何回声をかけても動き出さない発達障害・自閉症スペクトラム、アスペルガーの子どもたち。「動かない」のではなく、「動けない」のかもしれません。お母さんが目で見て分かる工夫をすることで今日から子どもがスッと動きだします。
【目次】
1.発達障害・自閉症スペクトラム、アスペルガーの子どもが「見ても分からない」理由
発達障害や自閉症スペクトラム、アスペルガーの子どもたちに何かをしてほしいとき、伝えているのに指示が通らずなかなか動き出さないことはありませんか?
こちらからすると、できることもやらずにサボっているように見えてイライラしてしまいます。
発達障害の子どもは
・状況を読むのが苦手
・あいまいな指示が通らない
など様々な特性をもっています。
そのために、あいまいなニュアンスでは伝わりにくいです。
見て明確にわかる状況にするか、細かい説明をしてあげないと、何をするのかが分かりません。
だから行動を始めることができないのです。
例えば、お母さんの「片付けよう」という指示。
こちらからしてみると何もあいまいではないのですが、子どもにしてみると、いろいろなおもちゃが散らばった部屋をどこから片付けていいのか、何から手をつけていいのか「見ても分からない」のです。
この「見ても分からない」を「見て分かる」にかえるために工夫が必要です。
2.「見て分かる環境つくり」Teacchプログラムとは?
「見て分かる」を実現させるためにアメリカでTeacchプログラムが開発されました。
Teacchプログラムとは1972年にアメリカのノースカロライナ州で誕生した理論で、自閉症の方に向けた自立支援サポートプログラムのことです。
物事を「見える化」して見てわかる環境を通して自立を促すプログラムです。
この「見てわかる環境」のことを構造化と呼びます。
時間の見通しや場所の理解をして、その人が周りの情報に敏感になることを抑え集中して物事に取り組める工夫をしていきます。
実は構造化自体は世の中にたくさん溢れています。たとえば、信号や地図などがその代表例です。
信号は「赤は止まれ、青は進め」、誰もが言わなくても見て判断できますよね。
この構造化をお母さんが家庭で行うことができれば発達障害・自閉症、アスペルガーの子どもたちの「見て分かる」を増やし「できる」に繋げることができます。
3.子どもが「見て分かる」ためにできる工夫
家庭でできる「見て分かる」工夫とはどのようなものがあるでしょう。
片付けであれば、
・どこに片づけるのか目印をつける
・おもちゃごとに分類できるよう箱を分ける
・遊ぶスペースと片付けるスペースをマスキングテープで区切る
・何からどのように片付けるかを具体的に指示する
着替えであれば、
・着替えることを忘れている様子なら、着替えを目の前に置いて「あ、着替えるんだった」と思い出させる。
・何から着替えていいか分からない様子であれば
「まずは、パジャマを脱ごう」
「次はTシャツを着て、ズボンをはこう」
と具体的な順序を伝えます。
時間で切り替えができないのであれば、
・時計を2つ用意し、1つは終わりの時間、もう1つは時間通りにして見て把握できるようにする
・ホワイトボードや紙に予定を書いて見えるところに置く
など、お子さんが「見て分かる環境」を家の中で作れます。
すると「自分でできた」という成功体験が増え、行動が習慣化します。
習慣化すればサポートがなくても自分でできるようになります。
できるようになるためのスタートアップの手段として「見て分かる工夫」をぜひご活用ください。
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執筆者:仲田なぎさ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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