1.ADHDキッズのやる気バロメーターの低下にご注意‼
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプのお子さんがいるご家庭では、この夏休みどう過ごしていますか?
好きなことなら全力でがんばれるけど興味のないことには1ミリも動かない、そんなADHDキッズ。
もしかしたらママの思惑とはうらはらに、宿題もせずに毎日ダラダラと過ごしているかもしれませんね!
1学期の勉強の遅れを取り戻したい!
規則正しい生活をさせたい!
やるべきことをしっかりやらせたい!
…と思って、あれこれ指示を出すほどにお子さんのやる気バロメーターが低下していませんか?
ADHDタイプはいくら怒られても自分が興味のないことは基本、スルーするので「聞いていない」ように見えます。
言っても言っても響いていない感じがするから、「もっと言ってやろう!」と親もエスカレートしがちです。
ですが、全く響いてないように見えるADHDキッズでも、怒られ続けたり注意され続けたりするとその経験は記憶に蓄積されていくので、気づかないうちに自己肯定感が下がって、気力を失っていく…なんてことがよくあります。
そうなると「もう、何にもしたくない!」という変化が子どもたちの中に起きてきてしまうのです!
何にもしたくない!となるとお母さんの声かけはますます通りにくくなります。
行動量も減ってくるので脳が「お休みモード」になってしまってますます意欲が低下。
そのまま休み明けの登校しぶり・不登校につながっていくこともあります。
我が家のADHDタイプの息子も、不登校を中学生の時に経験していますが、家での無気力モードが一気に加速していったのが夏休みだったのです。
今回は、ADHDの悩みを解消し不登校から復活しただけでなく授業やテストもがんばれる子になった、息子の成長ストーリーをご紹介します!
2.笑顔が消え、抜け殻になった息子を見て気づかされた…
息子は、不登校になる前はADHDによる困りごとが目立っている子でした。
遅刻、授業を聞かない、忘れ物が多い、テスト0点、友達トラブルのオンパレード。
先生からは「行く高校ないよ」と宣言される中学校生活のスタートでした。
息子は不注意なところがあって集中できなかったり、興味のあることに強く引っ張られるなどの特性があって、学校で先生に注意されることがたくさんありました。
だけど、その一方でできることもあるし授業は座って聞いているように見えるから「あの子は、やる気がない」のレッテルを貼られるようになりました。
先生から報告を受けた私は「もっとがんばらせなくちゃいけない」と息子に厳しく接することが増えました。
発達科学コミュニケーションを学んで、学校が合わない子は「やる気がない」のではなく発達の特性が影響していてうまくできないことがあるとわかっていました。
けれども、頭ではわかっても、「もっとがんばれるんじゃないか?」という私の思いから、叱ったり、無理をさせたりすることが続いていたのです。
次第に、唯一自信にしていた陸上大会の練習にも参加しなくなり、学校では問題児のまま中2を迎えました。
サッカー部の活動だけは参加していた息子がうまくプレーできないこと、そして猛暑での練習がつづき「頭が痛い」からはじまった不登校モードが一気に加速。
大好きだった陸上大会の練習が夏休み中にあったものの、1回も参加できなくなったのでした。
そこではじめて、私は、学校に関わること全てを休ませる決断をしたのです。
元気を失い、まるで魂が抜けたような息子をみて勉強どころではないと気づきました。
本来は陽気で人懐こいADHDキッズだったのに息子から笑顔が消えただただ寝て過ごす姿を見て、涙が止まりませんでした。
学校を休んで遅れることを怖がっていろいろ無理をさせたことを反省し、「とにかくこの子の笑顔を取り戻すこと!」それが私のミッションになりました。
3.スモールステップで、息子の魂をよびもどせ!
やらないことを決める!
できることからでOK!
”勉強”なんて後回しでいい!
「スモールステップ」で”好き”と”楽しい”ことからエネルギー回復!
不登校になってからは、息子の興味のあること、やりたいこと、好きなことを最優先して、脳をたくさん使わせる作戦で過ごしました。
映画鑑賞、ボーリング、卓球、スポーツジム、自転車、毎日好きなおやつを買いに行く、ゲーム、漫画
陸上のプライベートコーチなどなど…。
得意なことで脳を元気に活動させた結果、夏休みの終わりを迎えるころ息子は笑顔で過ごせるようになりました。
ADHDキッズは、興味のあることに笑顔で取り組める時間を増やす!これがエネルギー回復のテッパンのルールなのです。
エネルギーを回復した息子は「秋の陸上大会をがんばりたい」といって少しずつ学校の陸上練習に参加するようになりました。
大会では2位に入賞。息子は不登校から復活し、学校生活に戻っていきました。
学校へ復帰後の息子は、授業を聞く、ノートをとる、提出物を出す、時間を守って動く、友達と喧嘩をしない…など大きく成長した姿を見せてくれました。
4.たった1つのことで不登校から復活!頑張れる子に成長!
私がやったのは、たった1つ。
好き、得意に、フォーカスすること、です。
今がんばれること、あとちょっとがんばったらできそうなことにフォーカスして「できたね!体験」を
積んで自信を育てたら、息子は苦手なことも頑張れる子に成長していったのです。
これこそが子どもたちの成長を後押しする最強の方法だと、私は思っています。
今、息子が不登校になった当時を振り返ってみて思うことがあります。
勉強が苦手なADHDタイプの息子に「勉強しなさい!」「不登校で遅れがあるからしっかりやりなさい!」と言い続けていたら、もっと不登校が長引いていたんだろうな…と。
彼の魅力である、笑顔とやさしさは、いまごろどこかに消えてしまったんだろうな…そう思っています。
私たち大人は、夏休みは、学校の授業の遅れを取り戻す「絶好のチャンス」と思ってしまいがちですが、「スモールステップ」で学校との相性が悪いお子さんを伸ばしていきましょう!
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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