「そんなことないよ」が子どもの自信を下げていた|親の言葉が子どもに与える影響

「うちの子なんて…」とつい謙遜してしまうことはありませんか。外で頑張っている子どもほど、親の言葉を強く受け取っています。娘に「子どもをけなさないで」と言われた体験から気づいた、子どもの自信を育てる声かけをお伝えします。

「そんなことないよ」が娘の怒りを買った日のこと

我が家には、16才になる長女がいます。

外ではしっかり者のいい子。

家では幼い頃から、母である私にだけ癇癪を起こしたり、感情を爆発させる子でした。

今日は、わが子が小学校高学年の頃のエピソードをお話しします。

ママ友と話しているとき、こんな場面はありませんか。

子どもを褒めてもらったとき、「そんなことないよ」「家では全然ちがうよ」と返してしまうこと。

日本ではよくある会話の流れです。

悪気があるわけではありません。

ただ、その言葉を子どもが聞いていたとしたら…。

ある日、ママ友に「○○ちゃんって、周りをよく見ているいい子だよね」と言われたことがありました。

私は会話の流れでこう答えました。

「そんなことないよ。家ではぶつかることも多いしケンカもするよ」

そのまま家に帰ると、娘が怒り出しました。

「子どもをけなすようなこと言わないで。親がそんなこと言うのはおかしい」

突然の言葉に、私は驚きました。

正直なところ、「そんなことで怒る?」と思いました。

事実を伝えただけのつもりでした。

けれどその瞬間、ある記憶がよみがえりました。

子どもの頃、母が私のことを謙遜して話していた場面です。

そのとき私が感じた、あの嫌な気持ち。

自分がされて嫌だったことを、気づかないまま娘に繰り返していたのです。

「そのとおりだね」私は娘にそう伝えました。

娘は「気を付けてよ」とだけ言いました。

その言葉が、私の中に深く残りました。

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外で頑張っている子ほど、親の言葉を強く受け取る理由

親にとっては何気ない一言でも、子どもは思った以上に強く受け取っていることがあります。

特に、こういう子に多い傾向があります。

周囲の様子をよく察知する子。

言葉の意味をそのまま受け取る子。

繊細で、空気を読んで行動できる子。

こうした子どもは、親の言葉を「自分への評価」として受け取ることがあります

親は「会話の流れで言っただけ」のつもりでも、子どもは「ママは私のことをそう思っているんだ」と、ズシンと受け止めてしまうのです。

学校や外の場では、周囲に合わせて気持ちを抑えながら頑張っています。

先生から「落ち着いていますね」「いい子ですね」と言われる子ほど、外でたくさんのエネルギーを使って過ごしています。

その分、家では感情が大きく出ることがあります。

ママにだけぶつかる。

ママにだけ怒る。

そんな姿に悩むママは多いものです。

実は、こうした子ほど、家での親の言葉をとても敏感に受け取っています

子どもにとって、親の言葉は「自分はどんな人間か」を知る手がかりになっています。

外で頑張るためのエネルギーが、親の言葉によって少しずつ減っていくことがあります。

すると、家での荒れや癇癪がさらに強くなる、という悪循環に陥ることもあるのです。

だからこそ、何気ない謙遜の一言が 、子どもの自信に大きく影響することがあるのです。

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子どもの自信を育てる親の言葉の使い方

できていることを、そのまま言葉にして伝える

私が意識するようになったのが「肯定の注目」という関わり方です。

子どものできていること、今していることに目を向けて、そのまま言葉にして伝えるというものです。

「周りをよく見て動けていたね」

「友達のこと、気にかけていたね」

「準備したんだね」

評価を加えたり、比べたりするのではなく、ただ「見たままを伝える」だけです。

最初は反応がないこともあります。

「できて当たり前だし」と返されることもあります。

それでも続けていくうちに、子どもの表情が少しずつ変わっていきました。

謙遜の言葉を、少しだけ変えてみる

「そんなことないよ」を「そうかもしれないね」「家でも頑張っているよ」という言葉に変えるだけでも、子どもに届くものは変わります。

謙遜すること自体が悪いのではありません。

子どもが聞いたときに、「ママは私のことをちゃんと見てくれている」と受け取れる言葉になっているかどうか。

そこが、大切な分かれ目です。

肯定の言葉が、親子の安心をつくる

肯定の言葉を日常に積み重ねることで、子どもの中に「安心」が育っていきます

その安心があることで、外で頑張っている子どもは家で気持ちを整えやすくなっていきます。

ママにだけ感情をぶつける場面が減り、自分の気持ちを伝えられるようになっていきます。

子どもの自信は、特別なときの言葉ではなく、日常の何気ない積み重ねの中で育っていきます

続けていくうちに、少しずつ変化が出てきます。

爆発する前に、「ママ、今日こんなことがあった」と話しかけてきてくれるようになる

ちょっとしたことで「ありがとう」が自然に出てくるようになる。

親子で笑える時間が、日常の中に少しずつ増えていきます。

まずは今日、ひとつだけ。

子どもの「できていること」を言葉にして伝えてみてください^^

執筆者:森崎こころ
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーショントレーナー)