1.不登校の子がゲームをやめられない理由
不登校の子どものゲームがやめられない問題に悩んでいませんか?
最近はゲーム・動画はかならずしも悪じゃないという意見も見られてきましたよね。わたしもそれには同感です。でもそればかりで「食事や睡眠までけずるのは、ちょっとな。」「健康面も心配だし、本当にそれでいいのかな。」とお悩みのママも多いのではないでしょうか?
なぜ不登校児はゲームにはまり、切り替えができずにやめられなくなるのでしょうか?
まず前提として、個人差はありますが「切り替えるチカラ」がつくのは9歳±1歳程度です。きちんと身につくのは中学生くらい。それまでは「切り替え」は基本的にサポートする必要があります。
そのうえで、不登校の子どもは、学校に行けないことで自己肯定感が下がっています。ゲームの世界は対人関係のような複雑な対応が必要なく、ラクで、楽しい世界です。そのため誰にも否定されない、自分らしく過ごせる「子どもの居場所」になっているのですね。
さらに、みんなが学校に行っている時間は忘れたい時間帯のため、現実逃避した先が、ゲームの世界ということにもなるのです。
そして、これに発達の特性が加わると、ますますゲームからの切り替えが難しくなります。
注意欠如・多動症(ADHD)グレーゾーンの子は好きなことに集中しすぎるという面があります。さらには感情のコントロールが苦手で、ゲーム熱をスッと冷ますことができません。また時間の感覚が希薄だったり、聞く力が弱く指示が伝わっていない可能性もあります。
そのほかにも、ゲーム以外の楽しみがないとか、単純にゲームの切りが悪い(バトルの途中でセーブが出来ない、オンラインでお友達とやっていて抜けられないなど)といった単純な理由も考えられます。
いずれにしても、ゲームの世界は不登校児や発達障害グレーゾーンの子どもたちにとって、なかなかやめるのが難しいものなのです。
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2.わが家の小3で不登校児になった次女の話
わが家の小学4年生の次女は、ADHDグレーゾーンです。小学3年生の夏休み明けに不登校になりました。
不登校になりたての頃は大変不安が強く、トイレに行くことやお風呂に入ることも怖がっていました。はじめはゲームの時間制限を設けており、すごろくをしたり、公園でバドミントンをしたりとできるだけ相手をするようにしていましたが、まだ3歳の息子もいたため、毎日毎日ずっと相手をするわけにもいきませんでした。不安がなく、一人でもできるものがゲームだったのです。
発達科学コミュニケーションを学び、子どもの行動を認めてあげる声掛けが良いと学んだわたしは、ゲームのルールを『19時までに終える』というものだけにしました。
肯定の声掛けで少しずつ不安は落ち着いていきましたが、このころには元々好きだったこともあり、ゲームがなかなかやめられなくなりました。
19時なんて約束は守られることがほとんどありません。
あまり言いすぎも良くないと思いほうっておくと、ひどいときには夕食も食べずに夜中の1時、2時までゲームをし続けることがあったのです。
さすがにこれでいいのか?一日中ゲームをしているのに、明日もゲームができるのに、なんでここまでやめられないのか?と健康面も心配になり、私のこころの中に不安や不満が出てきました。
ついイライラして、部屋から降りてきた娘に「なんで?明日もいくらでもできるじゃん。ゲームしかやってないのに。」と皮肉を言ってしまったりしていました。
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3.救世主になった!発達科学コミュニケーションの指示出しテクニック!
そんな中、わたしの救世主になったのが発達科学コミュニケーションの指示出しのテクニックです。「これだ!」とばかりに早速実践!そうすると、やめられる日が増えてきたのです。
その方法は以下の通りです。
①まずゲームの話を一緒に楽しくするなどして、肯定します。
「今日は何のゲームをしてるの?」「どんなものが出来たの?」「面白そうなのやってるね!お母さんにも教えて!」など、関心を示す声掛けが有効です。
こうすることで、子どもの脳にママの指示を届けやすくなります。
②次に予告をします。
「あと10分でおわりの時間だよ」「これ一回やったら終わろうか」「あと30秒でおわれるかな~?」などです。
時間感覚が希薄な子にも指示が通りやすくなります。
③時間が来て、それでもやめられなかったら、「終わる時間だよ」という指示を同じトーンで繰り返します。
これは子どもは聞いているようで実は脳に届いてないことがあるからです。
繰り返す際には、笑顔で、ゆっくり間をとって、優しい声で伝える事がポイントです。イライラしたり怒った態度で伝えると、子どもをネガティブな感情にさせ、指示が届かなくなってしまうからです。
④ゲームを終わろうとしたら、すかさず肯定。
「終われたね」の一言、OKやグッジョブサインでもかまいません。成功体験としていい記憶を残すようにします。
わが家の娘は、この対応を繰り返すうちに「時間だよ」の一言でゲームを自らやめられる日が増えてきました!
どうですか?この指示出しのテクニックを使って我が子の切り変えるチカラを上手にサポートしてみませんか?うまくいく日も行かない日もあるかもしれませんが、一喜一憂せずに気長に取り組めば、きっとお母さんの声かけひとつでゲームから切り替えるチカラがついてきますよ!
執筆者:小林ほなみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
▼不登校児のゲームとの付き合い方が分かります!