発達障害の子どもがお友だち付き合いをレベルアップするためのホームカウンセリング!

発達障害のお子さんは、高学年になるとお友だちとのトラブルを起こしがち。お友だちが少ないな、と思ったら「空気が読めない」「マイペース」などの特徴からお友だちとうまくいっていない可能性が。おうちでのサポートでお友だち付き合いが上達しますよ!

1.お友だちとうまくいっていない?発達障害の子どもがお友だち付き合いにつまづいているときのサイン!

新学期を迎え、お子さんがクラスに馴染めたか、お友だちができたか心配ですよね。あれ、そういえばクラス替えがあったけど、お友だちの話が出てこないな、というお母さんはいませんか?

もしかしたら、お友だちがなかなかできないサインかもしれません。

発達障害のお子さんはいろいろな特性のせいでお友だち付き合いがあまり上手でないことがあるんです。だから新しい環境に入った新学期は特に気にかけてあげる必要があります。

これまでも何かと学校からトラブルの連絡があり、その都度対応してきたお母さんにとっては、年を経るごとに自然とお友だち付き合いが上達すると信じたい気持ちですよね。

でも、放っておいても解決するものじゃないんです。脳の発達が未熟な部分はトレーニングをしないと自然と改善されることは期待できません。

一緒に学校に行って付き合い方を教えることはできないし、そもそもどこでつまづいているか分からない。では、どうやってお友だち付き合いを改善させてあげられるのでしょう。

それにはまず、トラブルの原因になっているお子さんの特性と向き合う必要があります。どんな特性か気になりますよね?

お子さんの特徴と一緒に、お友だちとのトラブルで起こりやすいものを次に挙げます。

・ADHDタイプ…衝動的で思ったことがつい口に出てしまうタイプ。そのため、口や手が出てトラブルに発展しやすいタイプ

・ASDタイプ…こだわりやマイルールが強く、自分の話したいことばかりを話したり、空気が読めない発言をしたりするタイプ。

大きく分けるとこのような特徴があります。では実際にどんなトラブルが起きるのでしょうか?

2.発達障害の子どもの特徴で分かる、トラブルの原因!

このようなお子さんの特徴で、少しずつ対応が変わってきます。

我が家の場合は、ADHDとASDの特性をあわせ持つIQ高めの中学男子です。知覚推理が弱く視覚からの情報、つまり人の顔色を見て判断したり、空気を読むのが苦手なタイプでした。お友だちのことは大好きなのですが、自分の好きなことについての話を好み、一人でいても平気なタイプです。

・一方的な話ばかりでみんなの輪を乱す

・なんだか威張っているのでみんなの不満を買う

・女の子への距離が近い

小学生のころから時々このようなトラブルの電話はかかっていたのですが、本人の主張も聞けば分かるし、一方で学校からの報告に内容は全体像がつかみにくいもので、何がどう悪いのか判断できずにいました。

なので当然、どう対応したらいいのかわかりませんでした。本人はまんべんなくお友だちと接することはできていましたし、特定のお友だちがいなくても平気そうに見えました。

ですが、中学生になりだんだんと「お友だちと仲良くなりたい」という気持ちが垣間見えるようになり、私もどうにかそれをかなえてあげたい気持ちになりました。

私が家で取り組んだのは次のようなことでした。

3.ホームカウンセリングが助ける自分の感情の理解と観察眼!

私と息子の場合、発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)親子の信頼関係を取りもどしていたので、学校での相談をしてくれるようになっていました。

まず人の感情を理解することの基盤となるのは、自分の感情を理解することです。自分の感情を理解するおかげで、自律性が高く、自分の限界を知り、健全な心理状態を保つことができると言われています。

私は、自分の感情を理解するために、「感情」と「言葉」をセットにして会話の中で伝えることにしました。そうすることで自分の感情にも関心が向き、少しづつ体調の変化や気持ちを口にするようになりました。

「今日は疲れたから、本当はボクシングに行きたいけどお休みするよ。」

「昨日はこんなことがあって面白かった。」

などこれまで学校のことを自分から話すことがなかった息子が、感情を交えて伝えてくれるようになりました。

自分の感情を理解するということは、相手にもそのような感情があると知ることでもあります。ですので、相手に思いをはせる言動が増えました。

お友だちの気持ちに思いをはせることはできてきましたが、その気持ちを推し量るための視覚情報を理解する力はまだこれからの課題でした。

ですが、取りもどしていた親子の信頼関係があったので、本人も学校でお友だちとの間であった疑問を「なんで顔が凍り付いたんだと思う?」と相談してきました。お友だちの表情が凍り付いたことまでは把握できたようでした。

そこは大いに認めた後、その時の状況をよく聞き、「こうだったからじゃない?」と見解を伝えました。それを聞いて、「そう思っていたんだ」とあらためて理解できたようでした。

このことがあってから、困ったときは、お友だちと会話するときは、言葉そのものと一緒に声色や表情を合わせて見ることを提案しました。聴覚からの理解はスムーズなタイプでしたので、言葉と声色と表情をセットで、情報として取り込むようにしたのです。

そうすることで、少しずつ関係を改善できたのでしょう。息子の悩みは減り、お友だち付き合いも良好になっていきました。今では、週末にお友だちと出かけることもあるほどです。

おうちでのコミュニケーションが成功体験となり、お友だちとの関係も良くなるなんて、やってみない手はありませんよね?

是非おうちで、お友だち付き合いを良好にするサポートをやってみてくださいね。

執筆者:大下真世
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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