1.手強い思春期・反抗期の子どもには優しい声では届かない⁉
呼びかけになかなか答えない、会話にならない…、思春期・反抗期の子ども達って対応が難しいですよね。
いつも私は、子どもに言葉を届けるには声が重要ですよ、とお話しています。同じ言葉でも、声によって子どもにちゃんと届くかどうかが変わってきます。
子育てに、「声」を戦略的に使わないのはもったいない!
ただ優しい声の方が子どもが聞いてくれるかもと思って、お母さんが声をわざと作ろうとすると思春期の子は「うざい!なにか企んでいる?」と裏を読んできます。
今回は、優しい声を出せば子どもが聞いてくれるというのは、ちょっと違うんです、というお話をさせてください。
2.子育てがうまく行かないのは、生まれ持った声のせいではない!
ママ友や周りのお母さんの声を聞いて、「こんな声だったら子どもは素直にいうこと聞くんだろうな」など思ったことはありませんか?
私も、子育てがうまくいかないのを「声」のせいにしたことがあります。
生まれ持った「声」が低いから、子育てがうまくいかないんだと自分を納得させていた時期がありました。
でも、違ったのです。生まれ持った声が、柔らかい声だろうが、低い声だろうが、それは関係ない!ということを感じたエピソードをご紹介します。
息子が、野球の試合に出ていたときのこと。
ちょっぴり声の低ーいお母さんが、「何やってんの!ほらよく見て!ちゃんとボール取れるから!」と声をかけてました。
お子さんは、「あーうざっ、わかってるし」と言いながらも、ちゃんと反応していたのです。
試合が終わってからは、お母さんに向かってガッツポーズまでしていました!
そのお母さんの声は、一般的に言われる優しい声ではなかったかもしれませんが、ちゃんとお子さんには、お母さんの気持ちが伝わっていました。
お子さんにとっては、そのお母さんの声色は「優しい声」だったんですよね。
思春期・反抗期の子どもには、必ずしも優しい声だけが届くわけではないのです。
3.声を作ろうとするより、先に整えて欲しいもの
声には、発している人の気持ちが現れます。つまり、お母さんの気持ちが声を通して子どもに伝わっています。
「こういう声を使えばいいんでしょ?」とお母さんが思っていたら、その気持ちも伝わってしまいます。
なんとか言うことを聞かせようと考えるより、「どうやったら伝わるかな?」という考えにシフトして言葉をかけると、「えっ、何?」と子どもが聞いてくれる声に自然となります。
子どもの脳の深いところにまで言葉を届けるには、声を作ろうとするより、まずはお母さんの気持ちを整えることです。
「この子は今どういう気持ちでいて、どんな言葉をかけて欲しいと思っているのかな」と子どもの気持ちを考えられる余裕を持ちましょう。
その上で、戦略的に声を使うと、子どもがサクッと動き出し、困りごとが減ってきますよ!
会話がむずかしい思春期・反抗期、子どもの気持ちに寄り添って会話の⼊り⼝=声を整えることで子どもの脳の発達をスピードUPさせていきましょう!
執筆者:山南あや
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
思春期凸凹キッズにも伝わるコミュニケーションを▼