スマホを取り上げるのは逆効果‼︎スマホを使いこなす未来の子どものスキルが伸びる方法とは

ヒマさえあればスマホでゲームや動画…「いい加減にしなさい!」とスマホを取り上げたり、罰を与えたりしていませんか?それ、発達障害の子どもには逆効果なのでやめましょう!お母さんが逆転の発想で声かけするとスマホと上手につき合えるようになりますよ。

1.スマホのやりすぎに、罰や制限を与えていませんか?

お家でのお子さんの過ごし方で、スマホや動画、ゲームのやりすぎが気になるお母さんが多いのではないでしょうか?

「まったく、スマホばかりして…。やめさせないと!」と思ってしまいますよね。

でも、ガミガミ言い続けてばかりいると発達障害の子どもには悪影響を及ぼすばかりでなく、親子バトルもなくなりません!

過去、我が家の息子も中学校に入学し、スマホにどっぷりハマりました。

放っておけば無制限にやっていたので次第に制限を厳しくし、スマホを隠したり、取り上げたりする対応をしていました。

結果どうなったかというと…

息子はすごく荒れました

スマホを隠してある部屋はカギが付いていたのですが、カギを破壊してでも取り戻そうとするほど、乱暴になっていました。

今でもその部屋のドアノブは取れかかっていますし、壁は凹んでいます。

当時の思い出(?)として今も残してあって、今では息子とその壁をみながら「荒れてたねー」と笑いあえる仲になっています。

なぜ、禁止や制限をしたことで息子は荒れてしまったのか、今ならわかります。

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2.スマホを取り上げるだけではやめられない理由

なぜ、スマホを取り上げたり、約束を守れなかったときに罰を与える方法では、子どもがやめることができず荒れてしまうのでしょうか?

それは、認めてもらっている、受け入れてもらっているという感覚が子どもにないからです。

発達障害の子どもは何かにつけてルールを破るので、罰を与えるという方法に私たち親も陥りがちです。

罰を与えることを過剰にやりすぎると、 子どもたちは「認めてもらってない」と感じ、 自己肯定感は低下の一途をたどります。

たとえ、時々は好きなことをやらせてあげたり、欲しいものを買ってあげたり、褒めてあげたりしていたとしても、 発達障害の子どもはネガティブな記憶を優先的に蓄積していきます。

ですから「時々は褒めているんですけどね…」というレベルの対応では発達障害の子どもの自己肯定感は上がらないのです。

さらに、認知(ものの捉え方)に独特の癖があったりもするので

「お母さんは 俺に意地悪ばっかりする」
「嫌がらせでゲームをやらせないんだ」

という、誤った解釈をすることも多くなり、ますますバトルがヒートアップしてしまうのです。

私たち大人は、ついスマホやゲーム、動画を目の敵にしてしまいますが、まずはその発想から変えてみませんか?

3.上手に活用すればスマホは悪ではない!

ではここで、お母さんのスマホへの偏見を変えてみましょう!

我が家には、中1の娘と高1の息子がいますが、 子どもたちの様子を観察していると、スマホをうまく活用しているなと思わされることがあります。

◆友達とつながって勉強、チアの練習

娘は長期休暇中にスマホで友達とつながりながら学校で貸与されているタブレットで宿題をやっていました。

「今、どの問題解いてる?」
「その感想、何文字くらいで書いた?」

と話をしながら仲良く問題を解いていました。

娘はチアダンスをやっていて、新型コロナウィルスの影響でみんなで集まって練習することができない時にもスマホを活用していました。

スマホで動画をつないでみんなで画面に写りながら イチ、ニ、サン、シ、… と声を掛け合って筋トレしている様子を見て、うまく活用しているなと感心させられました。

みんなと繋がって何かを一緒にやる、これもスマホの上手な使い方ですよね。

◆ゲームで友達とコミュニケーション

息子の方がスマホやゲームへのハマり具合は高いのですが、 今はオンラインで繋がるゲームでコミュニケーションを取りながら楽しく遊んでいます。

観察してみてわかったことですが、実はゲームの世界にはゲームの世界なりにきちんとコミュニケーションが成立しているのです!

仲間に助けてもらったら「ありがとう」と言ったり、 「おい、大丈夫か?」と声をかけてもらったり、 連携しながら遊んでいるのです。

全く知らない人と繋がるリスクには注意が必要ですが、知っている友達とつながって交流する、そういう使い方をすれば立派なコミュニケーションツールになります。

ここで、私が以前お会いした不登校の高校生のお話をさせてください。

◆“ゲーム時間が長い=コミュニケーションスキルが低い”ではない

私が不登校の高校生に「日中は何をして過ごしているの? 」と聞いたら、ゲームをしている時間が多いと話してくれました。

じゃあ学校に行っていないから、ゲームばかりしているから、コミュニケーションスキルが低いか、というそんなことは全然ありませんでした。

むしろ驚くほどのコミュニケーションスキル!

大人の私とも楽しく会話をしてくれるし、同じ会場にいた小学生の女の子とも仲良く遊んであげていました。

ゲームも悪くないな、そのとき私はそう思いました。

スマホって悪ですか?
ゲームって悪ですか?
動画って悪ですか?

多分、それ自体は「悪」ではないはずです。 だって私たち大人だって使っていますからね。

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4.〇〇することで、子どもがスマホと上手に付き合えるようになる!

スマホ自体が悪ではないとしても、問題なのはそれを無制限にやってしまったり、他のことがおろそかになること、ですよね?

だったら、まずはゲームやスマホをある程度やらせてあげて、動画も見せてあげて

面白そうだね!
すごいね!
何やってるの?

しっかり認めてあげて欲しいと思います。

時間通りに終わらせる
切り替えをテキパキする
やるべきことをやる

というのは、発達障害の子どもの感情的な脳が興奮していない状態になり「認めてもらっている」という感覚が出てきてから、はじめてできるようになることです。

スマホやゲームを目の敵にしてばかりいるとお母さんも疲れ切ってしまいます。

ですからちょっと肩の力を抜いて、スマホやゲーム、動画の良さに気づくという発想の逆転にチャレンジしてもらいたいと思います。

やめさせようとだけ考えるのではなく、お子さんを認めてあげる声かけを意識してみてください。

これを続けていると、お子さんが自分でやめられるようになったり、成長とともに上手な付き合い方を見つけられるようになるはずです。

子どもは「認めてもらっている」と実感できてはじめて、やるべきことをやるという次のステージに行けます。

まずは日々の会話の中で、お子さんを認めてあげるコミュニケーションを積み重ねていきましょう‼

執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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