1.ある意味すごい!偽りの宿題を連絡帳に書いてきた息子の本音
お子さんが、今ちょうど定期テスト期間中というご家庭も多いと思います。
発達障害・グレーゾーンの子たちは、勉強が苦手というだけでなく、見通しを立てて計画することが苦手なことが多いです。
「決められた期間で勉強できない…」
「いつになったらテスト勉強始めるの?」
とお悩みのお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
今日は勉強嫌いな子どもの、勉強に対する本音がどんなもので、まずはどう対応すべきなのか?を我が家の息子のエピソードをお話ししますね。
現在高校2年生の注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの息子がまだ小学生の頃。 ある日私は、息子の連絡帳の宿題が毎日「算数ドリル29ページ」になっていることに気がつきました。
さすがに3日目くらいに気になって、「宿題、ずっと29ページだね」と聞くと
「まだ進んでいない人がいるからみんなができるまで29ページが宿題なの。僕は終わってるから今日はナシ!」
と言うのです。 なるほどねー、と思って数日が経過しました。
そしてたまたま学校に行く用事があり、先生にお会いする機会があったので「最近ドリル進まないですね」と何気なく聞いたら、
「いや、今、ドリル40まで進んでますよ」
「本当ですか?」と一瞬固まってしまいました…。
なんと!宿題をやりたくなかった息子は偽りの宿題を連絡帳に書いていたのです。
当時、連絡帳をちゃんと書けたかどうか担任の先生が毎日みてくれて「OK」のハンコを押してくれる制度になっていたのですが、息子は先生のチェックを通過した後に消して書き直す、という荒技を使っていたのです。
なかなかやるな…。
ある意味、すごい!
そのアイディアと努力をもっと他のところで活かしてもらえるといいのにと思いましたが…。
結局これが、勉強嫌いな発達障害・グレーゾーンの子どもの本音なのです。
嫌だな、と思うことなら何がなんでも回避したい、それくらいの苦手さを感じているんだ、ということを知っていただけましたか?
2.発達障害・グレーゾーンの子どもにガミガミ言い続けると…
お母さんの理想のスタイルで「できない・やらない子ども」に対して、ガミガミ叱責したり、他のお子さんと比較して皮肉を言ったり、うっかりネガティブなコミュニケーションになっているとしたら要注意です。
なぜなら「勉強」に関して「いつも叱られる」というネガティブな記憶がインプットされると勉強=嫌なものとして脳が記憶していくからです。
行動と感情がセットになってインプットされると次にその行動を起こそうとすると「嫌だな」と思う感情が一緒に出てきます。
あなたは「嫌だな」と思うことに積極的に取り組めますか?
私だったらなんとか後回しにする方法を必死で考えます。あわよくば、 やらなくていい状態にするにはどうしたらいいか考えます。
だから、まずは 「やった」ということをしっかり肯定し、「できた」という体験を記憶にインプットしながら勉強に対する子どもの「感情」を書き換えるということをやってもらいたいのです。
3.ここに注目!子どもに合った対応で勉強嫌いを克服しよう
実は見通しを立てる、計画を立てるなどこういったことが苦手な発達障害・グレーゾーンの子どもには、勉強に向いている時間の「長さ」があるんです。
息子が通っていた中学では定期テストの2週間前に学習のスケジュールを立てる計画表が配布されていました。
「2週間前くらいから計画的に勉強しましょうね」ということです。
ところが、見通しを立てたり、段取りを考えるのが苦手な発達障害・グレーゾーンの子どもにとっては、いくら計画表に書いてあったとしても
・2週間って、長いなー。
・なんだか、面倒だなー。
・ま、やらなくてもいいか。
となることがあります。
そこで私からのご提案!
そんなグダグダな状態で2週間を過ごすのであれば1週間限定で勉強集中期間を作ることをやってみてほしいのです。
「2週間前からちゃんとやってほしい!」は、あくまでのお母さんの願いですよね?
ですから、お母さんの願いと子どもの今の能力のズレをしっかり把握できるようになると親子の無駄なバトルを減らしていく第一歩につながります。
・2週間ではなくまず1週間から
・1日3時間ではなくまず1時間から
など、調節してみましょう!
「そんなに減らして大丈夫?」と思うかもしれませんが、 お母さん、ここでちょっと考えてみてください。
嫌だなー、やりたくないなー、という思いでボーッと過ごす2週間とちょっとお尻に火がついちゃったけどやる気になって過ごす1週間とどっちがいいでしょうか?
私だったら後者の「1週間」です。
日本の教育は長時間やったり、たくさん解いたりすれば子どもの能力が上がるという考え方が根強いですが、グレーゾーンの子ども達にはそれが合っているとは限りません。
集中できない子や見通しを立てるのが苦手な子には、その子に合ったやり方を見つけてあげる方がいいのです。
イライラする気持ちを抑えて、子どもに合わせた対応で勉強嫌いを解消し、前向きに勉強に取り組めるアプローチをしてみませんか?
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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