集中して物事に取り組もうとしていてもすぐに「疲れた」と言ってやめてしまう発達障害の思春期のお子さんに悩んでいませんか?もしお子さんが歌うことが好きなら、カラオケを活用してみてください。集中力の土台を作ることができますよ。
1.思春期中学生になっても集中力がアップしていかないのはなぜ?
何かに取り組み出してもすぐに「疲れた〜」と言って、休憩するかもしくはやめてしまう。そんな様子はありませんか?
「さっきやり始めたばっかりで、どうしてすぐに疲れるのよ!」
「やりたくないものでもやらないといけない時があるんだから頑張らないと!」
「勉強に集中できなくてどうするの!」
とついお説教してしまう。
中学生になれば勉強に本腰入れて頑張ってくれると思っていたら、全く逆でなかなか集中して物事に取り組んでくれない。だからその姿を見てついイライラして怒ってしまう。そんなふうな対応をしてしまうお母さんは少なくないと思います。
我が家の思春期の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)の不注意傾向が強くあります。
授業中、集中力が続かずぼーっとしたり、疲れた態度をとることが多いのでよく先生に怒られていました。
その様子は授業参観で確認することができました。机に寝そべってしまう、座っていてもどこか違うところを向いている、先生から指摘されていた光景でした。
「他の子どもたちは先生の方を向いて授業を聞いているのに、どうしてうちの子だけ集中して授業が聞けないのかしら」
と参観中息子と目が合うたびに、私は怒った顔で前を向くようにジェスチャーをして伝えていました。
「授業の最初は聞くけど、ぼーとしてしまった後に授業を聞くと全くわからなくなってるから聞けなくなるんだ」と息子は言います。
しかし、発達のことがわかってくると、この一見怠けているように見えているのは、脳のワーキングメモリが弱いことが原因だと理解できるようになりました。
子育てでの子どもの集中力が続かない問題ですが、発達障害の子の場合、脳の特性がからんでいます。
お説教しても集中力がアップすることはありません。
そこで、少し視点を変えて楽しく脳を発達させることで集中力を伸ばしていけたらいいと思いませんか?
我が家が発達凸凹の息子の集中力をアップするために取り組んだ方法をお伝えします。
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2.発達障害の特性を理解すると集中力がない理由がわかる
ワーキングメモリが弱い発達障害の子どもは、今やることなど一時的な作業を記憶することが苦手だったり、短期記憶した情報を捨てる働きが低く活動の切り替えが苦手な傾向があります。
学校の場合だと先生の話を聞いてノートにメモすることに困難があったり、周りの音や動きに簡単に反応してしまうため、気が散りやすい様子や行動になって現れてきます。
その結果、学校では怠けていると捉えられたり、子どもが勉強に対して苦手意識を持つことでますます集中して取り組む意欲がなくなります。
授業参観で私の方ばかり見てしまうのは、どうしても気が散ってしまうということだったのです。
苦手意識が定着するとやる気もなくなり集中力も下がります。そうなると脳全体の活動量が減り、いつまでも状況がよくならないことになってしまいます。
子どもの集中力をアップさせるにまずは「あなたは集中して取り組めている」「集中して取り組むことができる人」と自信をもたせてあげることが大切です。
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3.我が家が取り組んだカラオケ大作戦
集中力をアップするにはまずは脳の活動量をあげていくことが発達のサポートには欠かせません。
そこで、息子が楽しく集中し続けて行動できるものは何かと考えました。
息子は歌うのが好きで、スマホのカラオケアプリで自宅で大声で歌っていました。ならばカラオケボックスなら歌いたい曲を思いっきり歌える、採点することでもっと上手になりたいと意欲が出る、気が散ることもないので集中して取り組むのではないかと思い連れていきました。
何時間でも好きなだけ歌っていいよと伝えましたが、最初は2時間も部屋に居続けることもできず、歌う回数も5回も歌えませんでした。すぐ疲れたと言ってソファに寝そべってしまいました。
カラオケボックスでは自分で機械を操作して曲をリクエストする、自分の番がきたらマイクを持って歌う。歌詞を覚えていないから、画面を見続けないといけない。息子にとっては集中するところがたくさん。
何度も連れて行ってあげるよということで1回目は終了。
「俺、カラオケする体力なさすぎるよなー。歌もしっかり覚えて歌えるようにしたい」とネガティブにならずに前向きに捉えてくれました。
それから頻繁に家族でカラオケボックスへいくことになりました。行くたびにどんどん利用時間が長くなり、今では6時間過ごすこともあります。機械操作も覚え、歌の歌詞を見ながら歌い続ける集中力もついてきました。
歌い続けられる集中力がつくように息子に伝えた声かけはこちらです。
息子にとって、前回歌うのがぎこちなかった曲を歌えるようになった時には「前より上手に歌えるようになったね〜」としみじみ褒めたり、「前に来たときは3時間で終わったけど、今日はどうする?延長してもう少し歌う?」と声をかけ、もう少し歌いたいと言った時は「おお!まだまだ歌えるんだね〜」と驚いたように伝えました。
何時間カラオケボックスにいたのか、採点マシーンで点数がアップしたなど、自分で成長を自覚できるので、少しずつへこたれずにできるようになったことが自信になっていきました。
カラオケで集中する時間が長くなってきた息子は家で宿題をするときも、以前に比べて椅子に座り続ける時間が長くなり、取り組める量も増えてきました。
楽しい経験から、「自分は長く集中することができるんだ」と思うことができ、少しずつ自信につながっていきました。
お子さんが歌が好きならぜひ試してみてください
執筆者:中曽根里美
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
発達凸凹キッズを楽しく発達させていく声かけをお伝えしています。