1.環境によってHSPの特徴は良くも悪くも発揮されてしまう?
HSC(Highly Sensiteve Child:人一倍繊細な子ども)の子どもの対人スキルに不安を感じていませんか?
人との関係の中で、自分をうまく出すことができなかったり、嫌な体験をしたりすると、「人は嫌い!」と思ってしまうことがあります。
生涯で仲の良い友人はできるのだろうか?
大人になったら仕事関係の人とうまくやっていけるのだろうか?
とお母さんは考えると思います。
HSP(Highly Sensitive Person:人一倍繊細な人)の気質のある人には、“DOES”と呼ばれる4つの特徴があります。
【DOESとは】
D:Depth of processing/物事を深く捉え、深く考える
O:Overstimulated/敏感で刺激を受けやすい
E:Emotionally reactive and high Empathy/感情の反応が強く、特に高い共感力を持っている
S:Sensitivity to Subtleties/些細な刺激を敏感に察知する
です。
この4つの特徴があることで、心地よい刺激や感動的な刺激を受け取ったときには持ち前の優しさや感性の豊かさを発揮することができます。
しかし、逆に、恐怖心を抱くような刺激、ストレスになるような刺激を受け取るとネガティブな感情が大きく引き起こされてしまうのです。
だから、繊細な子は、どんな環境でどんな人に囲まれるかによって感情の持ち方も大きく変わっていくということです。
ネガティブな刺激により感情が良くない方向へ偏ってしまっている場合、「人っていいもんだよ」「人が嫌いなんて言っちゃダメだよ」と子どもの言葉を否定するような言葉をかけるのはNGです。
子どもは、怖い刺激から自分を守るためにバリアを張っているのです。本当に人との関わりがいいものかどうかは、安心できる環境でこれから教えてあげればよいですよね。
また、HSP気質のある子どもは、周囲の状況をインプットする力が強いものの、自分が感じた気持ちをアウトプットすることが苦手です。感情を言葉でアウトプットするのは、ハードルが高いのです。
アウトプットする力を高めてあげることで自分の気持ちに気づき、客観的に自分を見ることができると心のバランスがとれるようになっていきます。
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2.子どもが「人嫌い」になってしまったら?
我が家の小学5年生の娘は、人からどう思われているかとても気にしたり、相手が不快にならないように気を配って行動したりという、HSPの特徴を持っています。
小さな頃から人見知りがあったものの、ありがたいことに、いつも周りの子たちが「遊ぼう!友達になろう!」と言ってくれたおかげで、友達ができないということはありませんでした。
自分から友達に積極的に近づくわけではないけど、誘ってくれたら機嫌よく遊ぶという感じでした。
しかし、コロナが流行し始めた頃から、娘の友だちや周りの人に対しての認識が変わり始めました。
「人嫌い」
「人がいっぱいだと怖い」
「一人でいい」
「おウチがいい」
「家族がいればいい」
「私は腹黒い」
等と、一気に人嫌いが加速し、そんな自分を否定し、自己肯定感も低くなっていきました。
そのため、一時期は学校に行けなくなり、行けるようになった後も学校以外の場所へ外出するのは嫌がり、友達に遊びに誘われても断り、習い事の先生に対しても信頼できなくなってしまいました…
私の中で、HSPの気質がある人のイメージは、「感受性が強くて周りの人に優しい心を持ち接するために疲れやすい人」というものでした。
そのため、「人嫌い!!」と言う娘にショックを受けてしまいました。
最初は、コロナが収束すれば治るだろうと思っていたものの、withコロナの風潮になってきても依然として変わらない「人嫌い」。
最初は「コロナにかかったら怖いから人には会いたくない」という気持ちが原因だったのに、いつの間にか「人=嫌い」になってしまった娘に心配は募っていきました。
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3.心を癒やす会話で言葉のアウトプットを増やそう!
人嫌いになってしまった子どもが、自信を持って人と関われるようになるために実践してほしいこと。
大人のHSPのための情報では、無理をしない、好きなことをする、ストレスを貯めないなど、様々な方法が発信されています。
子どもにも実践してほしい方法ではありますが、それでは根本的な解決にはなりにくいです。子どもの時期だからこそ、早めに対策して欲しいこと。
それは、言葉でアウトプットして、自分の考え方に気づくきっかけを与えることです。
最終的には、人付き合いで感じたことを言葉で表現できるようになるといいのですが、いきなり「人が嫌いってどんな気持ち?」と聞いても、子どもはなかなかうまく表現することができません。
また、HSP気質のある子どもは、ショックが大きかった体験をしたことで考え方の歪みが出ていることもあります。
まずは、自分がどんな場面でどんな感情を抱くかを気づくことで、自分と感情を分けてとらえられるようになり楽になります。
そのため、子どもが嬉しいと思う場面、悲しいと思う場面で、そのときの感情や思考をお母さんが代弁してあげたり引き出してあげましょう。
発達科学コミュニケーションの基礎講座で習った対応をご紹介します。
子どもが自分の気持ちを出すためには、大人側がしっかり受容して理解し、共感することが必要です。子どもが自分の気持を安心して吐き出すことができると、冷静に自分を見つめ立ち向かう心が芽生えていきます。
共感した後に、お母さんの考えを押し付けずにポツンっと言ってみるのもオススメです。
我が家では、こんな風に会話しています。
娘「〜行くのは嫌だ。人がたくさんいるもん。」
母「そっかそっか、なんでたくさんいると嫌なのかな?」
娘「たくさんいると怖いから」
母「怖いんだね〜、怖いところは行きたくないと思うよね。わかったよ」
娘「この服じゃ今日行けない!ダサいと思われそう」
母「行けないか〜」
娘「みんな見てるんだよ」
母「お母さんは人の服を見てもおしゃれだなーと思うくらいだよ。この人ださーい!とか思わないよ。」
娘「いや、思うでしょ…あ、私が人を見すぎているのかも。え?みんな思わないの!?」
娘「友達に遊ぼうって誘われたけど行きたくない」
母「行きたくないなら行かなくていいと思うよ。なんで行きたくない?」
娘「クラスの人何人も来るみたいだから。休みの日なのに疲れるよ。」
母「そうだねぇ。何人なら遊びやすい?」
娘「2人だと会話が止まると気まずいから、3人がいい!」
母「そうなんだ!自分で丁度いい具合わかっていいね。」
等という感じで、何度も何度も子どもの意見を受け止めながら、少しずつ人が嫌な理由を引き出してあげたり、どこまでがOKなのか確認していきました。話していくうちに、自分で自分の考え方の歪みに気づいていったり許容範囲を理解していきました。
ただし、あまりに不安が強い時に聞くと、拒否されてしまうかもしれません。その場合は、「あの時、どうだった?」と機嫌の良い時に振り返って会話ができるといいですね。
自分はこう思うけど、周りの人はそうとは限らない
周りの人は、自分を攻撃してくるわけではない
自分はこのくらいだと安心
いろんな考え方があっていいんだ
こう捉えられるようになってくると、だんだん人への嫌悪感も和らいでいきます。
コロナをきっかけに人が大嫌いになった娘も、先日は友達とショッピングモールに遊びに出かけたり、習い事の先生を信頼して質問をしに行ったりするようになりました!
「友達と出かけられるようになったね!」
「お友達のおかげで〇〇ちゃんの行動力アップしたね!」
と、人との関わりで成長できたことをすかさずインプット!
人嫌いを少しずつ克服し、友達や先生と楽に関われるようになってきたことで、娘も自信がついてきたようです。
これから新学期を迎えるにあたって、新しい環境、慣れないクラスで過ごすことで、繊細な子ども達は人とのコミュニケーションが嫌だ!と思ってしまうこともあるかもしれません。
そんな時には、慌てずに、一旦子どもの気持ちを受け止め、子どもの感情を整理する会話で、安心させてあげましょうね。
執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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