発達障害で不登校のお子さんのお風呂嫌いを克服できる声かけ!

発達障害で不登校のお子さんは、 お風呂に入ろうとしないまた入浴時間がかかりすぎてしまう。そんなお子さんの様子にイライラしていませんか?今回は、そんなお子さんが、お風呂にスムーズに入り、適切な時間で入浴できるようになる方法をお伝えします。
 

1.発達障害で不登校のお子さんのお風呂問題は特性がからんでいます!

発達障害のお子さんが不登校になり、急に お風呂に入れなくなり、入浴に時間がかかりすぎてしまう。そんなお子さんの様子に、困り果ててしまっていると思います。

まず、発達障害のお子さんの特性を見ていきましょう。お風呂が苦手になってしまう特性の代表的なものは4つあります。

1つ目は、ものごとを最初から最後までやりきる力弱い傾向にあります。お風呂に入るという行動には、体を洗ったり、髪を洗ったり、湯船につかったりと、様々な動作が含まれます。

そのため、やり切る力が弱いと、「めんどくさい」、「入りたくない」等、感じる子ども達がいるのです。

2つ目は、時間感覚曖昧なので時間を意識しながら活動をすることが苦手です。例えば、お母さんがよく使う「ちょっと待ってね」や「あと少しね」などのあいまいな表現は、お子さんには、伝わりにくいのはそのためです。

3つ目は、行動・気持ちの切り替え苦手です。何かに取り組んでいて、それをやめて次の活動に移すことが苦手なのです。「お風呂の時間なのになかなかゲームがやめられない」という場合はこの切替えが苦手ということです。

4つ目は感覚過敏です。皮膚に触れるものへの刺激がとても敏感な状態になっています。シャンプーやボディーソープの感触が嫌い、好きではないという子や、シャワーが痛いと感じる子などもいます。

これらの発達障害の特性は、不登校になったことにより、更に悪化していきます。

学校に行けないことで自己肯定感が下がると、ものごとをやる気力も落ちてしまったり、感情がネガティブになってしまうことで感覚過敏も悪化してしまうのです。では、不登校になり発達障害の特性が強まってしまったお子さんにどのような対応をしていけばよいのでしょうか。

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2.お子さんの特性や困りごとは十人十色!お子さんへの理解を深めよう!

我が家の中3の息子の場合をお伝えします。息子は小学5年の2学期から不登校になり、中学は、最初の3ヵ月ほど登校しましたが、その後また不登校になってしまいました。

当時、息子が中学校に行けなくなった頃から今まで当たり前にできていた、「お風呂に入る」ということができなくなってしまったのです。

お風呂に入りたがらない。また、お風呂に入ったら、なかなかお風呂から出てこられない状態が続くようになりました。そこで、私は、息子が「お風呂に入る」ということのどこに大変さを感じているのか理解するところから始めました。

当時息子はフォートナイトというゲーム夢中でした。その好きなゲームをやめて「お風呂に入る」ことに、とても時間がかかっていました。お風呂に入る時間を決めても、2,3時間後に「お風呂に入る」ことがほとんどでした。

そして、やっとの思いで入浴しても、息子の中のこだわりルールがあるため、スムーズに入浴を済ませることができませんでした。

例えば、洗う手順が、頭➔右腕➔左腕➔右足➔左足➔顔などと細かく決まっていてその通りやらなければ気が済まないのです。洗った後も、シャワーで流しても流しても石鹸が残っているように感じてしまいシャワーをやめることができず、2時間以上、流していることもありました。

時には、お風呂から出てこられなくなり、具合が悪くなってしまうこともありました。息子の困りごとを理解することで、発達障害の特性と不登校によるストレスや不安から、「お風呂にはいる」ことが苦痛の時間になっていると気付くことができました。それでは、実際にどのようにサポートをすればよいのでしょうか。

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3.お子さんへの具体的なサポート方法はこれ!

まず、発達障害で不登校のお子さんの自己肯定感を上げることがとても重要になります。お子さんのできるところ注目して、肯定の声かけをしていきます。できないところは、何も言わず、スルーしていきましょう。

例えば、お子さんが、ゲームをなかなかやめられず、お風呂に行かないとします。お子さんは、「行動の切り替え」や「時間感覚が曖昧」なので、前もって、お子さんと1日のスケジュールを確認し、「今日は○○時にお風呂に入る」とお子さんに決めさせましょう。

そうすることで、お子さんの記憶に残りやすく、行動が切り替わりやすくなります。

最終目標は、見通しを立て自分で決めた時間にお風呂に行き適切な入浴時間で行動できるようになることですが、最初から上手くはできません。

大切なのは、お風呂に入る時間を過ぎてしまったけれど、ゲームをやめようとした姿勢が見えたり、ゲームをやめられたりしたときに、その気持や行動を認めてあげることです。

そんな行動を見かけたら、すかさず「ゲームをやめようとしたんだね」「ゲームやめられたね」と声かけしてください。

決して「自分でお風呂に行く時間を決めたのに、何でできないの」などと怒らないであげてください。また、徐々にお子さんの自己肯定感が上がっていくと、こだわりやマイルールは、減っていきます。

そして入浴後に「明日は、どうすればいいかな?」とお子さんに質問し、お子さんと一緒に考えてあげてください。すると、お子さんは、次第に自分で伸びようとする力を持っていて、工夫したり努力したりできるようになっていきます。

徐々に、お母さんの声かけがなくても、時間を意識しながら生活しお風呂に入れるようになっていきます。

お子さんの表面的な言動だけに注目するだけでは、解決していきません。お子さんの自己肯定感が上がるような声かけやサポートを実践してみてくださいね!お母さんの声かけが変わるとお子さんは必ず変わっていきますよ!

執筆者:小川 薫
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)

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