ADHDタイプの子どもの癇癪や暴力の対応に困っていませんか?なんとかしたいけど方法が分からないとお困りのお母さんに癇癪が起きたときに子どもが自分でうまく気持ちを切り替えられるようになる方法を3つご紹介しますね。 |
【目次】
1.ADHDの子どもの癇癪・暴力にどうしてよいか、悩んでいませんか?
2.癇癪・暴力をなくすため知っておきたいこと
3.ADHDタイプの子どもが気持ちを切り替えられる効果的な方法とは?
①ママが感情的にならないこと
②落ちつくまでやっても良いのは共感の言葉がけのみ
③落ちついてからの話の聴き方
1.ADHDの子どもの癇癪・暴力にどうしてよいか、悩んでいませんか?
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子どもの激しい癇癪・暴力が止まらなくてどうしてよいか対応に困っていませんか?
・自分の思い通りにならなかったら突然キレだす
・どうにもならない仕方のないことでもしつこく言い続ける
・次第にママを叩く、蹴るなど暴力がでる
・その場を離れようとしても追いかけてくる
・そんなに怒ること?というようななことでも怒り出す(怒りの沸点が低い)
実はこれ、全部、私の息子の話です。
また、多くのお母さんからも同じような相談があります。
我が家の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性を持つ、中学2年生。幼いころから手の付けられない癇癪・暴力に困り果てていました。
機嫌が悪くなると、「また、始まったか…」となんともやり切れない思いになり、事態が収束したときには親子共に疲労困憊。
人にけがをさせたり、モノが壊れたりする状況は、特性だから仕方がないと許すわけにもいきません。
このように困っていた私ですが、発達科学コミュニケーションで、子どもの特性や脳の仕組みを学び実践したところ、今では息子も自分で感情コントロールができるようになりました。
癇癪・暴力も対応を変えれば、必ず良くなります!そのためのポイントをご紹介します。
2.癇癪・暴力をなくすために知っておきたいこと
ではどうしてADHDタイプのお子さんはこんなに癇癪を起こしたり、キレだすと止まらなくなったりするのでしょうか?
それには、ADHDタイプのお子さんの衝動性・多動性・不注意という3つの特性が関係しています。
その中でも特に衝動性が強いと、考えるよりもぱっと手が出るなどの行動につながり、一度怒りだしたら感情をコントロールできなくなっているのが周囲の人が見ていても感じ取れるほどです。
ですが、私たちADHDタイプの子どもをもつママは、これまでの経験から、
・周囲に怪我をさせるわけにはいかない。
・モノを壊すわけにはいかない。
・暴力は決して許される行動ではないことを分からせなければいけない。
といった、我が子を心配するよりも、周囲への配慮や影響を重視しがちです。
一方、このように癇癪や暴力を繰り返す子どもも、暴力をふるうことが良いことだとは思っていません。
落ちついたときに子どもに尋ねると、必ず「暴力は良くない」といいます。
ちゃんと理解はできているのにやってしまうのが、この衝動性の強さだったりもするのです。
だけど、気づいたらいつも叱られていることを繰り返し。どんどん自信を失い、「どうせ僕のことなんか誰も分かってくれない」と感じているのです。
3.ADHDタイプの子どもが気持ちを切り替えられる効果的な方法とは?
癇癪・暴力が止まらない子に試してほしい3つの効果的な方法があります。
◆①ママが感情的にならないこと
癇癪や暴力が始まると、多くのお母さんは、「また始まった!」と、顔に出てしまうのではないでしょうか?
怒った顔、困った顔、悲しそうな顔、時には泣いてしまうようなこともあるでしょう。
ですが、ここではそのような顔や雰囲気は出さないでください。
人間の脳は「何を言ったか」という内容よりも、表情や声色、雰囲気などの非言語情報の方を先に処理するからです。
また、癇癪が繰り返される場合、お母さんの注目がご褒美になっていることがあります。
簡単に言えば、困らせたら、お母さんが対応してくれるという、反応があることです。
過去にそういったケースを経験しているため、癖になっているのです。
この場合、取り合わないのが原則です。
ただし、スルーをしようとして、その場を去ろうとすると、追いかけてくるケースがあるので要注意です。
「無視するのかよ」「逃げるなよ」と執拗に攻撃をしてくる場合があります。
このように、ほとんどの場合がスルーでは解決ができないのです。
そもそも、スルーしてよいのは、この行動が始まったことにお母さんが気づいていないフリが成立する場面だけなのです。
少しでもお母さんの反応が子どもに伝わった場合はスルーは、逆効果になるのです。
◆②落ちつくまでやってよいのは共感の言葉がけのみ!
このような場面で大切なのは、決して否定をしないことです。
たとえ、暴力を振るっていてもです。
「そんなことしたらダメ!」「どうしてそんなことをするの?」といった否定的な言葉がけは、逆効果なのです。
このような場面では、怒り狂った子どもの感情を逆なでするだけで、さらにエスカレートしてしまうのです。
怒りの矛先はこちらへ向いてしまうだけでなく、自分でも怒りが止まらなくなり、大乱闘になってしまうことがほとんどです。
たとえ、暴力は決して許されないという、世間の常識もこの場面では通用しないのです。
ここで、有効なのは、
「怒るのも無理ないよね」
「○○の気持ち、すごくわかるよ」
「腹が立つよね」
と、怒り狂う子どもの気持ちを代弁するだけ、共感する言葉だけです。ギューッと抱きしめられる年齢であれば 抱きしめてあげながら共感します。
それが無理な場合でも気持ちへの共感の言葉だけは、かけ続けます。
すると、少しずつ落ち着いてくるはずです。
くれぐれも「そんなことはしないで」などと、否定的な言葉はかけないでください。
◆③落ちついてからの話の聴き方
大変な状況も、共感の言葉をかけ続けることで次第におさまってくると思います。
そうしたら、「自分で落ち着くことができたね」と褒めてあげてください。
それから、 話を聴きます。
ここでも、
「そう思うんだね」
「それは、腹が立つよね」
「他には?」
「どうしてそう思ったの?」
ともう何も出てこなくなるまでどんどん話を聴きだします。
この時点でもまだ、「それは違うんじゃない?」などと、否定的な言葉をかけたり、「その考え方はおかしいよ」というようなジャッジはしないでください。
この時点で、 アドバイスを言うと、また怒り出すことがあります。
もう何も出てこなくなったら初めて、
「気持ちを聴かせてくれてありがとね」
「じゃあ、こんな時はどうしたらいいと思う?」
と考えさせていきます。
「そうだね、自分で考えられたね」と認めてあげるころには随分、冷静さを取り戻しているはずです。
大事なことは、周囲に向かって「ぶっ殺す」「死ね」などといった、良くないことを言ったとしてもその場で正すのをやめることです。
唯一否定していいのは、子ども本人が「死ぬ」と自分の存在を否定したときだけです。
怒りの感情でいっぱいなときに正論を言っても全く意味がないどころか、気持ちを分かってもらえないことに腹を立て、事態を悪化させてしまいます。
落ちつくまでは一旦、子どものどんな言葉や態度も受け止めて、飲み込むのです。それが、早く落ち着きを取り戻すコツなんです。
日頃、癇癪や暴力が止まらない子は常に叱られ続けていて、非常に疎外感を持っています。
認められる経験が少ないため、不満が爆発している状態なのです。
発達凸凹のお子さんが ネガティブな感情をためやすいのも、特性の1つです。
それらを十分理解したうえで、対応することが必要です。
常識から外れているような行動を繰り返す子もしっかり共感をして、分かってもらえた満足感を持つことで、次第に自分で感情をコントロールできるようになっていきます。
我が子も以前は癇癪が起きたら、2~3時間、手が付けられない状態でした。
ですが、この対応を繰り返すことで、今ではイヤなことがあるとこちらが何も言わなくても、その場を自分から離れて5分位したら、何事もなかったかのように戻ってきます。
ひとりで気持ちを切り替えられるくらい成長したんです!
いかがでしたか?癇癪・暴力が止まらないお子さんには、
①ママは感情的にならず、困った表情をしない
②落ち着くまで共感のみ
③落ち着いたら褒めて共感の姿勢で話を聴く、決して最後まで否定しない
この3ステップで対応をすれば、どんなに荒れ狂うお子さんも落ち着きます。
悩んでいるお母さんは試してみてくださいね。
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執筆者:宮田かなこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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