1.オルタナティブスクールの可能性
机上のガリガリ勉強が嫌でしょうがない発達凸凹のお子さんはいませんか?
読み書きの苦手さがあったり
毎日の宿題で癇癪が激しかったり
画一的な一斉授業・教科書中心のやり方があわなかったり
そんな子ども達は、
空にある面白い形や色の雲を見てお天気について理解しようとしたり
キャンプでは強風の中でタープを張る向きを大人と一緒に検討したり
薪に早く火をつけるにはどうしたらよいかを試行錯誤してみたり
このような体験型の学び方だと水を得た魚のようにキラキラした顔を見せてくれませんか?!
体験型の学びが大好きな子どもにはオルタナティブスクールが向いているかもしれません!
オルタナティブスクールとは従来の学校とは異なる子ども中心の教育を行う学校です。
そんな学校の取り組みが気になるけど卒業後は大丈夫なの?と思われたお母さんも、枠にとらわれない学校と子どもの可能性に掛けてみたい!と思われたお母さんも、いらっしゃるかもしれないですね。
今回はオルタナティブスクールの見学に行ってきた我が家の体験談をお伝えします。
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2.ガリガリ勉強しなくても子どもの力は伸びる?!
♦我が家の不登校後の子育ての軸
現在フリースクールに通っている小5の息子は、教室での勉強がしんどくなり小3で不登校となりました。
みんなと同じ地域の公立小学校で授業を受けていない息子の通知簿の評価は斜線ばかりですが、それを見てショックだったのは初回だけです。
今では息子の能力を、通知簿の項目や発達(知能)検査の結果だけではかることはできないと思っています!
息子の不登校経験を経て、私の子育ての軸は変わりました。
・苦手があっても、息子に得意な事や興味のある事をやらせてあげたい
・本人に合った学び方や生き方を息子が選択できるようにサポートしたい
なぜならば親が子どものできない事や苦手な事にとらわれているうちは、子どもは本来の力を発揮できないからです。
一時期は学習の土台になる認知機能のトレーニングをすることで、少しずつ自信を持てるようにしてあげようと思った事もありますが、やはり苦手な事はどんなにハードルを下げてもなかなか力が付きにくいと実感しました。
子どもの意欲が湧かないのです。せっかく時間をかけてもそれではもったいないですよね。
♦母ちゃんより上手に出来る事
うちの息子の場合、いわゆるテストの点数に結びつきそうな勉強をなんとかやらせようとする事をやめると、息子の得意や興味が際立ちはじめました。
例えば、ドライバーを片手に家にある物の分解にはまっていた事があります。また家に来た業者さんが洗濯機を修理する様子や自転車のパンク修理を1時間以上間近で見ている事も。
身の回りの物の仕組みに興味をもっている姿が目につくようになりました。
それらは分解して中を見る事が面白かったり、興味があって修理の様子を見る事に夢中になっていただけですが、その積み重ねが実はしっかり力になっています!
その様に感じたのは、たくさんのギアやモーターのある組み立て式のおもちゃが動かなくなった時です。私より素早く不具合を見つけあっという間に直してしまいました。
「母ちゃんより自分はスゴイかも」という得意げな顔を見たとき、自信に結び付くこんな部分をもっと伸ばしてあげたい、と思いました。
通常の学校の勉強は苦手でも、興味のある事はすごく知りたいし、パッと必要な部分に気づく事ができる子だという事を知りました。
その点は本人も自覚するようになっており、チャレンジしたい気持ちが多方面で加速しています。
私の子育ての軸に合う、息子がより成長できそうな学校を知りたいと思い、
ちょうど近くにあったオルタナティブスクールの『箕面こどもの森学園』へ見学に行きました。
ホームページはコチラ
子どもの興味関心を学習の中心にすえ、子ども自身の生活から学習を組み立てる方法を取り入れている学校です。
3.子どもが主役の学校とは~箕面こどもの森学園初等部~
では、息子と一緒に見学をして印象的だったことをお伝えしますね。
♦学校でマイワールド全開してもいい!
小学部では4つの学習方式があります。「基礎」「テーマ」「選択」「プロジェクト」です。
その中の一つ、プロジェクトの時間は子どもが今やりたい事を自分で計画して行います。
木工、紙工作、手芸、小説を書く、料理、魚や星の研究、何をしても良い時間が毎日あります。友だちや上級生の影響を受けながら計画、実行、形にする学習です。
「プロジェクトに必要なものはこの部屋から自由に選んで持っていって構いません」と案内された部屋の中は、工具店でしょうか?!
驚くような本格的なの電動ドリルやドライバー、電動糸のこぎりがズラリと並んでいました。角材、板材の木の良い香りもします。
おじいちゃん家の生垣を電動のこぎりで整える作業が上手な息子が、一番興味を持ったところはここでした。
スタッフさんが見守る環境ならば、子どもが電動の道具も自由に使えるそうです。
「これまでとんでもない事故は意外に起きていませんよ」と案内して下さった学園長さんはニコリとされていました。
おもちゃではなく本物の道具を子どもに使わせる事、普段お母さんはなかなか出来なかったりしませんか。でも子どもはそんな事をやりたがるし、やれば夢中になりますよね。その意欲が尊重される環境が用意されていると感じました。
「大きくなってからね」ではなく、すぐに行動に移せることで子どもの可能性は広がりますよね。
他にも布、毛糸、刺繍糸、ビーズ、アイロン、ペンキ、大小のねじ、釘、筆、刷毛などなど、大量で色とりどりの材料や道具が、所狭しとおかれている部屋は大人の私でもかなりワクワクしました。
しかも分類とラベリングがされていてわかりやすい。こんな風にわが家も整っていたら、息子がもっと製作活動に没頭する事は間違いないです。
ただし子どもたちの自由な発想が出発点なので、かなり無謀な挑戦をしたのであろう製作途中の作品もチラホラ目にしました。
たくさんの失敗が学校で出来るなんてとても新鮮です。数か月の時間をかけて取り組む子もいるようです。失敗は成功のもとを見せてもらったような気がしました。
♦子どもたちが稼ぎ修学旅行へ行く!
休み時間に教室をのぞかせてもらうと、ホワイトボードには修学旅行の企画ミーティングの跡が残っていました。
修学旅行の日程、資金集めのためのフリーマーケットの開催日と回数、コロナの緊急事態宣言でフリマが中止になった場合の想定について書かれていました。
毎年最寄りの駅前広場でフリーマーケットを開催し、修学旅行費の半分は子どもだけで工面しているそうです。
他にも行き先や、何をするのかなどすべての工程を子ども達で決めていくとの事でした。そしてコロナ禍の今、リスク管理の事も子どもたちは話し合っているようです。
家族単位の旅行でも、家族全員の意見をまとめ計画をたて実行する事は、なかなか大変ですよね。
4~6年生の20人超えのメンバーで、ゼロからはじめて意見がまとまるのかと心配になりましたが、それでも毎年実行されているとの事です。
そして学年がひとつずつ上がり経験値のある子どもが、下の学年の子ども達を引っ張っていくようになるそうです。
計画、実行、振り返り、改善するプロセスが修学旅行を題材に出来るとはすごいですね。大人になってもいろいろな場面で役立つ経験だと思います。
♦漢字が面倒くさい子が自慢したい漢字ノートを作る!
また今回見学は時間の都合上できなかったのですが、基礎学習と位置付けられている「ことば・かず」についても学習計画を自分でつくり、自分のペースで勉強して、分からないところはスタッフさんに聞くという個別の学習と共同の学習があります。
校長先生らが出版されている本にはこんなエピソードも。
ある日スタッフさんが「歴史で漢字」という教材を作り高学年の子ども達に「こんなのやってみない?」と提案し、それを聞いた入学間もない、電車好きの男の子が「え、こんな歴史とかで漢字やってもいいん?」と驚いたそうです。
スタッフさんが「駅の名前でもいいんよ」と言うと、その男の子は愛読書の時刻表とにらめっこしながら2週間で駅名を全部書き上げ完成させた、との事です。
誰に言われるでもなく難しい漢字の読み仮名もすべて書かれていて、「漢字って面倒くさいな~」と言っていた子が、自分にとって最適の学習法を見つけた、というお話でした。
学年によって覚えないといけない漢字が決まっているやり方ではなくて良いとは、目から鱗です!
自分の好きがいっぱい詰まったノートをお友だちや学校のスタッフさん、家族に見せる男の子の気持ちを想像して私も嬉しくなりました。
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4.子どもの笑顔、やる気が大事!
息子は現在在籍しているフリースクールにすっかり慣れて自己肯定感を育んでいる真っ最中の為、見学だけさせてもらう形となりました。
しかし、この学校を見学して、私は体験学習を主体にした息子の学び方にさらに自信を持てるようになりました!
自分の好奇心に従い興味がある事を自分のペースで追求する、これは子どもが本来持っている力です。やらされる勉強が苦手な子は困った子ではなく、環境が合わなくて困っている子ではないでしょうか。
大人が思う正解を押し付けないことで、その子らしさや考える力が育まれていきます。
子どもの笑顔とやる気がこれからの人生の土台です。
自分の好きを追いかけていくうちに、勉強の必要性にたどりつき、好きではなかった勉強を主体的にはじめる場合もあります。
一番大切なのは子どもの意欲を大人がつぶさない事!
何より笑顔で学べる環境があるのか、やりたい事を遠慮せず伝えられ受け入れてくれる人がちゃんといるのかが大切です。
従来の教育方法で育った親世代は、自分が受けてきたものと異なる教育方法に不安になってしまうかもしれませんね。それでも、新しい未来を作り生きていくのは子ども達です。
AIの台頭ですでに質の良い均一な労働力が求められる時代は過ぎ去ろうとしています。偏差値ではなく、何をしたいのか、そのために何を学んできた人間なのかが評価されるようになるはずです。
この記事を読んで、新しい学校と子どもの可能性に掛けてみたい!と思われたお母さん。ぜひ、『箕面こどもの森学園』を訪ねてみてください。
またオルタナティブ教育を実践している学校は全国に色々とありますよ。お近くの学校を探してみませんか?
お子さんが自分の軸で自由に動けるようになる進路を一緒に探しましょう!
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執筆者:とくながともえ
(発達科学コミニュケーションリサーチャー)
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