1.実は裏メッセージが隠れている!思春期発達障害女子が吐くイライラ言葉
低学年の頃はニコニコ通学していた。
なのに思春期になったら、なんだか愚痴ばかり吐くようになった。
そんなお子さんはいませんか?
「反抗期だからイライラするのよね、きっと」
そんなふうに思われる方もみえるかもしれません。
でも実はその愚痴に、子どもからのメッセージが隠れていることがあるのです。
発達障害の子は、物事の捉え方に特性があることが多いです。
「なんでみんなはこうするんだろう?」
と自分と他者の違いに気づき始めるのは思春期初期。
やがてそれが
「なんでみんな○○しないの?」といういらだちから愚痴になるのです。
一見、怒りを全面に出しているお子さん。
でも、実はその裏には不安・寂しさ・孤独感が隠れていることがあります。
普段から叱られることや変わった子扱いされやすい発達障害の子。
「こう思うのは私だけ?」と自信も失っています。
ですから、自分の考えを否定されるのでは、と思っていると、なかなか人に言えない。
そして気持ちを一人で抱え込んでしまいやすいのです。
そんな不安な気持ちをお家で「愚痴」と言う形で表現しています。
では私たち親は、このような愚痴に、どう対応すればよいのでしょうか。
2.「常識」や「正論」ではイライラを止められない
愚痴を吐くわが子に付き合う親も、なかなか疲れるものです。
「延々と続きそう」と思うと、早く終わらせようとして、「聴く」ことでなく「伝える」ことをしてしまいがち。
これから社会に出ていくにあたって「思春期のうちに世の中の常識を教えておこう」と親が意気込んでしまい、常識という言葉や正論をズバッと言ってしまいがちです。
でも子どもが本当に言いたいことは、言葉として出てくる怒りでなく、不安・寂しさ・孤独感をわかってほしいという想い。
ですから、正論や常識を言っても、会話がかみ合わないのです。
それだけでなく、「気持ちをわかってくれない」と余計に落ち込んでしまいます。
その経験がおうちでも積み上げられると、「人と関わりたくない」「学校も行きたくない」となってしまうこともあるのです。
「学校の愚痴だから、学校に相談しよう」と思うお母さんもいらっしゃるかもしれません。
ですが、こうした「気持ち」の部分は、学校でなくてお母さんにこそやってほしいところなのです。
3.子どもが求めている「安心感」の作り方
愚痴の裏には「不安」が隠れている。
そう分かれば対応は簡単!
「安心感」を与えてあげればいいのです!
みなさんなら「安心感」をどう出しますか?
例えばまずモノ・場所から。
散らかった中では、気持ちもすさみやすいです。
落ち着けるように、せめて話をするテーブルの上だけでも片づける。
そして子どもが好きなおやつや飲み物を用意。
「一緒に食べよう」と促し、おやつを食べながらだと、お子さんも気持ちを言いやすくなります。
そして子どもが愚痴を言い出したら、まず「へ~そうなんだ」「その時どう思ったの?」「なるほど、わかるよ」と共感したりする。
すると、否定されなかったことで、「話していいんだ。」と自信を持てるようになります。
たとえ「あいつ、ぶん殴りたい!」など乱暴な言葉だったとしても「へー、そう思ったんだね。何か嫌なことがあったの?」と穏やかに聴きます。
すると「こんな時にこういうことがあってさ~」と言ってくる。
そうしたら「そっか、○○されたのがいやだったんだね」と気持ちを言葉で言い換えてあげる。
そういう体験を積むことで、「殴りたい」と言っていた子が、「○○がイヤ」と、適切な言葉で表現できるようになっていくのです。
おうちで愚痴を吐くのは、お子さんがお母さんのことを信頼している証拠。
だからこそお母さんの「安心感」で発達障害のお子さんの不安を和らげてあげてくださいね。
執筆者:青島 明日香
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
思春期凸凹女子のお悩み、対応術はこちらでもお伝えしています。