やりたいことが見当たらない不登校の子が、みるみる「やる気」になる!好きを活用した居場所との出会い方

不登校で家に引きこもって、無気力な様子を見ていると、親もイライラしたり心配になったりしますよね。でも、そんな子に「やる気」を授けようとガミガミ指示をしてもかえって逆効果。子どもの本音をくみ取って、自ら進んで動き出せる力を与えてあげませんか?
 

1. 不登校の原因に発達障害が隠れている⁉︎

不登校の原因の一つに、発達障害がある、とも言われており、発達障害の二次障害として自己評価の低下や自己嫌悪になって、学校生活が続けられなくなることがあります。

<学校生活のつまずきの原因>
・ 授業の理解に時間がかかるため、勉強に遅れをとってしまう
・ 苦手な教科があり、成績が上がらない
・ 興味がないことにはやる気が出ないため、ムラが出る
・ コミュニケーションがうまく取れず、友だちと衝突したりからかわれたりする

など、不登校を選択するまでに「勉強」「友人関係」などでつまずき、その失敗や挫折経験から、
「どうぜ、頑張ってもムリ。」
「自分なんて必要ない存在だ。」
と捉えてしまうのです。

完全に学校に行かなくなった頃には、ストレスが限界に達してしまって、部屋にこもって寝てばかりいる、とか、イライラして荒れてしまう子もいます。
この状態の時に、親が焦ってあれこれやらせようとしても、かえって逆効果。

それでも「学校を休ませることはいい、って聞くけど、いつまでこのままの状態で見守ればいいの?」と心配になってしまいますよね。

2. 学校を休ませて見守っても、「やる気」回復には時間がかかる…

私の息子は現在中2ですが、中1の5月から不登校になりました。
4月半ばを過ぎた頃から、朝起きられなくなり、遅刻が多くなり、鬱々として元気がなくなり、そのうち「学校を休みたい」と言うようになりました。

自閉症スペクトラム(ASD)の傾向があり、好きなことには集中して楽しんだり、頑張って取り組んだりできるものの、苦手なことはやろうとしないところがあり、学校の授業にはついていけないことが多かったと思います。

また、友だち関係も、小学校の時に仲良くしてくれた子とは学区が別になってしまったこともあって、帰宅するたびに「あいつが先に文句を言ってきたから言い返しただけなのに、俺だけ怒られた。」とか、「俺は悪くない。」などと言うことが多くなりました。

そして「どうせ、俺のことは誰もわかってくれない。」と心を閉ざしてしまい、友だちや先生との関係もうまくいかなくなってしまいました。

息子が不登校になる少し前に、発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会い、子どもが学校を休みたいと訴えた時には学校を休ませた方がいい、という情報もあったので、休ませることに抵抗はありませんでした。

ですが、毎日、毎日、好きなゲームやYou Tube視聴は集中して楽しんでいるものの、いつまで経っても他の活動には一切興味を示さず、勉強や習い事を勧めても全くやる気にはならず。

たびたび旅に誘って外出の機会を作っても、早々に家に帰りたがり、また、ずーっとゲームやYou Tubeだけをして暇を潰すような生活でした。

本人はそれなりに満足しているとはいえ、もう一歩、「好き」の力を伸ばして、やる気を出させてあげたいなと思っていました。

やる気を育てるには、行動力を上げることが大事です。どうやって自ら動き出す力を伸ばしたのか、次の章で説明しますね。

3. 自分の好きから繋がった居場所との出会い

「ゲームも、一人でやるより、友だちと一緒にやりたいなー」

息子が一言つぶやいたことをきっかけに、他の人とリアルにゲームができる場所がないか探しました。外に出ることに抵抗感の強い息子には「オンライン」が最適かな?と思い、オンラインでゲームができそうなコミュニティやスクールを探してみました。

すると、まだ立ち上げたばかりのオンラインスクールがあることをインターネットで知り、早速説明会に参加してみました。

母「ねえ、ねえ、こんなフリースクールが出来たみたいだけど、どうかな?オンラインで、マイクラとかゲームのイベントもあるみたいだし、ゲーム好きのメンターさんもいて、活動のサポートをしてくれるみたいだよ!」

母「それに、顔出し、声出し、しなくてOKだって!」

息子「へえ。まあ、それならやってみてもいいかも。」

不安の強い息子には、“オンライン”“顔出し、声出ししなくてOK”というのが、安心・安全のキーワードになったようでした。

入学後、すぐの時は、メンターさんと呼ばれるサポートスタッフさんとの1on 1に週1回参加し、一緒にゲームをしてもらうだけで、なかなか積極的なスクール活動の参加はできませんでしたが、

「オンラインスクールで、一緒にゲームできる人が増えるといいよね。」

と、声をかけると、恐る恐るながらも、やりたいゲームのイベントに少しずつ参加するようになりました。
そして、担当してくださるメンターさんがゲーム好きで、うまく息子を他の生徒さんとゲームができるように導いてくれました。

その頃から、コミュニケーションをもう少し円滑にしたい、という思いから、次第にタイピングを練習するようになったり、スクール内で活動する他のゲームの会にも参加したりし始め、メンターさんがいなくても、他の生徒さんたちとゲームができるようになっていきました。

ゲーム中に、他の子に「うまいね!」とか、「〇〇さん(息子)はガチ勢で、すごく強いから…」と他の子に紹介してもらうことが、自信にも繋がり、

「もっと練習しなきゃ!」
「マイクラの人狼の会にも参加してみよっかなー」

など、他のゲームやチームにも参加する意欲を見せるなど、自分から積極的に友だちの輪の中に入っていけるようになりました。

さらに、今度は自分がやりたいゲームを“主催する側”として、参加者を集うことなどして、スクール生活を楽しんでいます。

4. 「好き」の力と、友だちからの肯定が、息子のやる気を育てた!

息子にとって、「好きなこと」を安心できる環境でできたこと、そして、安心できる大人の存在とそこから広がった友だち関係が、大きな自信となりました。

好きなことを“もっと”やりたい!仲間も増やしたい自分が好きなゲームを“もっと”楽しむために、考えたり、行動したりするようになってきています。

オンライン上ではありますが、友だちも増え、スクール活動のある平日を楽しみにしています。まだ、声出しにチャレンジできていない状態ではありますが、おそらく、そう遠くないうちにできるのではないかな?と思っています。

お母さんに、ぜひ大事にしてもらいたいのは、お子さん本人が楽しくワクワクできるようなこと、好きなこと、です。

その“好き”の力を伸ばして、自信を育ててあげてください。自信がついてくると、他の活動へのやる気も育っていきます。
お子さんをじっくり観察して、本当にやりたいこと、好きなことを見つけてくださいね。

執筆者: 菊池 のりか
発達科学コミュニケーション リサーチャー

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