12歳で起業した親子の会話はここが違う!叶えたい未来を創造する子どものチャレンジを止めない親の視点~12歳の加藤路瑛さんと親子起業したお母さんの咲都美さんインタビュー前編~

もしお子さんに「会社を作りたい!」と言われたら「子どもだから」と反対しますか?12歳の加藤路瑛さんと親子起業したお母さんの咲都美さんに、お子さんが叶えたい未来を創造するチャレンジを止めないための大切な視点と会話についてお伺いしました。

1.12歳で起業したお子さんのお母さんはどんな人?

お子さんの発達に問題がありそうかも?と思ったとき、このまま大人になったらどうしよう、将来一人でやっていけるのかな、と心配や不安になりますよね。

そして、困りごと、苦手なことをなんとかできるようにしてあげようと、厳しく叱ったり、ガミガミ言ったりしても、一向に困りごと、苦手なことは解決しない。

そんな毎日の中「12歳で社長」「こんなにすごい小・中学生がいる!」などのニュースを見たりすると、
「12歳で!?うちの子にはありえない」
「あの子だからできた」と特別なことのように感じ、羨ましくもなりますね。

加藤路瑛さん(現在高校1年生)は、12歳の時に社長になった一人です。

「子どもだから」「大人になってから」「お金がないから」という理由で「今」やれることもできない社会を終わらせたいという想いがあり、お母さんの咲都美さんと「親子起業©」しました。

咲都美さんと路瑛さんが親子起業した会社はこちら
株式会社クリスタルロード
https://crystalroad.jp/

「12歳で起業したお子さんを育てている親御さんは、どんな人なのだろう?きっとすごい人なのではないか」というイメージありますよね。

今回は、お母さんの咲都美さんにスポットを当て、自身がどのように育ち、路瑛さんと会社をどのように成長させていったのかと、子どもが叶えたい未来を創造するためのチャレンジを止めない親の視点と会話についてお伺いしました。

インタビューには、路瑛さんも同席されていて、途中一言だけ出てきますので楽しみに読み進めてください。

2.よく弟と一緒に遊んでいました

子育てをしていると、自分のきょうだいからの影響、親から育てられたように自分が子どもを育てているなと感じることがあります。

育った環境によって自分の未来の子どもに対する接し方が変わってくるのではないかと思い、咲都美さんがどのような子ども時代を過ごされたのかをまずはお聞きしました。

ーー本日はよろしくお願いいたします。咲都美さん、ごきょうだいはいらっしゃいますか?子ども時代は、どのように過ごされてきたのでしょうか?

「富山県で育ちました。一つ下に年子の弟がいます。母子家庭で母が働いている間は、近所の祖母の家で過ごすことが多く、子ども時代はよく弟と一緒に遊んでいました。

思い返すと誰にも『家事をお手伝いしてとか、勉強しなさい』など言われませんでしたね。だから家事能力はない姉弟かもしれないです(笑)

母は、生きていくのに精一杯で、私たちの“教育をどうしよう”などの余裕がなかったのだと思います。自由にさせてもらっていました。」

ーーきっと咲都美さんや弟さんは、何も強制されない、自由な環境と遊びを創造していく中で、たくさん学ばれたのだと思います。環境と遊びは大事だということですね。

この子どもの頃の遊びから何かを創造するという経験が、子育てにどう活かされているのか、次で伺っていきます。

3.天才を見つける能力はないから自分で見つけて

大人になった咲都美さんは、結婚して路瑛さんが産まれます。路瑛さんが幼少期から「会社を作りたい」と考える少年になるまでには、食べられるものが少ないという食の心配、肌の過敏さで着られる洋服や靴下も限られているなど、悩みは尽きなかったようです。

ーー路瑛さんが周りのお子さんと違うかもと感じたことはありますか?あったらその時期はいつ頃ですか?

「もともと40週でもお腹で育つことができなくて、1600gと小さく産まれてきました。
さらに2月の早生まれ、同級生の中では彼は身体が一回り小さいなど、発達の面でも遅れていることがありました。

『他の子よりできないことがいっぱいあっても仕方ないよね』というところから、子育てが始まったという感じですね。

だから逆にうまくいくと『すごい!天才!』と思えたし、言っていました。

ーー他のインタビューの記事で『この子は社長か研究者になるのではないかと思っていた』と書かれていたのですが、具体的なエピソードはありますか?

「具体的なエピソードはないのですが、会社員的なことが向いていないのだろうなとは、私も主人も感じていました。

ちょっと違う感性を持っていたり、こだわりがあったり、言われたことを時間内にやるということが得意ではなかったり…そういうところを見てきて『この子は社長か研究者が向いてるね』と主人と私のそれぞれが息子に話していました。」

ーーそうすると、路瑛くんは小さい時から『僕は社長になるんだ』と思って育っていたわけですね?

ここで咲都美さんの隣でインタビューを聞いていた、路瑛さんが
「なんも思っていなかった」と一言気持ちを話してくれました。

ーーえーー!!思っていなかったのですか(笑)またお話は、咲都美さんに戻しますね。

「ただ、違うということをポジティブに捉えれば、何か天才性はあると思っていたのです。

すごいものを持っているというよりは、サラリーマン的なことは無理かもしれないけど、何かいいところを見つけて伸ばしていけるのではないか、という漠然とした期待がありました。

ただ、何をしたらそれが見つかるかは、私もわからなかったです。

小さいときから、時々『きみは天才だと思うよ。ただお父さんもお母さんもその天才を見つける能力がないから、自分で見つけてね』ということは言っていました。

そこで彼の自己肯定感が育ち、自分は天才と思う部分はあったかもしれないですね。」

ーー素敵です!私も子どもたちに言ってあげたかったです。

「今からでも遅くないですよ!」

ーー
咲都美さんの何かいいところを見つけて伸ばす、親にはこの視点が大切です。

親はどうしても苦手が未来まで続くようで克服させようと、苦手な部分に目がいってしまいます。

そこで視点を変えていいところを見つけて、「言葉にする」これがポイントですね!

「今からでも遅くないですよ!」という咲都美さんの言葉に、私もこれから子どもたちに言っていこうと思いました。

4.ぶっ飛んだ未来を創造するにはこんな親子の会話が大切

このように育った路瑛さんは「会社を作りたい!」と、ご両親に話し、咲都美さんと親子起業という形で、会社を設立しました。
咲都美さんのこの時の気持ちや考えを聞いていきます。

ーー親子起業するにあたって迷いなどはなかったですか?

「ゼロではなかったです。迷いというよりも、どちらかというと心配でした。

小さい時からサラリーマン的なことは無理かなと思いながらも、12歳という年齢で起業に挑戦してみるというのは、やはりちょっとぶっ飛んでいますよね。そこに対する心配はありました。

失敗に関しては、そんなに心配ではなかったのですが、私も主人も一般的なサラリーマンの道を通ってきて、起業というものがどういうものなのか知りませんでした。

知らない部分に子どもが飛び込んでいく不安はありましたね。」

ーーそうですよね。自分が経験したことのない世界に飛び込んでいくことに不安、心配があるのは当然だと思います。そこで自分の価値観とお子さんの価値観が違った時に、どう折り合いをつけ、話し合ったのかが気になります。どうされたのですか?

「12歳という若さで起業することにリスクがあるのかを家族で話し合いました。

『起業しました。そしてうまくいきませんでした』と言ってなにかリスクがあるのか?を考えていったら、特に何もなかったのです。

もし仮に何かあるとしたら、借金を返す人生になることだけれど、そうなったとしても、金額的に大金を借りられるわけではないので、そんなに困らないし、何とかなるだろうと。

また何かリスクがあるとすれば、彼がネットで誹謗中傷があったりしたときに、心を病んでしまって最悪“死”を選ぶことはあるのか、そういう状況になることはあるのかということを考えました。

息子はメンタルなところは大丈夫だ、どちらかといえば私が気に病んでしまう傾向があるので、“お母さんが大丈夫なのか”の心配のほうが大きかったです。

それさえなければ“やってしまえばいいじゃない”と家族が『起業することは問題ないよね』と考えが一致したという感じです。

ーー加藤家は話し合いがきちんとできる関係なので、価値観の違いをリスクなどから考えて、お互いによりよい方向に進んで行けているのだと思います。これからの新しい未来を創造するには、ときにぶっ飛んだ考えが必要なのかもしれませんね。

5.苦手なことや困ったことの反対側から子どもを見てみよう

お話を伺いながら、咲都美さんが子どもの頃、弟さんと相談しながら「次、何する?」と遊ぶことや進む道を決めてきたように、加藤家が話し合う様子が浮かんできました。

もしきょうだいがいなくても、このように育っていなくても、一つの課題や問題に向かってお互いを批判することなく、意見を出し合い、「どうしたら実現できるか、問題が解決できるか」の考えを持つことが重要ですね。

子どもが学校以外の、叶えたい未来を創造することを選んだ時に、「こういう道もありますよ」と先行く加藤さん親子が教えてくれています。

苦手なこと、困った行動が多い、こだわりが強い、大人から見るとちょっと大変なことを、いいことに捉える視点を持つと天才の種を見つけることができるかもしれません。

こうして色々な角度からの視点で、見守られながら育った路瑛さん。

「なんも思っていなかった」と言ってはいても潜在意識の中で、路瑛さんに「自分はできる!」という自分を信じられる心が育っていったのだと思います。

咲都美さんが路瑛さんと親子起業をしてから3年、会社を継続されています。

後編では、習い事がなかなか続かなかった路瑛さんが会社経営を続けられているのはなぜか?これから社会人になる子どもたちに必要なこと、親の関り方などについてお伺いしていきます。

後編もぜひお読みください!
人より先に社長となって社会人に必要なことを学んでいる!?子どものやりたい!を伸ばす大人の関り方とは~㈱クリスタルロード代表取締役社長加藤路瑛さんのお母さん咲都美さんインタビュー後編~

路瑛さんが幼少期から中学生までの子育ての様子は、咲都美さんが記事にされています。
感覚過敏研究所 感覚過敏体験談

執筆者:渡辺くるり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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