3学期の行きしぶりをそのままにしないで!新学期前に先生を味方にするコツ

発達の特性は見えにくいからこそ、新学期に学校で子どもが困らないようにしてあげたいですよね。新学期すぐに不登校になった小学生を育てるママが、自らの体験から新学期になって行きしぶりや不登校にならないよう先生に味方になってもらうコツをお話します。

1.学校にお子さんの様子を伝えていますか?

もうすぐお子さんたちは、進級進学を迎えますね。みなさんは、学校にお子さんの様子を伝えていますか?

新学期は、家庭も学校も忙しくなるときです。

学校の先生は、新学期にはクラスの子のことを覚えたり、新しくやることがたくさんあって、一人一人全員のことを把握するのは、なかなか大変です。

そんなお忙しい先生を呼び止めて、子どものことをお伝えするのも悪いし、もう少しあとでお話しようかなと考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、発達障害やグレーゾーンの特性のある子どもたちは、先の見通しが立たないと不安になりやすかったり、色々なことをネガティブに考えがちだったり、人間関係が苦手など、周りにわかりにくい特性のために、適切なサポートを受けられなくて悩んだり…

そこで3学期は、行きしぶりはあったけどなんとか学校に行けていたという場合でも、4月になってまた新しいことの連続になるとしんどくなり、ゴールデンウイーク明けから不登校になってしまうというお子さんも多いのです。

新しい学年になってお子さんが学校に行くのが辛くならないように、またお母さんの不安や負担を軽くするためにも、進級進学する前の、この時期に学校にお子さんの様子を伝える大切さとコツをお話しします。

2.行きしぶりは「学校がつらい」サイン

わが家には、小学3年生の4月から不登校をしている、現在小5の娘がおります。

娘は、外では何ごともなく過ごし、家では癇癪をおこすタイプでした。

不登校になる前の小2の3学期には、学校から帰ってくると、「宿題はいつやるの?」「やらない!やりたくない!」と娘との宿題バトルが毎日勃発。

算数のつまずきが見られ、放課後友だちとも遊ばなくなり、進級した小3になると毎朝「おなかが痛い」と行きしぶりが始まりました。

そして4月末には完全に不登校になってしまったのです。

不登校になってから、スクールカウンセラーさんに癇癪や算数のつまずきについて相談すると、もしかしたら発達の遅れがあるかもということで、検査をすると、癇癪は注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性だということがわかりました。

当時は、わかりませんでしたが、特性により娘は学校生活に困りごとを抱えていて、行きしぶりは「学校がつらい」というサインだったのです。

私は、もっと早くにスクールカウンセラーさんに相談していたら「不登校にならなかったかも」、勉強のことでは担任の先生にも、「娘の状況を詳しく説明しておけば良かった」など、たくさん後悔しました。

今まで何ごとも自分で考えて、納得してやってきた私は、子育てもなんとか自分でできる、自分ががんばれば大丈夫と思っていました。

しかし、娘が不登校となり、自分一人では「もう無理だ」「誰かに助けてほしい」という状態になって、ようやくサポートを求めることができたのです。

だからこそ、読者のみなさんには、子どもの困りごとをみつけたら、できるだけ早くに学校にサポートを求めて伝えてほしい!

親子で学校の困りごとを少なくしてほしいのです。

3.新学期になる前に準備すること

3学期中に、新学期になる前の準備として、先生とお話しする機会を設けていただきましょう。

先生とお話しする前に、お子さんには「学校のどんなところがイヤなのか」「なぜ行きたくないと思ったのか」を否定せずに聞いてみてください。

プラスして聞いてほしいことはこちら。

・学校で困っていることはないか
・教科でわからないものはないか
(親から見てつまずいているところはなさそうか)
・友だちのことでイヤな思いをしていることはないか

お子さんに聞いたことを、正直に先生に伝えて相談してください。

わが家は娘が完全不登校なので「新学年になったらどうする?」「どうしたい?」と毎年この時期に気持ちを聞くようにしています。

娘は発達の特性である、こだわりが強く、ネガティブな記憶が残りやすい。それにプラスして、コミュニケーションが苦手です。

自分のやり方や考え方が学校のシステムに合っていないとか、好きなことだけをしていたいのに、苦手なことを無理してやらなくてはいけないなど、学校に対してのモヤモヤやストレスをためた状態で不登校になりました。

学校でのストレスを、新学期に持ち越さないためにも、新学期になる前に少しでも心のモヤモヤを晴らしてあげることが大切です。

4.発達の特性を先生にわかってもらい味方になってもらうコツ

わが家の場合、スクールカウンセラーさんと先生との三者面談を定期的におこなってもらい、娘の様子を伝えて、いつ娘が「学校に行きたい」と言ってもいいように連携が取れるようにしています。

4月になる前のちょうど今の時期には、娘のことを伝える「コミュニケーションブック」を作成し、スクールカウンセラーさんと担任の先生に渡しています。

先生の心を動かす!発達グレーの子どもの特性を伝える、コミュニケーションブック
『30分で書ける!先生に伝わる!穴埋め式コミュニケーションブック 』

面談では、学校側と子どものきもちの両方を考えます。次のことを忘れないようにしてくださいね。

・協力していただいたことに感謝を伝えること
・子どものきもちをきちんと伝えること
・引き続き先生が可能な範囲の協力をお願いすること

子どものことを、進級して次の担任の先生へ、引継ぎをしてもらうときに、誤った情報が伝わらないようにもしたいですよね。そこで次の2つを約束します。

・次の担任の先生へも「コミュニケーションブック」を渡してもらう
・新学期になってすぐに新担任と面談をしてもらう日を決める

新学年になって担任の先生は変わっても、事前に面談の日を決めていたことで、スムーズに娘のいまの様子や今後のことを話せましたし、協力してもらえるようになりました。

特に発達の特性をあまり理解されていない先生には、スクールカウンセラーさんなど発達の特性をわかっている人と三者面談がおススメです!

発達の特性をわかってくれている人を味方につけると、先生と対立することを防げますよ。

お子さんをサポートしてくれる味方が増えると、学校での困りごとが減り、お母さんもラクになります。

娘が、不登校という形でSOSを出してくれたおかげで、子どもの様子をきちんと伝えてサポートをお願いする大切さがわかり、子どもも私も気持ちがラクになりました。

特に発達の特性があり、3学期に行きしぶりがあったお子さんの様子は、新学期前の今、お子さんをサポートしてくれる人や先生に伝えて味方になってもらいましょう。

お子さんが学校で過ごしやすくなる準備をしてあげてくださいね!

執筆者:渡辺くるり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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