発達障害の小学生の転校前に必ずすること!不登校を予防する学校情報活用術!

4月から新しい学校へ通う小学生。転校となると、発達障害の子の不安はいっぱい。「まあそのうち慣れるわ」と思っていたら、どんどんこじらせて不登校になってしまうこともあります。お子さんの不安を取り除くために転校前に準備するべきことをお伝えします!

1.ただでさえ大変な転校。発達障害の小学生がさらに不安になるワケ

この春にご両親の転勤等があり、新年は新居で新しい生活をスタートさせる。そんなご家族もいらっしゃるのではないでしょうか。

引っ越しは大人もやることが多くて、大変ですよね。子どもも転校するとなるとなおさらです。

小学生で新しい環境に飛び込むのは、誰でもドキドキします。

中でも発達障害のお子さんは特に、新しい環境に慣れるのが苦手な子が多いです。

その理由は二つ。

一つは体験したことがないことを、想像することが難しいから。
新しい学校に行ったらどうなる、ということが想像できないと一気に不安に陥ります。

そしてもう一つは、ネガティブな体験を思い出してしまうから。
発達障害の子は、ネガティブな体験を脳に焼き付けやすいです。

ですから前の学校で失敗したことを、「また失敗してしまうのではないか」と思い、行動するのにかなり勇気が要るのです。

よく言われる「子どもは順応するのが早いから、大丈夫よ」なんていう言葉を真に受けて、子どもの不安にふたをしてしまうと、こじらせて不登校になってしまうこともあります。

実は子どもが感じる不安は、校前から対処することで、取り除いていくことができるのですよ。

2.親が気づかない、意外な戸惑い。不安が続くと不登校になることも

わが家も娘が小学生で3年生の時、転校を経験しました。海外の日本人学校で過ごし、日本の公立小学校に転入しました。「日本人学校」ですから、海外にあるとは言え、日本語での教育でした。

ですが、例えば以下のような学校生活上の違いはありました。

毎日お弁当だったが、給食になった。
バス通学が徒歩通学になった。
外靴のまま1日過ごしていたのが、上履きに履き替えないといけなくなった、など。

もちろんこれらは前もって伝え、準備してきました。

また元々住んでいた土地に戻ってきたので、知っているお友達もおり、親の私も多少安心していたのです。

ところが、私が想定外だったことに関しては、娘が一人で戸惑ってしまいました

例えば友達の呼び方。

以前の日本人学校では、「○○ちゃん」「○○君」、授業中は先生も子どもも、男女関係なく「○○さん」と呼び合っていました。

ところが、新しい日本の学校では、授業で指名されるときは呼び捨て。友だちからも「ちゃん」を付けられることなく呼ばれる。

これを最初、「私は先生からも友達からも怒られている!」と感じてしまったのです。

子どもはそのことを親にうまく言えず「学校が怖い」としか伝えられませんでした。
「どんな時が怖い?」など、しっかり不安な気持ち・状況をわかってあげるべきでした。

当然先生や友達にも相談できなかった娘は「自分は独りぼっち」となんとなく孤独を感じるようになっていきました。

やがて名前の呼び方に慣れ、「ちゃん」をつけないのは仲良しの証だったこともわかりました。

ですが、「自分はよそ者」というネガティブな記憶は、残ってしまったのです。

そして「学校はつまらない」「行きたくない」とも言い始めました。

このようなことで登校しぶりが始まり、やがて不登校になっていくこともあります。

いかに発達障害の子の不安を少なくしていくか。

小学生で不登校に発展しないためにも、お母さんが早い段階で困り感をキャッチできるようにしておきたいのです。

3.学校の情報は「ポジティブなイメージで」インプットしよう

では転校ストレスから不登校に発展しないために、お母さんができることはどんなことがあるでしょうか。

♦前もって情報を得る

学校の施設の様子は、転入の手続きで親子で伺うときに見せていただくこともお願いしたほうがいいでしょう。

また最近では学校HPで設備だけでなく、行事の様子なども公開している学校もあります。

それらをただ見せるだけでなく「どこが気にいった?」「その遊具で遊んでみたいんだね」などと、ポジティブなイメージを持てるように会話してみてください。

また近くの公園・児童館などに行き、近所の子どもたちがどんなふうに遊んでいるかなどを見ておく。

これも、わが家のような友達同士の呼び方などという、友達関係の情報を得るには良いと思います。

発達障害で不安が強い子はネガティブ情報を記憶に焼き付けやすい。
その前に、お母さんとの会話で「いい情報」に変換して取り込もう、というわけです。

♦初日~数日の流れを把握しておく。

予測が難しく、新しい環境に慣れるのに時間がかかる発達障害の子どもたち。
彼らが一番困るのが、「イレギュラーな動き」なのです。

数日して授業が始まると、毎日同じルーティンで行えるようになるので、不安も少なく落ち着いて取り組めます。

ですが、初日から数日間は、授業らしいものがないこともあり、何をやるのかわからず、不安になりやすいです。

これは転入手続きの際に先生に伺うのが良いと思います。

♦自己紹介の仕方を聞いておく

自己紹介は転校生につきものとも言えます。

どこで、誰の前で、何を言えればいいか緊張して言えなかったら先生のフォローがほしいなど、できるだけ詳しく聞いておくほうがよいでしょう。

わが子は事前に「初日に自己紹介してもらうね」と先生から聞いていたので、言うことは考えていました。

ですがなんと、当日になって自己紹介をしましょうと言われたのは、全校生徒が集まる体育館の檀上、マイクでという状況でした。

私も娘も、教室でクラスメイトの前でだと思い込んでおり、全く想定外だったのです。

娘はなんとかのりきりましたが、緊張のあまりかなり疲れて帰ってきました。

前もって「難しいかもしれないけれど、みんなの前であいさつ出来たら素敵だね」と、できなくてもOK、でもできたらすごいね、という声掛けしてあげる。

それだけでも、発達障害のお子さんの不安をグッと減らせますよ

引っ越しは、親もバタバタしていて余裕を失いがちです。
ですが、子どもはこの数日を上手に乗り切れると、後々までこじらせて不登校になることも少ないです。

ですから慣れるまで、一日の疲れをしっかりおうちで癒してあげられるよう、親子の会話をしっかりしてほしいと思います。

我が子が安心して「行ってきます!」と言える日を迎えられるよう、どっしりかまえてサポートをしたいですね。

お母さんも慣れない土地や環境で大変かもしれません。子どもが学校へ行けたらホッと一息着く時間も忘れずに!

執筆者:青島 明日香
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

発達障害の子どもが環境変化が苦手な理由を脳科学を学んで、子育て上手になりますよ!
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