1.どんなに褒めても効果なし!?HSCの自己否定はどうしたら止められるの?
・子どもが、できていることや良いところを褒めても「そんなことない」と否定する
・ほかのきょうだいを褒めているだけなのに「どうせ自分は…」と卑下する
・きちんとできていることも「これではだめだ」と認められない
そんな様子はありませんか?
HSC(Highly Sensitive Child)は脳の特性上、『不安回路』がとても強く、マイナス思考になりがち。
そのため、ものごとを悪い方に捉え、自分ができなかったこと、期待に沿えなかったことをひどく深刻に捉え、自己否定的になってしまいます。
例えば、少し失敗をすると
「こんな私はダメな子だ。だから何をやっても失敗するに違いない。」
と思ったり、
先生や友達に注意を受けると
「自分はこんなだから、みんなに嫌われるんだ。」
と考えてしまうのです。
ただでさえ、そんな風に自分を否定的に捉えがちなHSCが不登校になると、さらに自信を失い自己否定はマックスに。
「他の子は普通に学校に行っているのに、なんで自分だけ行けないんだろう」
「みんな頑張っているのに、自分は何も頑張っていない」
「こんな自分は生きる価値がない。死んだ方がマシだ」
などと考え精神的にも荒れてしまいます。
そんな様子を見て、お母さんは子どもをなんとか励ましたい!元気になってほしい!と思いますよね。
でも、どんなに良いところを伝えても、どんなに褒めて元気づけても、自己否定をつのらせたHSCはなかなか素直には受け取ってくれないのです。
今回は、HSCの小学生が不登校になって、自己否定がひどすぎる時にでも効果のあった、自信を育める肯定術をお教えします。
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2.不登校になって自己否定マックスだったわが家の次女の話
我が家のHSCの次女は、小学3年生の夏休み明けに不登校になりました。
二学期の始業式には行ったのですが、翌日、足の痛みを訴えて学校をお休みし、そのまま学校に行けなくなってしまいました。
次女は診断は付いていませんが、幼い頃からADHD(注意欠陥・多動症)の傾向がある、発達障害グレーゾーンです。
私は、はじめ、そのことが原因で学校生活がしんどくなったのだと思っていました。
学校では、授業の立ち歩きなどはなく、勉強もそれなりにできていました。
しかし、家では一方的に話すところがあったり、気になることがあるとすぐにそれをやり始めてしまったり、ADHDの多動性、衝動性の特徴がちらほら見られていたからです。
しかし、不登校になってから、改めて娘の様子を振り返った私は、ADHDグレーゾーンであることが、娘の学校生活を苦しめたのではないことに気が付きました。
娘が苦しんでいたのは、学校生活で起きる些細なできごとを敏感に感じ取り、そのすべてをマイナスに受けとめ、自己否定的になってしまっていることだったのです。
娘は学校で他の子が注意を受けたり、叱られたりするたびに
「自分も失敗したらああなるのか。ちゃんとできていない自分はきっと怒られるに違いない。」と怯えていました。
また、お友達に言われた些細な一言をすべてマイナスに受けとめ、「遊んでくれる友だちがいない。」といつまでも引きずり落ち込んだりしていました。
また、言いたいことがあっても「こんなことを言ったら自分はみんなに嫌われるに違いない。」と、本当の自分を隠し、少しでも優等生であろうと気を張っていました。
思えば幼少期から、確かに繊細で傷つきやすい一面もあったように思います。
しかし、ADHDグレーゾーンであった娘は賑やかで、好奇心も強く、行動力もありました。そのため、私はそちらに気を取られ、娘の繊細な部分に気が付くことができていなかったのです。
一生懸命に学校生活を真面目に頑張ってきたHSCの娘は、糸がぷつっと切れたように学校に行けなくなりました。不登校になって、娘は不安の感情が一気に噴出したようで、トイレもお風呂も一人で入れなくなりました。
最も困ったことは娘の「わたしなんか、死んでしまえばいい」という自己否定の強さでした。
何か伝えるたびに、すべてを悪くとらえ、「自分なんて…」と激しく落ち込むのです。
良いところをどんなに伝えても、一生懸命に褒めても
「全然そんなことない!」
「他の子のほうがすごい!」
「うそばっかり!」
と素直に受け取りませんでした。
そして3歳だった弟に事あるごとに意地悪をして泣かすことを繰り返すため、それを私が注意しては娘が荒れるという毎日。
私は娘の何を褒めてやればいいのか、どうしたらこの毎日から抜け出せるのか、多くの書籍を読み、毎晩泣きながらネットを検索する日々でした。
そんな時に出会ったのが、『発達科学コミュニケーション(発コミュ)』です。 わたしは「これしかない!」と受講を決意しました。
発コミュの中の肯定術の1つを実践することで、自己否定がマックスだった娘は次第に自信を取り戻していきました。
その肯定術をお教えします。
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3.自己否定が強いHSCを肯定するには、事実をそのまま伝えてあげよう!
その方法とは『事実をそのまま伝える』という肯定術です。
起きて来たら、「起きたね」
ご飯を食べたら、「ご飯食べたね」
着替えをしたら、「着替えたんだね」
と伝えてあげるのです。
ポイントは
「起きられたね」
「ご飯食べられたね」
「着替えられたね」
ではなく、
「起きたね」
「ご飯食べたね」
「着替えたんだね」
と事実だけを伝えてあげましょう。
この方法はどんな子にも効果がありますが、HSCには特に有効です。
なぜなら、『できたこと』を肯定すると、そこにその人の『評価』が含まれてしまうためです。
『評価』は何かと比べることで生まれます。
例えば、お母さんが
「起きてこられたね!」
というと、HSCは
「起きるなんて当たり前。みんなもっと早起きできてるし。」
と他の子と比べたり、
「前はもっと早く起きれたのに。」
と過去の自分と比べたりして、否定的に受け止めてしまうのです。
でも「起きたんだね」という事実を伝えることは、ただの事実なのでHSCも「確かに、起きたな」と思うのです。
そして事実を伝えるだけなので、肯定できるポイントも多く、自信を失い自己否定が強くなった不登校の子でも、
「自分はできていることも多いのかも」
と自ら思うことができるようになっていきます。
私は娘が起きてくれば何時に起きても「起きたんだね!」と声をかけ、
ご飯を食べれば食べ残していても「ご飯食べたんだね!」と声をかけました。
例えパジャマでダラダラゲームしかしていなくても、自分で起きて行動している事実を肯定します。
「自分で起きたね!」
「ゲームしてるんだね!」
といった具合です。
これをくりかえすうちに、HSCで不登校になり自己否定マックスだった娘は少しづつ自信を取り戻していきました。
不安が和らぎ、以前のようにトイレやお風呂など、自分のことは自分で行えるように戻りました。
さらに、私の言葉を素直に受け取るようになり、「私は歌が上手いから歌手になれるかな〜」など、自分自身の良さを自分で語るように変化しました。
今まで意地悪しかしなかった弟の面倒を見てくれるようにもなったのです。
いかがですか?
HSCで不登校になり、自己否定マックスになってしまった子の自信を取り戻すはじめの一歩!
『事実をそのまま伝える』という肯定術を、ぜひ試してみてくださいね!
執筆者:小林ほなみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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