HSPに向いている仕事ってなんだろう?自分も人もまるごと好きになれるインテリアの秘密

HSP傾向があるお子さんは外での刺激に疲れやすく、将来、社会に出て一人で仕事できるの?と心配が出てきませんか?繊細さを武器にして好きな道で活躍している方にお話を聞きました。お家の環境を整えると今も、将来も、明るく生きていけるようになりますよ!

1.HSPが自分らしく活躍できる仕事は?

繊細で敏感な子どもを持つお母さん。

いつも子どもの不安や癇癪に振り回されていませんか?

気持ちが荒れたあとに自己嫌悪して自信をなくしてしまったり、外でいい子にしている分ストレスが溜まっている様子を見て、心配ではありませんか?

一方で、お休みの日などリラックスしているときには、得意なことで力を発揮するお子さんもたくさんいると思います。

うちの子が大人になって、安心して自分の力を発揮できる働き方ってあるのかな?

と、今から子どもの将来のことも考えてしまいますね。

我が家のHSPの傾向がある娘が、ある日、「インテリアコーディネーターになりたい!」と言いました。

おしゃれな服、素敵な空間が好きな娘には合っているかも?
周囲から期待されているように振る舞うために疲れやすい娘が、娘らしく夢を叶えることができるだろうか?

と思い、今回はインテリアの仕事をされているHSPさんにお話を聞くことにしました。

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2.本当の自分を教えてくれたインテリア…インテリアを仕事にするまで

今回、お話を聞かせていただくのは、インテリアコンサルタントの内藤怜さんです。

内藤さんは、「インテリアが変わると人生が変わる!」をモットーに、心から癒やされて好きと感じられるインテリアを形にするサポートをされています。

ご自身がHSPであり、インテリアを変えたことで人生が変わった経験を持っていらっしゃる内藤さんに、敏感なHSCの子どもがインテリアという仕事でどのような才能を伸ばすことができるのかをお聞きしたいと思います。

ーー内藤さんは、インテリアコンサルタントという素敵なお仕事をされていますが、子どもの頃からインテリアが好きだったのでしょうか?

「高校生のとき、駅前のインテリアショップに心が奪われたんです。白と水色のコーディネートされた空間でした。
その時の私は、大学受験を控えて精神的に病んでいて、『部屋を変えたい!』と思って白のペンキで部屋の家具を塗りました。引き出しにビー玉と紙粘土で飾りをつけて、ブラウン管のテレビもガラスを外してビー玉を入れて、ペンキで塗って…
買ったものはペンキとビー玉だけでお金はかかっていないし、インテリアのイの字もわからない頃でしたけど、それで気持ちがとても楽になったんです!」


ペンキで白く塗りビー玉でデコレーションした部屋の写真

ーー写真のチェストがすごくかわいいですね、急に思い立ってやっちゃうというのはとても行動力もありますね。内藤さんを突き動かす何かがあったのでしょうか?

「『周りに思われている自分と本当の自分は違う』とずっと感じていて、それが居心地悪くて…かっこいい系に思われている私はクールでいないと駄目なんだと思って振る舞っていたけど、『本当はもっと純粋で透明感があるんだ!』という気持ちをどこにも出せずに辛かったんす。
その辛さを、部屋を変えることで自分を出せたという経験がインテリアを学びたいと思った要因になっています。」

ーー本当の自分を出せなくてずっと苦しかったのですね。その後進学はどうされたのですか?

「そのときは、まだ明確に何がしたいかわかっていなくて、大学はインテリアとは関係のない学科に入学したのですが、在学中にやりたいことを見失ってしまったんです。
でもそれは、大学に入ることが目的になってしまっていたからなんですよね。親の手前、大学卒業後に就職もしたけど、会わない旅行会社へ就職してやめてしまい、やめたことで自分を否定して…自分は必要ないと落ち込んで、プライベートでもいろいろありうつ病になってしまいました。」

ーー若い頃は自分が何をしたいのか、合わないことは何かを模索する時期だったのでしょうか。

「その後、25才の時に住宅のインテリアを学べる夜間の学校に入学しました。でも、それも自分の学びたいことと違い、楽しくなかったんですよね…だから卒業後は結婚式場の募集を見つけて、結婚式場やホテルを海外の資材等を取り寄せてコーディネートする会社で8年働いて、その後、今のようなフリーになりました。」

ーー本当の自分を気づかせてくれたインテリアだったものの、本当にやりたい働き方にたどり着くまでは色々な経験を積み重ねてきたのですね。インテリアに関わる仕事がしたいから、インテリアの学校で学べばいいのではなく、インテリアでどんなことを学びたいのか、どんなことをしたいのかを知ることが大事なのだと、とても重要なことを教えていただきました。

3.お客さんが自分を好きになれる部屋作りのお手伝いが楽しい!

ーー今ではインテリアコンサルタントという、インテリアを提案するお仕事をされていて、どんなところにやりがいを感じますか?

「私はインテリアを変えて人生が変わりました。自分で自分の人生を変えることができたんです。インテリアコーディネーターってそういう人が多いですね。人にインテリアを変えてもらってインテリアコーディネーターになったという人はあまりいないです。」

ーー自分でインテリアを変えることに意味があるんですね!

「誰かがインテリアコーディネーターに家のインテリアを頼んでも、その家に住む人が本当は自分がどうしたいのか、どう過ごしたいか、わかっていないことが多いです。だから、いざ住み始めたら、『あれ?違う』ってなってしまうことが多い。だから、私はコーディネートをしないんです。お客さんが本当にどうなりたいのかを引き出していくことに時間をかけるコンサルタントをしています。実は、部屋と自分の気持ちは同期化しているんですよ。」

ーー同期化ですか?部屋と人が同期するってことですか?

「すごく暗いイメージの部屋に住んでいると気持ちも暗くなってしまいます。でも、みんな本音はそうではないですよね。本当はどうなりたいのか、どんな部屋にしたいのか、気づくのは難しいのだけど、お客さんが本当になりたい自分が見えるように一緒に考えたり、必要なことを伝えています。
最初はすごく暗いイメージに見えたお部屋に住んでいた人が、部屋が変わることでその人のオーラも変わります。本当はこの人はこうだったんだー!と見えてくるととても楽しいです!」

ーーお客さん自身も今まで知らなかった本当の自分に会える感じですか?

「そうです!本来の自分らしくなっていくし、自分でインテリアを考えて手に入れたものだから、自信がもてます。私のお客さんの中には、HSPの方や、HSPや発達障害のお子さんを持つお母さんもたくさんいます。どんなに子どもに暴言を言われたりしても、いつでも自分をとり戻すことができる部屋があれば、部屋と同期化するので本当の自分に戻してくれます。だから、お客さん自身が心地よいと感じる空間にすることを大事にしていますよ。」

ーー自分で自分を変えたという体験がある内藤さんが、一緒に考えて寄り添ってくれるのならお客さんも信頼して自分を開示することができるのでしょうね。

4.感受性が強いのは弱みじゃない!敏感だからこそ自分を好きになれる方法がある!

ーーインテリアを扱う仕事を目指すとしたら、子どものうちにやっておくと役立つことはありますか?

「自分の気持ちにあったことをやって表現しておくことですね。体と心はつながっているよということを実体験しておくことが大事だと思います。
HSPタイプの子は、五感が敏感だから特に視覚や触覚が大事で、見るもの触るものを整えるだけで生きやすさが大分違ってきます。子どもが気に入って部屋に飾るものは、お母さんは口出ししないことです。ポケモンだってなんだっていいんですよ!表現することが大事だから。表現しないと自分の中にあるモヤモヤが整理できないですから。」

ーー表現することで自分の気持ちがわかるようになっていくんですね。最後に、HSCの子育てを頑張るママにメッセージをお願いできますか?

「HSPのお子さんは、すごく感受性が豊かです。その感受性は部屋で表現しやすいんですよ!家で自由に表現できると自分のことを好きになれます。HSPの子って、『細かい』『そんなこと誰も気にしてないよ』『考えすぎだよ』って言われる経験が多いと思います。そう言われ続けると自分を嫌いになっていってしまいます。」

ーーそうですね。母の私もまだまだ言ってしまうことがあるな…と気が付きました。

「でも、自分が敏感だからこそ五感に優しい空間を作ることができるんです!触って気持ちいい空間、目で見て美しい空間を作ることができる!それって鈍感の人にはできないんですよ!」

ーーなるほど!敏感さがインテリアを整えるにはプラスになるんですね!

「外で、敏感な自分を嫌になっても、お気に入りの家に戻ってくると自分って最高だなと思えるんですよ。
家は半分以上の時間を過ごします。だから、まずはお母さんがそういう空間を作ってあげて笑顔になって、子どもも心地良い環境を整える方法がわかってくるとといいと思いますよ。」


内藤さんのお子さん達がくつろげる子供部屋

ーー内藤さん、本日はありがとうございました!お話を聞いて、繊細な子ども達が豊かな感受性をどんどん表現できる家族が増えていくといいなと思いました。

5.HSPの子どもが幸せに生きていくには子どもの頃からの環境作りがポイント!

繊細で敏感な子どもたちが自分を好きになり、自分らしく活躍するために、インテリアを整えるっていいな!それをお仕事に活かせるって素敵だな!と思いました。

今は、自分の本音を言えなくて、人と接することが苦手だなと感じている子もいるかもしれません。自分の本音自体がわからない子もいるのではないでしょうか。

だから、自分の好きなこと、心地よいこと。それってなんだろう?と関心を持ってあげる日常を作っていくことがとても大切なのだと思います。

それは、家で自分の好きなものを表現していくことで叶うんだと、内藤さんに教えてもらいました。

私は、内藤さんにお話を聞くまでは「インテリアコーディネーターになるにはどんな学校がいいのかな?大学?専門学校?」と外側の部分に注目しようとしていました。

ですが、お母さんと一緒に子どもが自分の心地よいものを探し、感じ、自分で作り出した空間で自分が変わることができたら自分が社会で役立ちたい形も見えてくるのではないかと思いました!

皆さんも、子どもが自分を好きになり自分の感性を活かして活躍できることを夢見て、インテリアを整えることや心地いいもの探しをお子さんとしてみませんか?

お家での子どもとの過ごし方が更に楽しくなりますね!


内藤怜さん
個人邸のインテリアをメインにサポートしているインテリアコンサルタント。
500件以上のお客様のサポート。
「ドアを開けた瞬間キュンとする景色のあるお家づくり」を得意とする。
内藤さんのwebサイトはこちらから

執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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