子どもの不登校に旦那さんの理解がないと感じたら…ママの傾聴力がポイントだった!

子どもが不登校になったとき、不登校に対する夫婦の意見が食い違うととても消耗します。元不登校の女性に自身の小学生の子どもも不登校になったときの、意見の違う旦那さんへの対応方法を聞きました。旦那さんの理解がないと感じる方必見です!

1.子どもが不登校、旦那さんの理解がないと感じる人へ

子どもが不登校になり、お母さんが一生懸命子どもを理解しようとして無理に学校に行かせないように頑張っているのに、夫や祖父母から反対されたり、過度に心配されたりしてまいってしまう…

そんな状況で悩んでいる方いませんか?

お母さん自身も、

「心を壊してまで学校に行かせないほうがいい。」
「でも、このまま不登校になったら将来どうしたらいいのか不安。」

という2つの気持ちの中で揺れつつあるのに、周りからもあれやこれやと心配されたり、学校へ行かせなさいと責められたりすると、苦しくてどうにもならなくなってしまいますよね。

今回お話を伺った鈴木結さんは、小中学校時代不登校を経験されています。結さんの息子さんも、集団での学び方が合わず、小学1年生のときにお友達からのイジメを受けたことをきっかけに学校へ行けなくなり、現在は家庭を中心とした学びのスタイル、ホームスクーリングを選択しています。

自分も不登校だったとなると、息子さんの不登校生活もスムーズに切り替えることができたのかな?と思いますが、そうではなかったそうです。

息子さんの将来を心配する旦那さんとの意見の違いでとても悩んでいました。

今回は、結さんの対応でどのように旦那さんの気持ちが変わっていったのかを伺いたいと思います。

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2.両親の意見が分かれた…学校の辛さがわかる私と、学校の良さがわかる夫

ーーー息子さんが小学1年生で学校へ行けなくなったとき、不登校に対して夫婦で意見が食い違っていたそうですね。結さんの気持ちはどうでしたか?

「私自身が不登校していたので、学校へ行かなきゃいけないと感じているのに、行けなくてつらいという気持ちにとても共感しました。そして、辛い気持ちを抱えた状態の今は行かないほうがいいという確信がありました。」

ーーー結さんも不登校を経験して、お父さんお母さんに学校へ行かないことを受け入れてもらって安心して生活できたのですよね。一方で、旦那さんの気持ちはどうだったんでしょうか?

夫は、楽しく学校生活を送り卒業して社会人になっている人でした。ですから、息子が、運動会とか発表会などの学校でしかできない貴重な体験がすっぽり抜けたまま大人になってしまってはもったいないと言う考え方でした。

私が不登校を経験した上で社会人として生活していることはわかっているけれど、自分の息子が学校へ行かないで大人になることは不安だったのだと思います。」

ーーー自分の息子さんのことと考えると、楽しい思いをして成長してほしいなという気持ちが強かったのでしょうね。

「『自分の息子が不登校である』というような世間体は気にしない人なんです。でも、息子の学校生活という経験の欠落、学校から社会へというルートからはずれてしまう心配があったんですね。」

ーー息子さんは、ご両親の意見が違うという状況を敏感に感じ取って辛い思いをしたということはなかったですか?

「感じて取ってはいたと思います。だからこそ、夫婦の話し合いは、息子が眠ったあとにするようにしていました。

その当時の息子は、学校に行けない自分を責め、更にお父さんから『行けるなら行った方がいいよ』言われて、それに応えられない自分をもっと責める、という状態でした。

そこで、私が『いや今は休むことが大切なんだよ』と反対意見を口にしたら、息子は混乱する上に、『自分のせいで両親の意見が食い違っている』と感じて、余計に辛くなるだろうと思い口を挟まないようにしていました。」

ーーー息子さんが旦那さんに「学校行ったほうがいいよ」と言われている姿を見るのは、母親として辛かったんではないかなと思うのですが、意識して口出ししないと我慢した感じですか?

「そうですね。気持ち的にはかなり辛かったです。『これは息子と夫の話し合い、人の討論に口は挟まない』と自分に対し必死に言い聞かせていました。」

ーーーなかなかできないですよね。私だったら「そんなこと言わないで」って口出ししてしまいそうです(苦笑)

「そうですね、でも、夫自身が腹落ちしない限りは、私が言っても意味ないどころかより頑なになってしまうと思ったのです。ですから、『早く気づいて〜』とひたすらに願っていました(笑)」

ーーー素晴らしいですね。母親の立場として子どもを助けてあげたいという気持ちだけでいっぱいいっぱいになってしまう時期に、息子さんの気持ち、旦那さんの気持ちをよく客観的に見つめていたんだなと感じます。

そして息子さんの自分で決めたことを信じて感情がぶれずに行動できたこと、見習いたいあり方だと思います。

3.過去や現在の自分が否定される感覚

息子さんの不登校に関する意見が旦那さんと食い違っていても冷静に受け止めていた結さんですが、本当の心の内はどうだったのでしょうか。

ーーー冷静に旦那さんに対して対応していたことで、結さん自身の気持ちが辛くなってしまうことはありませんでしたか?

「私は、夫との話し合いの以前に、学校へ毎日かけるお休み連絡が苦痛な状況でした。本心では学校に行くよりもゆっくり休むことが必要だと思っているのに、電話口で担任教諭に『すみません、今日もお休みします』と謝っている自分が辛くて。

そこに来て、夫が息子に投げかけた『学校行事を経験しないまま大人になってしまうのが心配』という言葉を聞いて自己否定されたような気持ちにもなりました。

私自身が不登校で学校行事を経験しないまま大人になっているので『学校行事を経験していない私は駄目なのか?』と辛くなってしまったのです。」

ーーーそうですよね、旦那さんも悪気はないんでしょうが、結さんが自分自身の存在を否定されてしまったような感覚に陥ってしまう言葉ですよね。

立派に成人していらっしゃる結さんでも辛い気持ちになってしまうということは、現在進行形の不登校をしている子ども達に学校へ行かないことの心配の言葉を投げかけるのはもっともっと辛いものになるのではないかと感じます。

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4.お互いに傾聴することで現実が変わる!

ーーー旦那さんとの話し合いの中で、結さんから話した内容はどういうことでしたか?

「私の父が不登校の親の会の代表や、不登校に関する書籍の執筆、全国講演会を開いたりしていたので、夫は不登校に関する知識は入っている状態でした。
ですから、あとはその知識に気持ちが追いつくことが大切だと思って。お互いの気持ちを聴き合うことを大事にしました。

たとえば、夫が『息子のことを心配しちゃうんだよ』と気持ちを吐き出してくれたとき、『そうだよね、心配になるよね』とオウム返しすることなどを心掛けました。

逆に私が『今、自分の不登校時代を追体験していて辛いんだよね。学校への電話が本当に辛い。』と言ったら、『俺、それは全然嫌じゃないよ、だから学校への電話は俺がするよ。』と引き受けてくれました。

討論するというよりカウンセリングし合う、お互いの気持ちを聞き合うということを大事にしていました。」

ーーー結さん夫婦には、意見が違う相手の言葉を傾聴できる信頼関係が根底にあるのだなと感じますが、元々お互いに否定せずに話を聞き合うという関係を築けていたんですか?

「夫は元々天然で包容力があって、意見の違う人の話をきちんと聴くことができる人です。一方私は自分の意見を通そうとしてしまうタイプなので、色々な本を読んだりして学び、努力して傾聴のスキルを身に着けていった感じです。

不登校に対する夫婦の意見の食い違いで、家族関係がこじれていくケースが多いと父からも聞いていたので、ここはかなり意識していました。

ただ、私自身余裕がない時期だったので、全員に対して傾聴は出来ませんよ。息子の同級生のお母さんが心配してくれたのに対して、『うちの子は大丈夫です!』って強気に言い切りすぎて、疎遠になるということはありました。」

ーーー全員に神対応ではないんですね。ちょっと安心します(笑)

「そりゃそうですよ!みんなにちゃんとした対応なんて無理です。子どもの不登校で動揺しているときですから、誰との関係を優先させるのかが大切なのかなと、今振り返ると感じます」

ーーー旦那さんは最終的にどのようにして息子さんの不登校を受け入れることができたのでしょう?

「息子が学校を休むようになって元気になっていく様子を間近に見たことと、夫婦の対話を続けたことで徐々に、という感じでしょうか。

特にこれというきっかけをあえて挙げるとすれば、父の不登校に関する講演会を聞いたあと、主催してくれた不登校の親の会の茶話会に参加して、自分の気持ちをアウトプットしてからというところです。

それまでバラバラになっていた不登校についての知識を体系立てて聴き、そこで感じたことやこれまでの不安な気持ちを言葉にして共感してもらえたことで、腹落ちしたというところはあるのかもしれません。

でもその講演会と茶話会にしても、私が『行きなよ!』って言っても駄目だったと思うんですね。『お父さんの講演会があるみたいだけど行ってみる?私は用事があって行けないんだけど。』という風に提案する感じでした。」

ーーーご夫婦の足並みがそろうことで、息子さんの安心感が増した様子はありましたか?

「あるとおもいます。夫と意見が食い違っているときには、学校側と面談をしても、こちらの考え方をきちんと伝え切れずに消化不良で終わっていたんです。

でも、夫婦の考え方がまとまってすぐに、こちらの方針を書面にして学校へ持参、校長先生にお渡しすることができました。すると、学校側もこちらの考えに理解を示してくださりやっと心穏やかになれた感じです。

私の気持ちが安定したから息子も安心した様子でしたね。」

5.元不登校だからこそ言える、お母さんが大事にすべきマインド

今回、結さんのお話を聞けたことで、お母さんは自分と子どもの気持ちだけでなく、旦那さんの気持ちも大事にすることが大切なんだなと感じました。

最後に、結さんから読者の皆さんへのメッセージをいただきました。

ーーー旦那さんや周囲の人に子どもの不登校を反対されて困っているお母さんへのメッセージをお願いします。

「夫には理解してもらえましたが、周囲の人や親戚に理解してもらえないということは私もありました。今も正直、ちゃんと理解してもらえているわけではないです。

どんなに働きかけても無理なときは無理だと思います。

不登校という人生経験を経て息子の様子を見ている私と、そうではない人が同じ価値観になるのは難しいですよ。

理解してもらうためにエネルギーを消費して倒れてしまうくらいなら、物理的距離を置く、というのも一つの選択肢になると思います。

私の息子は小さい頃から自立心が強く、不登校になったときもひとりで図書館へ出かけていき、そこの職員さんに自分の事情を説明したうえで本を読んで過ごすような子どもです。

けれど、そういうタイプの子どもを育てていないお母さんからすると、小学1年生の子どもを家に置いて仕事に行く私の行動は、とても不思議に映るのだと思います。

経験が違えば価値観も違うのは当たり前です。

価値観の違う人に『わかってほしい、変わってほしい』とエネルギーを使うより、不登校に理解のある人達の集まりに参加したほうがいいです。そういった場所で知識のストックを増やすと視野が広がります。

あとは、子どもと少し距離を置くこともオススメします。

お母さんが、母でもなく妻でもない、一個人としてみてもらえる場所へ行くのも大切です、まずは自分に余裕がないと、子どもと接するにも上手くいきません。

子どもばかり見ていると、どんどん心配になっていきますよね、でも、子どもからすると、家にいる間、ずーっとお母さんが不安げな目こちらを見ているってしんどいんです。

私も不登校だった頃、親の在宅時間が長いと『リラックスできないなー』って思うこともありましたから(笑)

不登校経験がある私でも息子の不登校には随分動揺しましたし、夫婦間の意見の食い違いで辛いこともありました。ですから、知識・経験がない状態でお子さんの不登校に向き合い、学ぼうとしていらっしゃる親御さんのことを心から尊敬しますし、応援しています!」

ーーー結さんありがとうございました!

いかがでしたか?

私は、結さんにお話を聞く前は、「意見の違う旦那さんの気持ちを変えてしまうテクニック」を手に入れられると期待していました。

しかし、人とのコミュニケーションに必要なことはテクニックではなく、「相手の経験や存在を認め合う気持ち」なのだなと新たに気づくことができました。

旦那さんや、周囲の人達にもそれぞれの経験や考え方の違いがあります。

「不登校することは間違いではないんだ!」と相手に嫌悪感を持って反応すると、相手も嫌悪感を強めてしまうでしょう。

反対する人達は、学校で楽しい経験をたくさんして大人になったのかもしれない。

学校のレールに乗ることで安心して大人になれたのかもしれない。

相手の経験や意見を一旦認めることで、自分の意見を混ぜこまずに傾聴することができます。すると、相手もこちらの意見を認めてくれるようになるのではないかなと感じました。

子どもに対してだけではなく、周囲の大人の気持ちを想像してみることが、問題解決への第一歩です!

そして、最終的に決定するのは子ども自身です。子どもが安心して自己決定できるように子どもの気持ちを優先で関わってあげましょう。

鈴木結さん
北海道在住、小中学校時代を不登校で自宅を拠点として過ごす。通信制高校を経て社会人として活躍中。3人の子どもを育てるワーママさん。不登校をしている長男さんは、現在ホームスクーリングにて元気に成長中。
結さんが発信しているnoteでは、不登校についての記事やお子さん達とのホームスクーリングの様子を読むことができますよ!
note:結@ホームスクーリング実践中

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執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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