発達障害ADHDキッズの困りごとは「叱る」よりも「良いところを引き出す」の視点で上手に落ち着く

時間が守れない、忘れ物が多いなど、困りごとばかりが目立つADHDキッズ。ですが叱るだけでは限界があると感じていませんか。ADHDタイプのお子さんは「叱る」より「良いところを伸ばす」視点で、素直に聞いたり動いたりできるようになりますよ!

1.気づいていないだけ!困った行動で気が付かれないADHDの「良いところ」

とにかく、大人の目につく”行動”の困りごとが多くて、お母さんも学校の先生もヤキモキしてしまうADHDの子育て。

・ 学校から帰っても宿題をやらない
・ ゲームばかりやっている
・ 片付けをしない
・ 時間をみて動けない
・ 学校に行く準備をしない
・ 忘れ物が多い
・ 塾や習い事をサボる
・ ごまかしや嘘が目に付く

「何もしてない」「ちゃんとやらない」そんなお子さんを見て、このまま小学校高学年を迎えて大丈夫かしら?中学生になってやっていけるの?その先の進路は本当に大丈夫?

そんな不安からお子さんについ厳しく言ったり叱ったりしていませんか?

その気持ち痛いほどわかります!本当によくわかります!

ですが、注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもたちにはたくさんの「良いところ」があるのです。こんな魅力に気づいていますか?

・明るい
・人が好き
・ポジティブでエネルギッシュ
・興味のあることにはすごいパワーを発揮する
・優しいところもある

などなど、こうしてみると魅力的な良いところがたくさんあります。

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2.しつけは子どもの良いところを潰す子育てスタイルだった!

我が家のADHD男子(現在高1)も小学校のころは、ルールというルールを無視(友達との約束を守らない、友達のおもちゃを奪ってくる、生き物を大切にしない…)

自分の欲望全開で、やるべきこと、よりもやりたいことを最優先!

学校では先生にいつも注意ばかりされていました。
(授業を聞かない、忘れ物が多い、係の仕事をしない、友達と揉める)

とにかく自由奔放です!

社会とかルールといった枠組みを軽く無視してくるので、私も親としての責任を感じ、厳しく叱る子育てをしていました。

ですが、言っても言っても聞かないし、効かない。

困りごとはエスカレートする一方だったのです。

我が子を思えばこその「叱り」なのに効かないのはなぜでしょう?

それは発達障害グレーゾーンの子どもたちに”しつけ”の子育てが合わないから。

しつけの子育てとは、できなかったことを叱ったり厳しく言ったりして「次は怒られないようにしよう」と思わせて行動を改善させる方法です。

ですが、発達障害やグレーゾーンの子どもたちの「やらない」「できない」は脳の特性(苦手さ)が影響しています。

まだ、部分的に「未熟さ」や「苦手さ」がある状態です。

だから怒っても叱っても本人の意思で行動を変えることが難しいのです。

大事なことなのでもう1回言いますね。

発達障害グレーゾーンの子どもたちにはしつけの子育ては合いません。

3.知ってる?ADHDキッズの発達の特性!

今起きている困りごとだけに注目してしまうと、良いところに気づけなくなっていってしまいます。

そんなときは、まずお子さんの特性を「知る」ことから始めてみましょう。

・ 興味のあることに対してあと先考えずに動いてしまう。
→ 衝動性 という特性
→ 「良さ」に置き換えると「行動のスピードがある」ということ。

・大人の指示を聞き逃す。同じ失敗や忘れ物を繰り返してしまう。
→ 不注意 という特性
→ 「わかりやすい言い方」に変えれば聞くことができる!

・カバンの中がぐちゃぐちゃ。片付けが苦手。
→ 整理整頓が苦手 という特性
→ 持ち物をシンプルにしてあげることで混乱しない。

・ 時間通りに動けない。 計画を立てられない。
→ 見通しを立てるのが苦手 という特性
→ お子さんにあった「時間の長さ」「やることの量」から体験する。

・ 思う通りにならないと衝動的にキレる。 文句を言う、暴れる。
→ 感情のコントロールが苦手 、 衝動性 という特性
→ 一方で、穏やかに過ごせる時は、明るくて優しい性格。

・ 周囲と「解釈」がずれてトラブルになったり、嘘をついていると誤解される。
→ 独特な認知の癖
→ 見るチカラや聞くチカラが育ちやすい「誤解しにくい」やりとりで学ばせよう

・ 45分、60分など長時間の集中力がつづかない。
→ 集中力の問題
→ お子さんの好きなことや、お子さんに合った長さなら、集中だってできるよ!

・ 空気を読まずに友達に突っ込んでいって嫌がられる。
→ 対人スキル・空気を読む力 の苦手さ
→ 「人が好き」の長所を活かして、コミュニケーションを上手に練習させてあげればOK!

などなど。

わざとやっているのではない、特性なんだと知ることで、叱っても効果がないことがわかります。

そしてその特性を「逆転の発想」で、「良いところ」に置き換えてあげること視点のチェンジができると、毎日の声かけがガラッと変わります!

ママの視点の変え方がわかったら、次の子育てステップへ進みましょう。

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4.子どもに合った接し方でADHDの魅力を伸ばそう

お母さんがつい「怒ってしまう」「叱ってしまう」そんなお子さんの行動ですが、「叱ってもだめなんだ…」と気づいたら、発達障害グレーゾーンの子どもたちに合った接し方に変えていくだけでOKなのです。

しかも、それが、発達を促すコミュニケーションになっていれば、困りごとをそのままにすることなくステップを踏んでお子さんを成長させてあげることができます。

例えば、ADHDの子どもたちにはこんな声かけがよく効きます!

宿題をなかなかやらないときは。興味のあることにはものすごいパワーを発揮するという良いところをうまく活用して、「ストップウォッチで計って何分でできるか賭けてみない?お母さんに勝ったらアイスをプレゼント!」こんな声かけをしてみる。

集団で空気を読まずに何かやらかしたときには。「君は友達のことが好きな優しい子なんだよね。わざと嫌がらせているわけじゃないのはわかってるよ!」と子どもに共感し、理解してあげていることを伝えます。

発達障害グレーゾーンのお子さんは「自分のことを理解する」のが苦手な一面も持ち合わせています。

だから、お母さんが自分の「良いところ」言葉にしてくれることで、自己理解の力も育ってきますし、共感や肯定をしてもらえることで自信も育ちます。

そうなると、ただ一方的に否定されたり怒られたりしていたころより、お母さんの指示や注意にも耳を傾けられるように成長していきます。

逆に、子どもが感情的になってしまう声かけは、子どもをイラつかせてしまい、「考える」「守る」などの役割の脳を、上手に使うチャンスを失わせてしまうこともあります。

「叱るだけ」では、実は発達障害グレーゾーンの子どもたちの「学びのチャンス」を失ってしまいやすいんです!

これからやってくる小学校高学年・中学・高校をどう迎えますか?反抗的なお子さんを叱るだけでは、思春期を乗り越えるのは難しいと感じているなら。

発達障害グレーゾーンの子どもたちの将来をつぶす叱り方をやめること、をおすすめします。

ADHDの特性を持つ子どもたちは、スクスク育てばパワーのある元気な子に育っていきます。


好きなことには、ものすごい集中力を発揮します!物怖じせずチャレンジできる強さを持っていますよ。その力、伸ばしてあげましょう!

執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

ADHDの子どもたちの魅力的なところをもっと伸ばしましょう!

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