小学生の勉強の意外な盲点!勉強についていけない女の子は得意不得意を見極めて教え方を変えよう!

小学生のお子さんが勉強についていけていないときに、親が教えてあげる機会はとても多いです。子どもが勉強を理解できないのは教え方に問題があるかもしれません。子どもの理解や記憶の仕方に合った教え方のコツをお伝えします!

1.小学生の勉強についていけない子どもに親がやりがちな対応

小学生の子どもが勉強についていけないと感じて悩んでいませんか?

親としては、子どもが学校での勉強についていけるようにサポートしたいと思うのに、うまくいかなくて子どもが怒り出したり言い合いになってしまうと疲れてしまいますよね。

子どもの勉強の苦手を解決してあげようと考えた時に、親がやりがちな対応があります。

それは、親の思い込みでよかれと思ったサポートをしてしまうこと。

例えば、苦手なことを簡単に覚えることができるように、ポスターなどにして見えやすいところに貼る方法があります。「貼り勉」とも呼ばれ、大人でも忘れたくないことをメモして常に目につくところに貼ることがありますよね。

これは、興味のあることや、本人が覚えたい!と意識していれば見て記憶にインプットする機会が増えるほど記憶が定着していきますが、本人が「覚えたくない」と思っている場合は見ることをしないので効果がないのです。

また、情報を記憶したり理解する方法は「見る」だけではありません。「聞いて」覚える、「体を動かして」覚えるという方法もあります。

小さな頃、アンパンマンや機関車トーマスなどのキャラクター名をポスターや絵本を見て、たくさん覚えることができたようなお子さんは、「見て」覚えることが得意なタイプ。

一方で、歌を聞いてすぐ覚えて歌えるようになったり、ダンスを真似してすぐに覚えることができるようなお子さんは、「見て」覚える力よりも「聞いて」覚える力、「体を動かして」覚える力が強いタイプです。

最初に挙げた貼り勉は、見て覚える力の弱い子にはあまり効果を発揮しません。

「ほら!毎日目につくんだから少しは覚えるでしょ?」

と言っても、子どもにとっては興味のない紙は何も貼っていない壁と同じ…まったく注意がむかないのです。

お母さんが、自分はこうすれば勉強がはかどったんだ、という経験があるとそれを子どもにもしてあげたくなってしまいますよね。「こうすればわかるようになる!」と思い込んでいると、なかなか間違いに気づくことができないため要注意です。

理解の仕方、記憶の仕方には人それぞれ得意なスタイルがあるのです。

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2.聞く力が強い子に「ちゃんと見てごらん、読んでごらん!」は無意味!?

我が家の娘が小学5年生の頃、算数の問題に手こずっていました。

娘は、HSC(人一倍敏感な子)の傾向があり、わからないことがあると不安が高まりイライラしてしまうことがあります。

公倍数、公約数、最小公倍数、最小公約数、割合などなど…ただの計算ではなく、意味合いを理解して、解き方を覚えて、答えを導き出さなくてはいけない問題が増えていき、どんどんわからない状態に…

「わからない!」

という娘に、「見ててね」と言って私が問題に書き込みながら解説してもイライラしていて聞く姿勢がすでにない様子。無理に教えても喧嘩になりそうだったのでわかりやすい参考書の説明を見せて、「よく読んでごらん」と伝えても、「無理ー!」との返事。

例題をホワイトボードに書き、目につくところに置いておいても全然見てくれていない!

子どもの勉強をわかりやすく解説しているYouTuberさんの動画を見よう!と誘っても、違うタブレットで自分の好きなYou Tubeを見ながらで、全く勉強動画を見てくれない!

そんなとき、発達科学コミュニケーションの上級講座の勉強会に参加し、あるトレーナーさんのレポート発表を聞いて、「あ!そうか!」と娘への勉強の教え方が間違っていたことに気が付きました。

それは、「女の子は見る力よりも聞く力が強い場合が多い」というお話でした。

我が家は、娘の3才上にお兄ちゃんがいます。お兄ちゃんは聞くより見る力がとても強く、私はお兄ちゃんが小さい頃から絵本や図鑑、ポスターなどたくさん見るものを子どもたちに与えていました。

それでぐんぐんお兄ちゃんは好きなことを覚えていましたが、娘は自分で本を読むようにはならず、代わりに歌を歌うことや音楽を聞くことが好きな子でした。

長男であるお兄ちゃんの子育て経験がすっかり染み付いていた私は、その方法を娘にもあてはめようとしてうまくいっていなかったのです。

「うまく勉強を教えられられない原因は、ちゃんと娘を観察できていなかったからだったんだー」と気が付きました。

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3.得意な力を使えば苦手も伸びていく勉強法

算数の概念的な単元を理解することが難しくなっていた娘に、苦手な見る力を使って勉強を教えることは良くなかったと反省し、娘への声のかけ方を変えてみることにしました。

「よく見てごらん、よく読んでごらん」と言う代わりに、

「よく聞いていてね」と言うように変えたのです。

まず、YouTuberさんがわかりやすく算数を教えている動画を私がざっと見て、伝え方をなんとなく覚え、その後で娘にわからない問題を聞かれたら、

「ちょっと説明するから聞いていてね」と言うようにしました。

「聞く」ということが本人にとって負担を感じることではなかったのでしょう。「見て」というよりも怒らず聞いてくれるようになりました。

少しでも聞いてくれたら「〇〇ちゃんは耳がいいから聞いて理解できるんだよね!」と伝えました。

ちょっと少し言葉を変えるだけで、娘の勉強する意識が変わり、次第に一人でYou Tubeの解説を視聴して理解できるようになりました。

じゃあ、見る力は鍛えられずにそのままなの?と気になる方もいらっしゃるでしょうか?実は、聞くと同時に見るという行動もしているので、聞く力に引っ張られて見る力も伸びるんです!

今では、You Tubeの動画を再生しなくても、自分で参考書を開いて解説を読み調べることができるようになりました。

そして、わからなくて怒っていた単元も苦手意識は残っていますが、だいたい理解することはできるようになり、今ではテスト前にはしっかり苦手なところを復習し高得点をとってくるようになりました。

苦手な勉強を得意な力を使って「わかった」体験を積み重ねていくことで、「やればできるんだ」という自信になります。

子どもが「わかる」教え方は、常識やお母さんの経験ではなく、子どものいつもの過ごし方にヒントが隠されています。

ぜひ、子どもの遊ぶ様子をよく観察して、この子は「見る」「聞く」「動く」どれが得意かな?と考えてみてくださいね。

執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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