まさかの「学校へ行きたくない」に無理やり学校へ行かせるのは絶対NG! 発達障害・グレーゾーンの子どもの不登校への関わり方の5つの視点と対応上の2つのポイント

不登校と発達障害は密接な関係があると指摘されています。発達障害・グレーゾーンの子どもの「登校しぶり」、この状況を長引かせないためには、お母さんの冷静な対応が重要です。不登校対策に必要な5つの視点と対応上の2つのポイントをご紹介します。
 

【目次】

 

1.夏休み明けの、まさかの「学校へ行けない・行きたくない」。登校しぶりはどんな時期?

 
 
夏休み明け初日。学校に行かないことが日常化していることより、「登校しぶり」をする子どもは少なくありません。
 
 
1学期に様々な「学校ストレス」を感じながら登校していた子どもにとって、この日は1年で一番精神状態が不安定な日。
 
 
だからこそ、不登校の初期段階である「登校しぶり」の時期をどう乗り越えるかが大切。適切なタイミングで、適切な対応をすることが必要となるのです。
 
 
まず、「登校しぶり」というのは、どんな時期でしょうか。
 
 
だいたい、「学校に行けるか行けないかの境目の時期」だと言い換えることができるでしょう。ある意味では、お母さんにとっても肉体的にも精神的にも一番辛い時期かもしれません。
 
 
新学期当初、お子さんは体調不良を訴えて休むこともあるでしょう。登校できても、なかなか起きられなかったり学校の準備を終えて靴まで履いても、玄関から出られなかったり。親が学校まで送迎(付き添い登校)することで、何とか登校できている・・・。
 
 
学校や親からの叱咤激励で何とか登校できている状態だと、学校も親もあらゆる手段を用いて何とか登校させようとする傾向が強いように思われます。
 
 
最近は変わりつつありますが、この段階で子どもを追い詰め無理やり登校ささせることはオススメしません。
 
 
なぜなら、子どもには「学校ストレス」が、お母さんには「学校に行かせなければ・・・」というストレスが、だんだん大きくなってしまうからです。
 
 
 
 
不登校は適応障害の一つ、「お母さんの育て方が悪かった」訳では絶対にありません。
 
 
「お子さんが今、現在通っている学校に、何らかの理由によって適応できない」
 
 
ただそれだけのことなのです。
 
 
適切なタイミングで適切に対応すれば、ほとんどの子どもは学校に戻れているという医療機関の報告があります。
 
 
また、さまざまな理由から積極的に学校へ行かないという選択をし、新たな学びの場を見つけて笑顔を取り戻す子もいます。
 
 
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2.不登校初期にお子さんを追い詰めないで!この時期、お母さんがするべきこと

 
 
不登校・不登校傾向の子どもへの関わり方は、学校によっても、先生によっても、医師・カウンセラーなどの専門家の間でも、大きな考え方の違いがあります。
 
 
「子どもの意思を尊重しつつ、本人の希望を全面的に受け入れ、心の回復を待ちましょう。」という考え方が今の主流。しかしながら、安易に「本人が学校へ行くまで待つ」というのも考えもの。
 
 
子どもの発達には、それぞれの段階と個人差がありますし、不登校・登校しぶりの理由は子どもによってさまざまです。だから、まずお母さんにして欲しいことは、以下の2点です。
 
 
① 子どもの様子をよく観察する。
 
② 子どもの声(心の問題)に耳を傾ける。
 
 
 
子どもの声(心の問題)を聞くことは、子どもに「学校へ行かない・行きたくない」理由を問い詰めることではありません。
 
 
この時期、学校より、「登校をうながす誘いかけ」が頻繁にあるかもしれません。こんなときにはお子さんの様子をよく観察してあげましょう。
 
 
この働きかけがお子さんのプレッシャーになっているようであれば、お母さんが学校との間に入ってあげてください。この時期のお子さんの心を守ってあげることも、お母さんしかできない大切なことなのです。
 
 
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3.不登校・登校しぶりのときの関わり方の基本〜発達障害の子ども対応にプラスする視点〜

 
 
不登校の子どもが100人いれば、その対応の仕方は100通り。だから、不登校への対応策も、「我が子流」を講じる必要があります。
 
 
以下が、一般的な不登校・登校しぶりへの対応をまとめたものです。
 
 

◆不登校への関わり方の4つの視点

 
 
① 子どもの学齢・性別によって対応を変えること。
 
 
② 子どもが抱える心の問題により、対応を変えること。
 
 
③ 子どもの行きしぶりから不登校へ至るプロセスに応じ、適切な働きかけを行うこと。
 
 
④ 子どもの心の回復にはいくつかの段階があり、その段階に応じて、適切なタイミングを見計らい、適切な働きかけをすること。
 
 
⑤ 「子どもの特性 × 各種能力 × 学校・家庭などの環境」を考慮して対応を変えること。
 
 
他の誰とも比較せず、その時点でのお子さんの発達段階や能力、学校や家庭などの環境を、できること・できないことに分けて考慮する必要があります。
 
 
※※※
 
近年の医療機関・教育機関の研究によると、発達障害のある子はそうでない子どもに比べて不登校になりやすいとのこと。発達に凸凹があるからこそ、調整可能な環境は調整することも含めて考慮した対応が大切なのです。
 
 
もちろん、発達特性への理解や得られる援助の頻度や内容は、学校によって異なります。
 
 
教室外登校時の居場所の選択肢として、学校内に本人が安心して過ごしたり、休んだりできる「場」が確保されているかどうかも大切なこと。
 
 
本人の特性に起因する困りごとも、困りごとやトラブルに対面したときの本人の適応能力も、ストレス耐性も、頑張りすぎて身体不調として現れるSOSのサインも、その子どもによって異なります。
 
 
発達特性のあることが「障害」とされるのは、日常生活において本人が「困りごと」を抱えているから。
 
 
「学校に行けない」理由に、その子どもの特性に起因することがあるならば、可能な範囲での合理的配慮が必要になるかもしれません。
 
 
学校に行けないお子さんの様々なトレスをお母さんや周囲の大人が理解して、対応策を考えてあげることは大切なことです。そうすることで、子どもを精神的に追い詰めてしまうことから防ぐことができるのですから。
 
 

◆発達特性のある子どもの不登校・登校しぶりの際に考慮すべきこと

 
 
・本人の心の問題に寄り添い、失った自信を回復させてあげること
 
・ 本人が安心していられる「場」の確保など可能な環境調整をしてあげること 
 
 
学校内に安心していられる、あるいは疲れ果てた時にちょっと休める、パニック状態になった時にクールダウンできる、そんな「場所(レストスペース)」が学校内にあるとお子さんが実感できれば、お子さんの気持ちはずっと楽になります。
 
 
「不登校」「登校しぶり」は親子双方にとって辛いもの。しかし、この経験をお子さんの発達を加速させ、親子の信頼関係という絆を再構築するチャンスととらえて乗り越えましょう。
 
 
今、「学校に行けないこと」ではなく、お子さんの将来を信じることが大切なのです。
 
 
さあ、お子さんの心の声を聞いてみましょう。
 
 
発コミュを習うことで、お子さんの心の声を聞くのが上手くなります。その結果、お子さんの不登校が解消されるケースも・・・。
 
 
気になる方はトレーナーの個別相談を受けてみてくださいね。
 
 
 
 
 
子どもが「学校に行きたくない!」と言い出したときは、こちらもぜひチェックしてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:青山 明生
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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