1.子どもの質問が多くなる原因は○○です
質問ばかりしてくるお子さんに、うんざりしてしまった事はありませんか?
今日着る服や学校の準備、ちょっとしたお手伝いなど、何かするたびに
「これでいい?」
「どっちがいい?」
お母さんとしては、しつこい!という思いが強くなりますよね?
質問責めをしてくるお子さんに、ついイライラ…
「聞かなくてもわかるでしょ」
「自分で考えて!」
と突き放したり
「困らせようとしてわざと質問してる?」
と疑ってしまったり…そのお気持ち、良く分かります。ところが子どもはお母さんを困らせようとして質問を繰り返しているのではないのです。
質問が多くなる原因、それは「不安」です。
発達障がい・自閉症スペクトラム(ASD)の子どもは、この「不安」が強い傾向にあります。
ASDの子どもの場合は、自分の想定外のことに対応できなかったり、あいまいな指示や、相手の考えがわからなかったりするという特性を持っています。
自分で考えて良かれと思ってやってみたけれど、なぜだか失敗し、叱られて、しかも何が正解だったのかもわからない…という状況になる確率が非常に高くなります。
ですから本人は不安を解消したくて質問をしてくるのです。それを無下に「自分で考えて!」と言ってしまおうものなら、お子さんはもっと不安が強くなります。
そんな状態が続くとどうなるかわかりますね?
「どうせ怒られるんだから、聞かない方がマシ」
これ、絶対に避けたい状況です。なぜかというと脳の発達は「行動量」に直結しているから。
不安が増し、動けなくなって行動量が落ちてしまえば脳は発達しません。ですから、子どもの行動量が低下しない会話を心がけてほしいのです。
ではお母さんはどのように会話すればいいのでしょうか?
2.不安が強い子は、お母さんとの会話で「安心」の芽を育てよう!
発達障がい・グレーゾーンの子どもの行動量を落とさないためには、まずはお母さんが「質問、大歓迎!」という状況を作ることが大切です。
質問を突き放さず、笑顔で答えることにより親子の会話も増え、子どもの心には安心感が育ちます。
つまりお母さんが質問に答えてあげれば、子どもは安心して「行動」を開始するので
・動き始めたらそれをしっかり肯定する!
・途中でやめても取り掛かったことを肯定する!
・やろうとした姿勢を肯定する!
こうやって行動に対しての肯定を続けると、肯定された行動は次第に定着していきます。そうすれば不安が強いお子さんも自信を持ってできることが増えていきますよ。
今回はとくにご相談が多い、発達障がい・グレーゾーンの子どもの「質問あるある」にお答えしたいと思います!
3.発達障害・グレーゾーンの子どもがお母さんとの会話の中で自信が持てるようになるポイント
◆同じ質問を何度も繰り返す場合
例えば金曜日に虫歯の治療があって、まだ月曜日なのに「今日は歯医者に行かない日だよね?」と何度も聞いてくる場合。
このようなときは質問の答えがわかっていても、お母さんとの会話から「歯医者には行かないよ」と回答をもらうことで安心を得ているのです。
子どもが不安を解消するための質問をする場合には、表情や仕草から、怯えている様子が受け取れると思います。
そのときには不安になっていることを察してあげ、安心させることが必要となります。
「どうしてもう一度聞くの?」と聞いて不安な気持ちを吐き出させたり、「歯医者には行かないよ」と簡単に安心させた後、子どもがのってくる話題で楽しい会話のキャッチボールをしたりすることが有効です。
◆親を試すような質問をしてくる場合
「私なんていない方がいいでしょ?」
「私とお姉ちゃん、大事なのはどっち?」
「私のこと好きな人なんていないよね?」
たいてい、この「試す」質問をするときの子どもは、機嫌が悪いことが多いです。
ですから親としては憎たらしく感じるかもしれません。この場合、きっかけは様々ありますが、子どもがお母さんの気持ちを理解できなくて不安に思っているときに出てきやすい質問です。
ですので、イライラするのはNG。一呼吸おいて、なにか不安になることがあったんだなと受け止めてあげてください。会話の内容よりも、子どもの不機嫌に巻き込まれないことが大切です。
そして、会話の中にお母さんの「気持ち」を織り交ぜることを意識してみてください。どういうことかというと「お母さんはこう感じているよ」ということを言葉にして伝えるのです。
「体調が心配。そろそろ寝てほしいな」
「試合で頑張っている姿、誇らしかったよ」
「どんなときでもあなたが好きだよ」
「お手伝いしてくれてとっても助かったよ」
こうして、普段から会話の中に「気持ち」を入れて伝えると不安が強い子は安心します。そうすると少しずつ行動量がUPしたり、素直さを取り戻したりします。
いかがでしたか?お母さんがお子さんの行動を肯定する会話をしていると、だんだんと質問の量が減ってきますよ。ぜひお試しくださいね!
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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