発達グレーゾーン高校生が長期休みも元気に早起き習慣を叶えたママの非常識なサポート

長期休み、なかなか起きてこない発達障害グレーゾーンのお子さんにママがイライラしていませんか?特に思春期は体内時計の睡眠ホルモンに影響することもあり、休み明けの学校生活も心配になりますよね。高校生でもできる早起きサポートについてお伝えします。

1.長期休みの生活リズムにイライラ!

ゆとりをもって過ごせる長期休暇は、お母さんとしては、休みの日くらいゆっくりさせてあげたい。

けれど、新学期を考えると生活リズムが心配になって、なかなか起きてこないお子さんに、イライラしてしまうことはありませんか?

我が家には発達障害グレーゾーンの現在高校二年生の息子がいます。

中学生から、朝になると腹痛を訴えて、遅刻や欠席が増えてきました。

原因としては中学校生活で

「朝、早起きをしなければならない」

「見通しを立てて行動しなければならない」

「興味がなくてもやらなければならない」

「大量にある課題の提出」

などいくつもの苦手を抱えたことによるストレスが考えられました。

息子は、好きなことをして過ごすことができる長期休みには、腹痛を訴えることはなく、体調は良いのです。

しかし新学期になると一気にストレスがかかり、腹痛を訴えて、遅刻や欠席が続くことが悩みでした。
高校生になっても状況は変わりませんでした。

様子を見ていると、学校がある日は早起きが苦手な息子ですが、自分の予定(楽しみ)があると早起きして元気に出かけて行くのです。

私は
『息子は“起きられない”ことに困ってはいなかったんだ』

『息子は、朝起きられないのではなく、早起きの必要性を感じていない』
と気づきました。

これまでは、長期休み中はゆっくりさせてあげようと、昼過ぎまで寝ていてもそっとしておきましたが…

苦手のうちの一つ『早起き』に着目して、高校二年生になる春休み、生活リズムを大きく崩さずに過ごして、新学期にかかる体のストレスが少なくてすむようにサポートをしてあげたいと思いました。

でも、起きる必要性を感じていない息子には、夜には「早く寝ないと、朝起きれないよ」と何度言ってもどう伝えても長期休みの生活リズムを整える大切さが伝わらず、朝には大きな声で「起きなさい!」とイライラ。

もどかしい思いを抱えていました。

そこで、私は、大人の常識の範囲で考えずに、どうして起きないのかというところから考えてみることにしました。

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2.思春期の発達凸凹キッズはが起きられないのは自律神経や特性の問題だった!

高校生の発達障害グレーゾーンの子どもたちが朝起きれないのは、思春期特有の自律神経の乱れや、発達障害の特性がからんでいます。

まず、思春期特有の自律神経について。

人が眠くなるのは、朝起きて日光をあびた時間から14〜16時間後といわれます。これは、眠りを誘うメラトニンというホルモンがたくさんでるからです。

小学生までとは違い、中学生や高校生(思春期)は、大人の体への体へむけてホルモンバランスのダイナミックな変化により、自律神経の乱れも引き起こします。

睡眠や覚醒には、自律神経の中でも副交感神経(休息するときに働く)の働きが大きく関わっています。

自律神経の乱れによって夜なかなか眠れなくなってしまうということが起こります。

発達障害グレーゾーンのお子さんは、小さな頃から睡眠導入や覚醒リズム自体に課題があって、寝ることや起きることに時間がかかることも多いと言われています 。

次に、発達障害の特性についてです。

発達グレーソーンの子は、さまざまな理由からゲームに没頭しすぎてしまうことがあります。

楽しいゲームに集中しすぎて切り替えができなかったり 明日のことを考えて見通しを立てた行動ができなかったり 、次の日の学校の不安をゲームで紛らわせるなど。

ゲームやYouTubeなど、子どもの大好きなデジタル機器の液晶画面の光には、ブルーライトという青くて強い光が多く含まれているものがあります。  

ブルーライトなど強い光を浴びると、睡眠を促すメラトニンというホルモンが出にくくなり、体内時計のリズムが後ろにズレてなかなか眠れなくなります。

こんな理由で夜早めに寝ることができなくなっている発達障害グレーゾーンの子は、学校がある日はいつも相当頑張って早起きしていることが多いんです。

いつも頑張っているから、休日くらいはゆっくりさせてあげたいと思いますが、長期休み明けのことを考えると、できるだけ生活リズムを整えてあげたいですよね。

でも、 朝、一生懸命起こそうと思って、お母さんがイライラした様子で大きな声で起こすと、子どもは起きることが嫌な記憶として残ります。

イライラした大きな声を聞いただけで、起きたくなくなってしまうこともあるくらいです。

そして、子どもは、大人よりも目や耳からの情報が早く入り、言葉による情報はより遅く脳に届くと言われています。

子どもは、言われていることより、雰囲気をよく感じ取るのです。

思春期・中学生・高校生、いくつになっても、子どもはお母さんがニコニコ笑顔でいると嬉しいものです。

なおさら、お母さんの朝の雰囲気を見直したいですよね。

これらのことをふまえて、我が家では非常識なサポートを行い、改善することができました。次に我が家の実践例を含めてお伝えします!

3.生活リズムを整えるために必要な非常識なサポート

楽しみのために早起きできるのは、大人も子どもも一緒ですね。

楽しみなことのために早起きできるのであれば、朝早くに楽しみを作ればいいのです!

ここでは、大人の常識の範囲で考えずに、「子どもの好き!楽しい!」を否定しないことがコツです。

息子にとっての楽しみ、それは、ネットワークに繋いでゲームをすることでした。

そこで我が家では、ネットワークが使える時間を朝6時から夜22時までに変えることにしたのです。

それまでは、ゲームは学校から帰宅する15時から22時までと厳しく言っていました。

・学校を休んだ日にゲームをして楽しく過ごして欲しくない
・せっかくの休日に朝からゲームをする息子の姿を見たくない
・ゲームを優先して日中に家族と外出しなくなるのでは

という理由からでした。

大人にとっては、朝からゲームOKなんて、非常識なサポートでした。

私のゲームへの見方を変えて、ゲームを活用して朝の早起きをサポートすることにしたのです。

ここでは、大人の常識の範囲で考えずに、「子どもの好き」を否定しないことがコツです。

起きてすぐにゲーム、パジャマのままゲーム、ご飯を食べなくてゲームをしても、まずは起きてきたことを肯定しました。

「いつもより早く起きたね」
「春休みも早起きだね」
「今日は、起きてくる足音が元気だね」

ゲームのきりがつきそうなタイミングで、朝食に誘い「一緒にご飯たべられて嬉しい」など、嬉しい感情も伝えていきます。

できるだけ笑顔で雰囲気良く、を心がけました。

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4.春休みも早起き習慣を手に入れられた

サポートを続けていくと、大声でいくら起こしても起きなかった息子が毎朝6時に起きてくるようになりました。

「起きれたね」と行動に注目して肯定の言葉をかけることで、早起きすることはいい記憶として息子の中に残り、嫌な記憶だった「起きること」が良い記憶に上書きされたのです。

私は、なぜ、早起きが続けられるようになったのかな?と思って「どうやって、早起きしているの?」と聞いてみました。

息子は「起きれるように23時ごろには寝てる」と言ったのです。

この答えを聞いて、ハッと気づかされました。

起きたい気持ちがあれば、どうやって早起きするかを子ども自身が考え始めます。

大人が代わりに考えるのをやめて、子どもに合った環境を整えると、子どもは自分で考えて行動することができるようになるんですね。

子育てでは、よく「どうしたらいいの?」と壁にあたることがありますが、その答えはいつも子どもの中にあったのです。

いかがでしたか?

発達障害グレーゾーン高校生の生活リズムを整えるためのサポートは、大人の非常識を受け入れることでした。

お母さんが子どもがワクワクすること、楽しいと思うことを見つけて、子どもの力を伸ばしてあげたいですね。

執筆者:佐藤かおり
(発達科学コミニュケーションリサーチャー)

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