1.すぐにあきらめてしまう発達凸凹キッズがやり切る力をつけるのは難しい?
子どものやり切る力のなさに悩んでいるお母さんはいませんか?
発達に凸凹のある子どもが、勉強をしていて難しくなるとすぐに「もうやりたくない!」と諦めたり…
好きな習い事だったのに途中からハードになってきて「辛いからもういいや」と諦めてしまったり…
発達凸凹キッズは、定型発達の子どもなら普通にできることでも、やるだけで疲れてしまったり、難しく感じたりすることがたくさんあります。
そんな子どもに対して『無理強いをするのは避け、その子のペースでできることを増やしていく』という対応が、教育の場でも、家庭でも浸透してきているのではないでしょうか。
けれども、「できない」「嫌だ」という子どもの言葉を聞いて、「無理しなくていいよ!できることだけすればいいんだよ。」と伝えることに違和感を感じることはありませんか?
もちろん、学校でとても疲れていたり、不登校になって心身ともにボロボロになってしまっていたり、生活するだけで精一杯!という状況なら「無理はしない」サポートが大前提。
そこから少しずつ元気になってきて、エネルギーもたまってきたなという場合、「やりたくない!難しい!」という子どもの言葉が本当なのかな?と思うことはありませんか?
「嫌だ」、「苦手」と感じる物事への捉え方をもっと気楽にできたらいいのになと感じませんか?
今回は、苦手なことへの拒否感が強かった子どもがやり切る力をつけるためのお母さんのチャレンジについてお伝えします。
2.お母さんは苦手なことにどんな風に向き合ってる?
「この子はもっと頑張れそうなのに…」と思いつつ、私達大人は苦手なことに対してどのように向き合っているでしょうか?
大人になると自分に合った仕事を選び、自分のやりやすいように手を抜いて生活することができてしまいます。
平日でも遊びの予定を入れたかったら有給休暇をとれたり。
晩ごはん作るの面倒だなーと思えば外食にしたりテイクアウトを頼んだり。
これは無理!と思えば「自分には必要ない」と考えて最初から選択しないとか。
仕事に役立ちそうと思って始めた勉強も数日で挫折していたり…
大人が当たり前のようにやっている日々の生活の中では、「やりたくないけど頑張る!」という体験が少なくなってきているのではないでしょうか?
大人だって子どものときは高校受験や大学受験、部活、資格試験など、がむしゃらに頑張ってきたんだ!と言いたいところですが、やり切ったときの嬉しさ、楽しさを鮮明に思い出せることはだんだん少なくなってきていませんか。
本来、苦手なことにも立ち向かいやり切ることは、新たな成長をもたらせてくれるもの。
辛くてもやってよかった‼
と思えることができたら、次も頑張ろうと思えます。そんな体験が積み重なっていくと、子どもも苦手なことでも挑戦できるようになるのです。
3.「嫌い=やりたくない」の思考を大転換するには
我が家には、ギフテッドやASD(自閉症スペクトラム)、LD(学習障害)の傾向がある中3の男の子と、HSC(人一倍敏感な子ども)の傾向がある小6の女の子がいます。
二人共、初めてのことに不安を感じるタイプ、また難しいと感じると不安や嫌悪感を感じて前に進みにくくなるタイプです。
兄の場合「嫌だ!」となると、考え込みすぎてうつうつとしてくることが多く、その雰囲気に母の私も影響されて「無理しなくていいんだよ」と伝えることが多くありました。
妹の場合は、「嫌だ!」「わからない」となると不安で怒りが出てくるパターンが多く、怒りに対応することが辛くて、こちらも「いいよ、いいよ、無理しなくていいよ〜」と言っていました。
けれど、二人とも得意を伸ばしながらできることが増えていき、『「嫌だ」と思わずチャレンジすればちゃんとできることが多いんじゃないかな?』と思えるようになりました。
二人の「嫌い=苦手=やりたくない」の意識を変えるため、楽しく苦手なことにチャレンジする方法を考えました!
4.体験すれば言葉に力が宿る!お母さんの苦手チャレンジのすすめ
子どもたちのやる気は、大人からの声かけだけではなく、実際に体感した雰囲気や空気感が大きく影響します。
お母さんが自身の苦手な分野に積極的にチャレンジすることで、子どもも「なんだか大変なことでもやり切るっていいことかもしれないぞ」と捉えていくようになります。
私は、日常生活の中で「諦めそうになったときがチャンス!」と心の中で唱えることにしました。
・仕事でめんどうなことがあっても「新しい成長につながるチャンスだ!」と思って率先して動く。
・買い出しついでに出来合いのものを買って楽しちゃおうかな…と思ったときも「家族の健康を守るチャンスだ!」と思って簡単でも自分で何か作る。
・洗い物、明日でいいや…と思ったときも「いやいや明日の朝をスッキリ迎えるチャンスだ!」と思って洗い物を済ませる。
等、なんでもいいので、自分の諦めクセをなくし苦手なことに挑戦することを楽しむようにしました。
そうすると、日々、ポジティブに捉えられるようになり、子どもが出してくる「嫌だ」オーラに負けずに対応することができるようになりました。
「君ならできるよ!やってごらん」
「ほら、できたね、簡単だったでしょ?」
「これやったらどんどん賢くなっちゃうね!」
と、スラスラと子どもに背中を押す言葉を言えるようになってきたのです。
すると、子ども達も「やりたくない」となった時、一旦立ち止まって考えて「やってみる!」と踏み出せるようになっていきました。
苦手な勉強もイライラせずにできるようになったり
コツコツ続けることが嫌いだったのに、習慣化させることができるようになったり
前なら断固拒否!していたようなことも「やってみる」と諦めなくなったり
嫌なことを無理やり「やれ」と言われたら、「絶対やりたくない!」となりますが、お母さんが楽しそうに苦手なこともチャレンジしていれば、子どもにも良いお手本を示すことができますね。
そして、体験を通じて言葉に力を宿らせることで、「やり切ることは楽しいことだよ!」というメッセージを伝えることができるのだと実感しました。
みなさんも、子どもの諦めグセに悩んだら、まずはお母さんが苦手にチャレンジ体験をたくさん積み重ねてみてくださいね!
きっと、苦手チャレンジで感じた楽しいこと、嬉しいことを、子どもにたくさん伝えたいと思えるようになりますよ!
執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
大変なグレーゾーンの子育てが楽になる!脳科学をベースにした子育て情報が届きます。
▼こちらから!