1.HSPキッズの毎日のネガティブな話にイライラしていませんか?
帰宅したHSP(Highly Sensitive Person:人一倍敏感な人)の特性をもった我が子と会話をしていると、いつもネガティブな内容ばかりでイライラしてしまうことはありませんか?
「先生に注意された、もう行きたくない」
「授業で間違えた、最悪」
「お友だちがイヤなことを言ってきた、私嫌われてる」
「みんな私を無視する、私には友だちがいない」
「楽しくなかったから、もうやらない」
などなど。
毎日、帰宅するたびにくり広げられるHSPキッズのネガティブ劇場に「たまには『ああ、楽しかった!』と言って帰って来ないかな…」と思ってしまいますよね。
でも、このネガティブな会話、お母さんの聞き方次第で、子どもの気持ちの切り替えを助けることができるんですよ。
ポイントは『アドバイスをしない』ことです。
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2.HSPキッズのネガティブな話にアドバイスしてはいけないのはなぜ?
HSPキッズがネガティブな内容の話をするのはなぜだと思いますか?
脳は本来、身を守るためにポジティブなことよりもネガティブなことに敏感です。HSPキッズは脳の特性上『不安回路』が強く、さらにその傾向が強くなってしまいます。
また、HSPキッズはイヤなことを瞬時に忘れることができません。他の子にしてみれば、「ま、いっか」とすぐに忘れられることも、簡単に忘れることができないのです。
HSPキッズはたくさんのネガティブな感情をひきずったまま帰ってきて、お母さんにその気持ちを吐き出しているのです。つまり、帰宅後のネガティブな会話は、子どもが気持ちをアウトプットして、心の整理をしている時間なのです。
ネガティブな感情でいっぱいになった脳は、冷静に思考することができなくなっている状態です。人に話して、気持ちを吐き出すことで、感情の脳以外の、別の脳の部分を広く使うことになり、思考がすすむのです。
また、話すことで自分の考えを客観的にみることにもつながり、解決のヒントを得られることもあります。私たちも悩んでモヤモヤしているときに、人にただ話を聞いてもらうだけで、スッキリしていい解決策が浮かんだりすることがありますよね?
つまり、子どもに気持ちをしっかり吐き出させることが、その子を癒し、気持ちを切り替えさせる助けになるのです。
そんな時に、お母さんが正論を返したり、アドバイスをしたりすると、子どもは「お母さんは分かってくれない」と落胆します。そして話すことをやめてしまいます。そうすると、モヤモヤたまった気持ちは蓄積されたままになり、冷静な脳が働かないまま気持ちの切り替えが進まなくなるのです。
3.娘の話にアドバイスばかりしていた過去の私
わが家の小学5年生の次女もHSPキッズです。昔から、学校や習い事、お友達と遊びに行って帰った時などに、泣いていたり、沈んで暗い顔をしていたりすることがよくありました。
話を聞くと
「先生にすごく怒られた」
「(習字が)わたしだけうまくできなかった」
「お友だちに仲間に入れてもらえなかった」
といったように、ネガティブでイヤな内容ばかり。
私は娘の気持ちを切り替えようと
「先生はあなたのためを思って言ってくれてるんだよ!」
「うまくできないから習ってるんだよ。大丈夫!」
「一緒に遊ぼうって言ってみたら?他のお友だちと遊んでみたら?」
など、良かれと思ってアドバイスをしていました。
しかし、HSPキッズの娘はそれを素直に受け止められず、気持ちを切り替えるどころか、より落ち込んで卑屈になってしまいました。そして、殻に閉じこもって口を開かなくなってしまったのです。
私は、どのようにしたら、ネガティブな感情に引きずられて落ち込んでいる娘の気持ちを切り替えさせることができるのか、とずっと悩んでいました。
そこで、娘が話をしているときに意識して、アドバイスをやめてみることにしました。すると、だんだん娘は落ち着いて、自ら気持ちを切り替えることができるようになっていったのです。
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4.お母さんの思いはいったん置いておいて、アドバイスを手放そう!
HSPキッズの 娘は小3の夏休み明けに不登校になりましたが、小4の10月からフリースクールに通い始めました。
通い始めて数日たったころ、迎えに行くと泣き叫びながら車にやってきました。
その日はみんなで風船遊びをしていたようなのですが、ある一人の子が執拗に娘の風船を追いかけてきて、最後には割ってしまった、と言うのです。「他の子もいっぱいいたのに、自分にだけ意地悪をしてきた」と泣きながら娘は言いました。
相手の子に話を聞いたわけではないので、事実がどうであったかは分かりません。今までの私であれば、「またネガティブな話か…」とうんざりし、
「先生に相談した?相談すればよかったのに」
「本当にあなたにだけに意地悪してきたの?」
「明日お母さんが先生に言ってあげようか?」
などと言ってしまっていたでしょう。
しかし、この時は私は自分の意見は言わずに、「そうかー。そんなことがあったんだね」とだけ返し、ただただ娘の話を「うん、うん」と聞き続けました。
すると娘は自ら「風船くらいでこんなに泣くのもおかしいと思うけど」と言い、次第に気持ちを落ち着けていったのです。
そして、娘の気持ちが落ち着いたころに「それは悲しかったね。あなたはどうしたい?」と聞きました。
「どうしたいか分からない」と娘が答えたので、そこで、はじめてわたしは
「その子は、ただ風船で遊びたかっただけかもしれないよね。お母さんもし割られてもいいように風船いっぱい買ってくるから、明日フリースクールに持って行ってみるのはどう?」
と提案しました。
すると娘は素直に「そうしてみる」と言って、翌日たくさんの風船をもってフリースクールに行き、そして「みんなで風船で楽しく遊べた!」と嬉しそうに帰ってきたのです。
その後も、帰宅後にネガティブな発言は毎日のようにあります(笑)が、可能な限り私はアドバイスを手放して話を聞いていきました。そして気持ちが落ち着いたころに、「じゃあ、どうしよっか?」と作戦会議を練るようにしました。
おかげで、HSPキッズの娘は気持ちの切り替えが早くなり、いつまでもネガティブな感情を引きずることが減りました。
小5になった今では、自分で「こうしてみようかな」という解決策まで考えられたり、「もういいや」と適当に割り切ることも出来るようになってきました。
いかがですか?HSPキッズを癒し、ネガティブな感情からの気持ちを切り替えを助ける『アドバイスいらず』な話の聞き方。 ぜひ、今日から意識してみてくださいね!
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☆メルマガ読者さんからのご感想☆
不登校の闇時代が長く、ネットサーフィン、不登校メルマガ漁りの日々の中、清水畑さんのメルマガに辿り着きました。娘が悪い、なんとか変えなければ!と思い、相談先探しに奔走していた私に、お母さんが子育てを学び、対応を変えることでこんなに子どもが変わる、ということを数々の実例を元に教えていただき、長い長いトンネルをやっと抜けることができました。(Kさん)
執筆者:小林ほなみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)