期、長男は自分のちょっかいで次男が怒り出すと「どんな顔をしているのかな」と母と次男をチャカしていました。次男は怒っていましたが大人は聞こえないフリですこちらが反応しないとつまらないようで次第にちゃかさなくなりました。

仲良しの時間を肯定し、ケンカの時はよい行動だけ肯定し悔しい思いに共感し、指示をするのは「相手の表情を見ること」だけです。

この「3つのステップ」をこつこつ続けていけば兄弟のケンカは確実に減っていきます。


夏休みは兄弟で仲良くしている時間を見る機会も多いはず。叱っても解決しない子どものケンカ。今年の夏はいっぱい肯定して兄弟のケンカを減らしましょう!

作成者:ふじくら さや
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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