1.発達障害・グレーゾーン中学生の進路選び(通信制高校・通信サポート校編)
中学生のお子さんの進路選び、「どの学校がいいの?」と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?
発逹障害・グレーゾーンの子の進路選び、中学卒業後の進路の選択肢はさまざまです。
偏差値や評判だけでなく、お子さんの特性に合わせて選ぶことをお勧めします。
<中学校卒業後の進路>
●全日制高校
●定時制高校
●通信制高校と通信サポート校
●高等専門学校
●高等専修学校
●特別支援学校高等部
●フリースクール
●就職
などがありますが、まずは「通信制高校」と「通信サポート校」について少し掘り下げてみましょう。
全日制高校、定時制高校についてはこちらの記事をご覧ください↓
『中学卒業後の進路が心配なお母さんへ。発達障害・グレーゾーンの子にあった選択肢を探しませんか?』
●通信制高校とは
学校から送られてくる課題の提出と添削を通して勉強します。
そして
・レポート
・単位認定試験
・直接学校へ足を運ぶ、スクーリング(面接指導)
を通して高校卒業を目指します。
必要単位が取れれば、最短3年で卒業できます。無事卒業できれば高卒資格を取得です!
スクーリングの頻度は年に数回のところもあれば、週に1日〜5日のところもあり、学校によって異なります。
スクーリングのない日は自宅などで自由に勉強ができるのがメリットです。
不登校を経験したお子さん、発達障害やグレーゾーンのお子さん、働きながら勉強をしたい方、アスリート活動や芸能活動と両立させたい方など、様々な人が学べる学校です。
一方で、勉強は自分で進めなければならないため、途中で挫折してしまったり、卒業までに5年以上かかってしまうなんていうケースもあるのが現実です。
そこで、活用を検討したいのが「通信サポート校」です。
●通信サポート校とは
通信サポート校は“高校”ではありません。学校教育法で「高等学校」と定められてるわけではないのです。
※前述の通信制高校は“高校”です。
そのため通信サポート校だけで勉強をしても高校卒業資格を取得することはできません。ここは少し注意が必要ですね。
ではどんな目的でみなさん通うかというと…
通信制高校に通う生徒に対して、3年間で卒業ができるよう単位取得・進級などに必要な勉強や、精神面での支援を行います。
例えるなら、通信制高校に通う方々のための「塾」や「予備校」に近いでしょう。
サポート校の運営母体は、予備校や学習塾・専門学校など教育関連の学校法人が多いです。そのため学校によって運営母体の特色に合わせた様々なコースもあります。
お子さんの「好き」「得意」に合わせて選んでもいいでしょう。
ちなみに、通信サポート校を利用する場合、通信制高校の学費とサポート校の費用がダブルでかかります。
多くのサポート校は通信制高校と提携しているので、その場合はサポート校入学時に通信制高校へ同時入学することになります。
費用がかかるのが迷いどころです。しかし、何年も通信制高校に通って貴重な時間を費やしてしまったり、挫折することで自信を失ったりするのであれば、サポート校を利用して必要な支援を受けながら高校卒業資格取得を目指すのも一つの方法かもしれませんね。
2.発達障害・グレーゾーンの子の進路選び(高等専修学校・高等専門学校編)
次は「高等専修学校」をメインに、高等専門学校との違いなどにも触れながらお話していきますね。
●高等専修学校とは
特定分野の職業教育を主に行う学校で、現在その分野は8分野に及んでいます。
高等専修学校は、学習指導要領の適用を受けないため、高校普通科目を学びにくい生徒が通ったり、不登校経験者や発達障害の生徒の受け入れをするなど、柔軟に対応している学校も多いです。1年制〜5年制まであります。
ちなみに、高等専門学校とは別モノです。
高等専門学校は「高専」と呼ばれ、修業年限は 5 年と設定されています。
卒業することで、高校卒業に値する準学士の資格を得ることができます。卒業後は、専門知識を元に就職する学生や、知識をさらに深めるために大学へ進学する学生もいます。
●大学入試資格付与指定校 とは
3年制以上の高等専修学校のうち、文部科学大臣が一定の要件を満たしていると認めた指定校の修了者は、大学や専門学校進学にあたって、高校卒業者と同等以上の学力があったと認められます。
この指定校のことを「大学入学資格付与指定校」と呼び、大学や専門学校への受験が可能になります。
この指定校では、高校普通科目も週に4コマ以上行われ、専門分野を深く学びながら、大学や専門学校への進学にもそなえられるようになっています。
●技能連携校(技能連携制度)とは
技能連携校とは、技能連携制度を利用して専門的な勉強をしながら通信制高校で高校卒業資格取得を目指すことのできる学校のことを指します。
生徒は卒業時に高等専修学校と高校卒業の両方の資格が取得できます。
また今ご紹介した以外にも、「特別支援学校高等部」「フリースクール」「就職」などの選択肢もあります。
このように情報を集めてみると、進路選びの選択肢って結構あることがわかりますよね!
3.発達障害・グレーゾーンのお子さんの特性にあった選択肢を探すコツとは?
グレーゾーンのお子さんは脳の発達の特性によって、勉強や学校生活において得意・不得意が出やすい場合があります。
そうすると学校では「できの悪い子」と評価されることが多くなります。
そんな成績表をみせられたお母さんもイライラ…
怒られ続けた子どもはやる気を失う…
こんな負のループに陥りやすいわけです。
そんなワケで、お母さんの心に少しだけゆとりをもっていただけたらと思い、こうして進路情報をお伝えしています。
今のうちから進路の様々な選択肢を視野におきながら、進路について親子で話し合いができる「良好な関係性」を築いておいてくださいね!
この「良好な関係」は進路を選ぶときだけでなく、進路が決まったあともとても大切です。子どもが、新しい進路・環境で頑張るためにはどうしても「自信」が必要だからです。
では、どうやってその「自信」を授けてあげるかというと、ズバリ「自己効力感」です。
これは、本当であれば、日常のコミュニケーションの中で高めていくことができます。
でも残念ながらグレーゾーンの子とお母さんの毎日のバトルが続くと、この「自己効力感」は育っていきません。
できていないことに注目するのではなく、子どもの得意を認め、自信をつけさせてあげてください。広い視点で選択肢を増やし、親子でよく話し合いながら進路選びを楽しんでくださいね。
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
思春期グレーゾーンの子の進路のお悩み解決情報も発信しています!
ご登録はこちらから▼