1.発達障害グレーゾーン中学生は「やる気がない」と思われる?!
通常級で頑張る発達障害グレーゾーンの子どもたちには必要なサポートがあります。
ですが、このことを学校の先生も意外に気が付いていない場合が多いです。
中学校生活を迎えるとどんな課題が出てくるのか、どう対応するのがいいのかを、現在高校2年の息子の中学校時代のエピソードを交えてお話します。
中学は自主性を求められ、全てが成績として評価される環境。
小学校のころまでとは子どもを取り巻く環境もガラッとかわります!
息子は発達の特性がありましたが、中学は通常級に通っていました。
注意欠陥多動性障害(ADHD)と学習障害(LD)の傾向が強く、お勉強についていくのがちょっと苦手。
不注意傾向が強いので授業への集中力があまり持たない。
(途中で飽きちゃう)
先生がわーっと一気に喋った情報を整理するのが苦手。
だから、宿題も忘れるし、提出物も忘れるし、単元でやった大事なことも「大事なこと」としてインプットされないこともある。
成績だけを見るとただの「勉強嫌いな子」です。
そして何かにつけ「やる気を出しなさい」と注意されていたのです。
2.発達の特性がある子ども達はちょっとサポートすればできることがたくさんある‼
でも、ある日、私は気づきました。
この子は「勉強が嫌い」な訳でも「やる気がない」訳でもなく「やり方がわからない」だけだということに。
家で一緒に過ごしながら学習の様子を見ていたら、ある特定の部分でつまづくことに気づきました。
情報整理が苦手という発達の特性によるつまづきでした。
たくさんやることがあると、どれからやっていいかわからない。
こんな順番でこうやってみようね、と伝えればできる、指示がシンプルなら動ける。
つまづきさえ取り除いてあげれば、私が何も言わなくてもあとは一人で黙々と解いていくのです。
結局、勉強が嫌いなのではなく、つまづいた時のサポートがないから進められなくなっていただけだと気付きました。
発達障害の特性がある子は 「ちょっとサポートしたらできること」がたくさんあるのに、そのサポートがないために 「できない子」というレッテルを貼られてしまうことが多い!
これはとてももったいない、と私は思います。
学校の先生は大勢の生徒を見ているので、一人一人のフォローまで手が回らないのも現実だと思います。
授業を決められた通りに進めなければいけないので、特に授業進行の妨害にならない発達障害グレーゾーンの子どもたちであれば、ぼーっとしていようが成績が悪かろうがスルーされる…
これが中学校に進学した時に、我が家が体験してきたことです。
発達障害グレーゾーンの子の正しい対応方法を知らない先生も、残念ながらまだ多いのが現状なのです。
3.我が子のトリセツを伝えて学校生活をサポート“発達の専門家”に母がなる!
だからこそお母さんには我が子の特性と良さを理解してもらい、必要な対応があれば学校と相談できる知識を手にいれてもらいたいと思います。
「こういう特性があるからこういう対応をしてほしい!」と的確に伝えられるチカラを、私が手に入れたことで学校とのやりとりはグーンとスムーズになりました。
お母さんが我が子のトリセツを持って学校に教えにいくというイメージです♪
もちろん、全ての提案を受け入れてもらえるわけではありません。
先生方も大勢の生徒を見ておられますので個別の対応は難しいと言われることもあります。
でも断られたら次の手を考えればいいだけなのです!
ぜひ、お母さんには我が子の発達専門家になっていただき、学校の先生を引っ張っていくスタイルに変わってもらいたいと思います!
中学時代の息子の担任の先生にも何回もお伝えしつづけたら「お母さんが言っていた意味がわかりました!」と、少しずつ息子の特性への理解をしてもらえるようになりました。
「やっとわかってもらえたー」という感じもありましたが…
学校にばかり期待しすぎず、お母さんはお母さんでできることを着々とすすめていくと良いと思います。
そんな実態もありますので、どんな環境(進路)を選択するかも発達障害グレーゾーンの子どもたちが自信を失わずに成長していくためには重要なポイントになります!
小学校とは違う、中学校生活の”壁”を理解していただけたでしょうか。
中学受験をするにしてもしないにしても「壁」を知って、うまくサポートして、できることを増やして、個性を強みにしていってあげる。
これが大切です。
今、お子さんが学校生活でつまづいているお母さん、できることから始めてみましょう!
執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
今から、進路の話ができる親子関係になっておきましょう!