1.高学年まで見過ごされやすい発達障害グレーっ子
発達障害グレーゾーンの子は、どうして高学年になって困り事が大きくなってくると思いますか?
それは、グレーゾーンゆえに、支援の網をくぐり抜けてきてしまう、という現実があります。
日本の発達支援の「常識」は早期発見、早期療育、です。つまり、就学前後でのケアがメインなのです。
ですが、そのタイミングで療育を受けられる子はグレーゾーンの子では、多くはありません。気づかれずにスルーされる子、様子を見ましょうと言われる子。
仮に支援にたどりつけて、療育に通うことはできるようになっても、お子さんが嫌がって通えなかったり、お子さんの成長が見えずに悩んでいる親御さんもいます。
私たち大人も、グレーゾーンゆえに「時間がたてば変わるかもしれない」
という誤った期待をしてしまうことも多い。
私もそんなひとりでした。
ですが、私には後悔していることが1つあります。
それは「もっと早く発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)を知っていれば、息子に不要な辛い体験をさせてなくて済んだのではないか」ということ。
大きくなれば、できることが増えていくだろう。中学という環境になれば少しは意識も変わるだろう。そう期待していましたが、発達の困りごとは、時間がたっても環境が変わっても解決しませんでした。
というより、時間が経つほどにトラブルは増えていったのです。
なぜ、学年があがるほどに、発達障害グレーゾーンの子の困りごとは増えていくのでしょうか?
2.学校生活のつまずきを中学進学まで持ち越さない
発達障害グレーゾーンの子は、年齢とともに難しくなる学校生活の中で、失敗体験を積み続けて年を重ねます。
わが家の息子の場合は、周囲から求められるものは増えていくのに、発達のつまずきがあってできないことはずっと変わらない。
学年が上がれば上がるほど、ネガティブな記憶と体験が増えていき、自信を失い、荒れ、環境の変化に適応できなくなっていきました。
私も、本当は、ずっと小さい頃から違和感を感じていたんです。
だけど、その違和感の正体に気付けないまま時間が経ってしまった。
先生やスクールカウンセラーは「もう少し成長をみましょう」「できていることもあるので、きっとこれから変わりますよ」と言ってくれました。
その言葉は、子育てが辛いと思っていた私にとっては、励みにも支えにもなったので、感謝は本当にしているのです。
ですが、もし、私が、スクールカウンセラーや学校の先生のいうことを鵜呑みにせず、自分の違和感や直感を信じて息子のサポートをもっと早い段階で
スタートできていたら。
息子は辛い思いをする時間がもっと少なかったのではないか…と、それだけは今でも悔やまれます。
思春期に入ってからのサポートは、本音を言えば、大変でした。
大変だった分、本気で発達のことも思春期のことも研究したし、脳科学の考え方にそって何度も自分で実践した記録があるから、その経験をお母さんたちにお伝えさせていただけているのも事実です。
もし、小学校高学年にさしかかって、まだ困りごとを抱えたままで親子で孤軍奮闘しているのであれば。
1ヶ月でも、3ヶ月でも、半年でも、発達支援は早くスタートしてあげてほしいと思います。
子どもたちが「もうムリ!」と限界を迎える前に、上手にサポートしてあげた方が圧倒的に発達は加速しやすい。
だから、発達支援の視点から中学進学準備をスタートしてみませんか?
考えてみてください!
学力を伸ばすための塾はあるのに、全ての活動の土台になる発達の分野だけ
進学準備が確立されていない…。
学力検査はあるのに、発達の課題のチェック(検査)は誰もしてくれない…。
お子さんのことを、どう判断したらいいのか、どう準備したらいいのか、迷ってしまいますよね。
半年も待たなければいけない発達検査ではなく、もっとママがおウチでできる方法があったらいいですよね!
3.発達面でも進学準備を!高学年のための発達課題チェックにトライ
中学進学準備〜発達サポート編〜チェックリスト
わが子のつまずきポイントを知って今から準備をはじめよう!
質問は全部で15問です。いくつチェックが入るか数えてみてくださいね。
□ 塾や約束に遅れたり、行きたがらなかったりする
□ お風呂、歯磨き、寝る準備など、声をかけても進まない
□ 忘れ物が多い
□ 時間の見通しをもって動くことが苦手
□ 授業や先生の話を聞いていないことがある
□ 行事や特定の授業を嫌がることがある
□ 集団のペースに合わせるのがしんどい
□ 友達とのやりとりがうまくいかない、もしくはストレスを抱えているようだ
□ 自分の意見や気持ちを伝えるのが下手、苦手
□ 朝起きるのが遅くなってきた
□ 登校しぶりがある
□ 学校の話をしない
□ 学校から帰ると疲れている(今登校できていない場合もチェック)
□ イライラや暴言が増えてきた
さて、いくつチェックが入りましたか?
高学年になって、今までできていたことをやらなくなったり、荒れる様子が出てきているのであれば、要注意です。
中学という環境に入ると、子どもを取り巻く環境は厳しさを増す一方です。その前に、つまずきを解消してあげるサポートをスタートしましょう!
4.チェック数別に見る、発達加速のためのファーストステップ
チェックの数で3つのステージにわけて、サポートのポイントをまとめました。
小学校高学年のSOSを見逃さないママになりましょう。
発達障害グレーゾーンの子にとって「環境の変化」は負荷となって子どもたちにのしかかります。
だから、その前に!「発達を加速させる」という進学準備でしっかりサポートをしてあげましょう。
これから中学進学を迎えるプレ思春期は、早めの対応で、不安を自信に変えてあげることができますよ。
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
発達障害グレーゾーンの子の学校生活を支えるおウチ発達サポートのヒント
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