小学校5年生の発達障害の息子は学校の行事が苦手で、「行きたくない」と行事に参加できないことが多いです。息子に無理はさせたくありませんが、小学校の思い出になるので、できればいろいろと参加できたら、と思ってしまいます。何か良いアドバイスはありませんか?
11歳・男子のママ
我が家の5年生の息子も学校行事が苦手です。無理に参加させることはしませんが、少しでも参加することへの不安をなくしてほしくて、わが家で行った事前準備についてお伝えしますね!
発達科学コミュニケーションリサーチャー 松尾歩
【目次】
1.学校の行事になると「行きたくない」と渋り、参加できない息子
普段の授業とは全く違う、行事の日。多くの子どもたちはワクワク、ドキドキ!楽しみにしていると思います。
しかし、5年生の息子はいつもと違うこと、いつもと違う人がいる行事ごとは、参加したくないタイプです。
うちの息子の場合、特に苦手なのが運動会。運動に苦手意識があるため、知らない人の前では恥ずかしい、うまくできなかったらどうしよう…と緊張や不安でいっぱいです。
発表会も体育館などでたくさんの保護者が見るようなときは、頑張って自分のやる気を起こさせないといけないようでした。
コロナになってから、クラスの中だけでの発表会になったときは、息子にホッとしている様子が見られました。
2.なぜ学校の行事などを、発達障害の子は苦手に感じるの?
発達障害のお子さんは、脳の特性のため苦手なことがあります。
そのお子さんによって苦手なことの大小はありますが、
・その子なりの解釈があるので、人とやり取りするときに誤解が生まれる
・不注意傾向があり、板書に時間がかかったり、先生の話を集中して聞くことが難しい
・新しい環境に慣れるのに時間がかかる
・先の見通しを立てるのが難しく、急な予定変更が難しい
などです。
学校の行事はいつもと違う場所でのスケジュールや行動を求められます。そういった点で、発達障害のお子さんにとっては、苦手なことをたくさん求められるので負担になるのです。
親としては、小学校の行事が苦手でもできれば参加させたい!もし一緒にできなかったとしても、見学するだけでもいい経験になるんだけど…という期待もあると思います。
ですが、本人に苦手なことをさせることはストレスにもなりますし、嫌なことはより記憶に残りやすいという特性もあるので気を付けてくださいね。
3.小学校の行事に参加したしてみたいという気持ちになる準備
本人の苦手に思う学校の行事には参加せず、学校生活をおくることを本人が希望するなら、それでもいいと思います。学校行事以外のクラブや委員会など、思い出にできることは他にもありますから。
しかしながら、見通しをたててあげることによって、参加してみてもいいかも?と本人が思いそうなら、行事参加はいい経験になるので、お母さんがお子さんをサポートしてあげてほしいと思います。
息子は1学期の運動会は参加できませんでしたが、2学期の海の学習にはみんなと参加してみたい、という希望がありました。
1学期の終わりごろ、担任の先生に事情を説明して、前年までの内容とスケジュールを教えてもらいました。
場所や活動内容は前年までとほぼ一緒のようだったので、この夏休み中に現地まで下見をすることにしました。
目的地に着いた後は、訪れる施設の周りを歩いてみて、
「バスはこの場所に着くと思うよ」
「この施設の人が先生となっていろいろ教えてくれると思うよ」
「グループに分かれて行動するみたいだよ」
など、わかる範囲でそこで行われる情報を息子に伝えていきました。
息子は「海の近くにこんなところがあるんだね。また来月バスで来るんだね」と、研修当日のイメージが持てたようでした。
当日の流れを理解したあとは、せっかくなので、その周辺の観光施設を訪れることもしました。
外を歩き回るのは暑かったですが、充実した日を過ごすことができました。
あとで、息子が「見に行けてよかった」と言ってくれたので、今回計画してみて、息子の不安の解消に役立ったのなら良かったと思いました。
今後も、息子が苦手に感じやすい小学校の行事には、先生と連携をとって、不安をなくしていく準備をしていきたいと、改めて思いました。
息子と同じように学校の行事が苦手なお子さんがおられる方は参考にしてみてくださいね。
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執筆者:松尾歩
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)