1.学校は実社会の小さな縮図
思春期に入り、日々学校へいくことに疲れはじめたり、登校しぶりが出てきていたり、とうとう不登校になってしまった、そんな様子はないですか?
子どもは幼稚園や保育園で初めて家族のいない場所で一人で過ごすことで社会デビューし、小学校、中学校、高校、大学と生活のエリアを広げながら、社会で自立するしていく訓練をしていきます。
集団生活では「この歳だったらできて当たり前」を前提にして物事が進んでいきます。これが発達障害グレーゾーンの子どもたちを苦しめてしまう要因になっていきます。
発達凸凹の子どもたちは体も心も成長していく過程で対応能力もアップしていくと思われますが、現実はそううまくいきません。
この状態を放っておくとどうなると思いますか?
私はいつかよくなるだろうと思い込んで、息子への困りごとを放置し、対応を遅くしてしまったことで、学校で息子が傷つき自己肯定感を下げてしまう体験をさせてしまいました。
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2.発達障害の思春期息子に起きた学校での出来事
我が家には注意欠陥多動性障害(ADHD)の息子がいます。
息子が小6から中学に入学した頃に起きた出来事で親子ともにかなり凹んだことがありました。当時は発達検査もしておらず、みんなよりできないことがあるけどそのうちできるようになるだろうと思って、私は特別な対応もしていませんでした。
小6の3学期と言えば、
「もうすぐ中学生、自分のことは自分でできるようになりましょう」
「自分で考えて行動していきましょう」
と中学進学が視野に入り、しっかりしていかないといけないと自立を促す声かけが学校で多く聞かれるようになってきます。
その中で、うちの息子は身の回りの整理が苦手なためロッカーや机の中がぐちゃぐちゃ。筆記用具は机の上にあるけど、ノートと教科書を一緒に置くと頻繁に落としてしまう。
めんどくさいと言って板書をノートに取らない。
そんな様子だったので、
「いい加減、机の上から物を落とすようなことをするな」
「みんなできているのに、なんで同じようにできないんだ!」
「もうすぐ中学生だろ!整理整頓ができなくてどうする!」
息子は先生から愛(?)のお説教をされることが多くなりました。
お友達とは楽しくおしゃべりをして、一見どこに発達の問題があるのかはわからない。怠けているだけで、本人がきちんと意識すれば同じようにできるはずと思わせてしまうところが息子を苦しめていました。
中学校に進学すると新しい友達、新しい行事に胸をワクワクさせて学校生活が始まりました。目立ちたがりやの息子はクラスの仕事に積極的に立候補し、学校生活を楽しもうとしていました。
ところが、小学校の時にできなかった整理整頓やノートを書こうとしない態度に中学校の先生は
「こら、さぼるんじゃない。」
「ぼーっとせずにしっかりしなさい」
「どうしてこんなにノートがぐちゃぐちゃなんだ!」
「立候補してクラスの仕事を任されたのにどうしてちゃんとやらないんだ!」
と息子に注意します。中学校の先生は反抗期に入る子どもたちを相手に生活指導もしていきますから、小学校の時とは怒り方が半端なく怖くなります。
息子はみんながいる前で自分のロッカーを整理させられたり、みんなの前でできていないところを叱られたりして、次第に明るさがなくなり心が折れていきました。
3.ようやく危機意識がめばえて動き出す
中学生の男子は学校で何かがあっても思春期ということもあって簡単には話してくれません。子どもが泣いて帰ってきたり、暗い顔をして帰ってくることが多くなるとお母さんは心配でたまらないと思います。
お友達とのトラブルなのか
学校で先生と何かあったのか
想像してみても、中学校は担任がいても教科ごとに先生が変わりますし、部活ならクラス以外のお友達関係になるし、原因を探すにも範囲が広くて的を絞れません。
小学生での困り事はなんだかんだで子どもだからと許してもらっていた部分はあります。でも中学生はそうはいかない。親は自分の子どもを理解していても、周りの目は集団に合わせられないことに対してとても厳しく接してくるのです。
親が子どもを守ってあげなければ発達凸凹の子どもは、学校という社会で壊れてしまう…
だから、お母さんたちには、子どもの発達について真剣に向き合ってほしいです。
発達についての知識は本を読んで理解できるけど、じゃあそこからどうしたらいいのかよくわからない。子どもの困り事を今より減らしていけるのか、どんな対応をしていけばいいのか、同じように悩んでいて解決していったママさんはいないのか…
そう悩むお母さんが多いです。
そこで知ってほしいのが、発達科学コミュニケーション(以下発コミュ)です。
私は、発コミュと出会い、息子の辛さを理解しサポートできるようになりました。もう少し早く、発コミュ対応しておけば息子も余計なつらい思いをしなくてもよかっただろうという後悔もあります。
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4.子どもの発達に違和感を感じたら発達科学を取り入れた視点に切り替えよう
発達の勉強をしていくと、やはり特性は小さい時から出ていることがわかってきます。
みんなができているのに我が子だけ普通にできない。
そんな違和感があった時には、発達科学を取り入れた視点を早めに持ってください。
発達障害の子どもの成長は、学校で考えられた定型発達の子ども向けの教育だけでは伸びていきません。
一人ひとりの発達に合わせた、発達促進させるサポートが必要なのです。
できていないことばかり指摘されていた息子には発コミュのカウンセリングのテクニックで共感し、安心感を持たせるようにしました。
「先生に言いたいことがあったら、言えばいい。どんなことがあっても、お父さんとお母さんはあなたの味方だから」
と伝えた次の日、息子は先生に言いたかったこと言えたと嬉しそうに学校から帰ってきました。
それから元気になった息子に発コミュを実践しながら、脳の発達をサポートすることで、少しずつ困り事が改善していっています。
改善した例としては、時間の見通しが甘くて学校を遅刻することが多かったのですが、前日に朝は何時に起きるのかを寝る前に息子と会話をしました。
そして、朝起きてきたら、何時に出発するの?と聞いて時計を見ながら時間感覚を意識させていきました。そうすることで学校以外の塾の時間にも遅れず行けるようになりました。
忘れ物についても、できるだけ思い出すような日常会話を続けることでだいぶ少なくなりました。
「息子の良いところを伸ばしていけば、苦手さもカバーできるようになる。」
「息子自身が自分の特性を理解し、周りと助け合いながら生きていける人になる」
社会に出てもきっと大丈夫!そんな未来を想像できるようになりました。
子どもの心がネガティブに囚われ、自己肯定感を下げすぎないように、ママのちょっとした違和感を大切にし、適切な対応をしてあげてほしいと思います。
執筆者:中曽根里美
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
発達凸凹キッズを楽しく発達させていく声かけをお伝えしています。