今日もまたお子さんを叱ってしまった…怒ってしまった…。と小さな後悔を感じているお母さんはいませんか?「子育ての後悔をなかったことにできる、失敗を繰り返す子供を怒らずに育てる」発コミュトレーナーの三浦由記子さんにお話をお伺いしました。
【目次】
1.どこを褒めたらいいの?正解がわからず悩んでばかりの毎日でした
褒める子育てがいいと知っていても、どこを褒めたらいいの?褒めているのになかなかうまくいかない…。
今日もまたお子さんを叱ってしまった…怒ってしまった…。と小さな後悔を感じているお母さんはいませんか?
子育て中のママたちは日々のお子さんへの対応に悩み、大なり小なり後悔することがありますよね。
パステル総研の発達科学コミュニケーション(発コミュ)で活動しているトレーナーやリサーチャーも同じように自分の子育てに悩み、苦しい思いをしてきたお母さんたちです。
今回インタビューに答えてくださった三浦由記子さんもそのひとり、現在小学4年生のひとり息子さんの異変がきっかけで、自身の子育てを振り返り深い後悔をすることに
しかし、驚くほどの行動力でつらい時期を乗り越え、現在では同じように子育てがうまくいかなくて悩んでいるお母さんの後悔を救ってあげたい!と活動されています。
インタビューでは三浦さんのトレーナーとしての活動、発コミュとの出会い、ライフスタイルなどたくさんのお話を伺いました。
こちらの記事は全3回に分けてお伝えするインタビュー記事の第1回目になります。
2.失敗は怖くない!失敗から学べる子どもを育てる
ーーー三浦さんよろしくお願いします。まずは自己紹介をお願いします。
「子育ての後悔をなかったことにできる、失敗を繰り返す子供を怒らずに育てる発達科学コミュニケーショントレーナーの三浦由記子です。
失敗って、発達に欠かせないって知っていますか?しかし、失敗が怖くてなかなか動こうとしない凸凹キッズたち、これではもったいないんです。
不安で失敗を恐れる子でも、失敗を通して成功体験を積み上げていくママの声かけ方法があるから失敗から学べる子になるんです。私はその方法をお教えしています。
お子さんの一番そばにいるお母さんが、凸凹キッズに合った関わり方に変えてあげることで、うまく切り替えたり、自分で考えて行動する力が育ちます。
ママも子どもにイライラしたり、ガミガミ怒ってしまうこともなくなっていきますよ。
子どもの秘めた力を発揮させて社会に出ても困らない力を授けたい、怒らない子育てを実現するサポートを広めることで子育ての後悔をするママを減らしたい。
そんな思いで、この子育て法をお母さんたちにお伝えしています。」
ーーー失敗を成長に活かす子育てなんてすごく魅力的ですね。では、三浦さんが考える後悔しながらの子育てで一番良くないこととはどんなことでしょうか。
「ズバリ!それはママの後悔は子どもに繋がっているということです。
自分が直接体験したことでなくても、他者の体験を観察したりモデリングすることで学習するという理論があります。
それでいうと、ママが後悔ばかりの発言をしていたり、落ち込んだ表情や態度をしていると一番そばにいるお子さん自身がネガティブでマイナス思考になってしまうんです。
思考が似てきてしまうんですね。
以前の私は息子に苦手を克服させようとあれこれ言ったり、ガミガミ怒ったり。
それをずっと後悔し続けたため、息子自身もネガティブな感情を持つようになってしまいました」
♦ポイント解説
日々の子育てで、また怒ってしまった…。言いすぎてしまった…。と後悔を感じているお母さんは多いと思いますが
後悔するお母さんの姿を見て子どもがネガティブ思考になってしまうなんて…。
子どものためにお母さん達は毎日頑張っているのに、子どもにマイナスの影響が出てしまうなんて考えたこともなかったと思います。
この記事を読んで落ち込んだり心配する必要はないですよ。三浦さんが考案したのが『脱ネガティブ思考プログラム』であなたもポジティブママになれますよ。
事項ではプログラムについて詳しくお聞きしていきます。
3.『脱ネガティブ思考プログラム』 〜3つの視点で見方を変える〜
ーーー三浦さんの「脱ネガティブ思考プログラム」について教えてください。具体的にママはどんな対応から始めたらいいですか?
「はい、それはママが失敗の視点を変えることです。3つのポイントをお教えします。
まず、1つ目は思考の反転です。
例えば、ドリルを半分しかやってないっていうのを半分もできたという視点に変えていくことが大切です。
なぜなら、凸凹キッズたちは1つ1つのことが100パーセントにたどり着かないことが多いので、今できていることを見つけて褒めていくママの視点が大切になってきます。
例えばドリルをやっている時は『1問目が解けたね。』『わぁ、ドリルを半分も頑張ってるね』とできていることに注目して声をかけてあげるといいですね。
そして2つ目はポジティブな言葉に変換。
ネガティブな言葉とポジティブな言葉は脳に与える影響が大きく異なります。例えば、お友達に嫌なことを言われてイライラしている子供に
『そんなことでイライラしない』のではなく『嫌なことを言われた人の気持ちがあなたはわかるね』とか 書き初めで最後の1枚を書く時には
『失敗しないようにね』ではなく『練習の成果が出るといいね』とポジティブな言葉に変換してあげると脳がグーンと発達しますよ。
3つ目は発達凸凹のある子は言葉で言ってもわからないけど、体験からなら学べるということです。
お母さんにとっては失敗だったり、他のお子さんと違って嫌だと思うことでもその体験を通じて子どもは次にどうしたらいいかを学んでいきます。
例えば、人が話をしている時に突然割り込んできたら…。驚いた表情を見せながら『あと10分待ってね』と伝えて、後から必ず話を聞くようにします。
待ってから話せば聞いてもらえるという体験を積むことで、子どもたちは正解のコミュニケーションを習得していきます。この3つが失敗の視点を変えるポイントです。」
♦ポイント解説
どうしてもお子さんのできないことに目を向けがちで、苦手を克服しようとあれこれ口出ししてしまいますよね。
この否定の声かけが子どもの自信を失わせることになり、自分で判断できない子になってしまうんです。
思考の反転はお子さんが今できていることに気づくことができるためスモールステップでこまめに褒めることができますよ。
ひとつひとつできていることをお子さんに伝えることが子どもの自信につながります。
発達凸凹のお子さんたちは言葉で長々説明しても伝わりにくいため、行動を注意、叱ったりするのではなく正解のコミュニケーションを実際にその都度、具体的に伝えてあげることで習得していくことができますよ。
ーーー凸凹キッズの特性にあった具体的な声かけを教えていただけますか?
「そうですね、やっぱり『頑張れ』などの声かけだと、すごくプレッシャーになります。
子どもが今何につまずいてるのか?という視点をお母さんが持って声かけをしていくっていうことを私はお伝えしています。
例えば子どもに『何が怖いのー。』って聞いた時に『 〇〇が怖いんだ』って答えたら『そうなんだね、そう思うんだねー』と子どもに共感するという声かけは効果的です」
ーーーお子さんの年齢によって声かけを変える工夫はありますか?
「私は高学年のお子さんが専門にはなるんですが、思春期や思春期に入りかけてちょっと反抗的な姿を見せる時があると思います。
そんな時は呟きの声かけが効果的です。
『 お母さん、疲れたなー』『洗濯物手伝ってくれると嬉しいなー』なんてちょっと声をかけてると、ニヤニヤっとしながら 『わかったよ』『手伝ってあげるよ』なんて言ってくれたりしますよ。
『ご飯食べてくれて嬉しいな』などさりげなく声かけするのもいいですよ。ぜひやってみてください!」
♦ポイント解説
不安が強いお子さんやネガティブな感情になりやすいお子さんには「共感する」ことが大事です。
スモールステップでできたことを褒める(認める)
不安な気持ちや悲しい気持ちに共感する(受け止める)
この2つの対応でお母さんに認めてもらえた!受け止めてもらえた!という気持ちになり次に進んでみようかな?と思いはじめ自立につながっていきます。
また、肯定の声かけは小さいお子さんには「〇〇できたね」「わぁ、すごいね」「いっしょにやろう!」などの直接的な声かけが有効的です。
高学年のお子さんは直接的な声かけを嫌がることもあり、この「呟き」という間接的なアプローチは大きなお子さんの声かけのヒントになりそうです。
高学年のお子さんをお持ちのママはぜひ試して見てくださいね。
第2回目のインタビューでは、お子さんの困りごとを解消した三浦さんの驚くべき行動力についてお話しいただきます!
お楽しみに!
毎日の子育てが楽しくなるヒントがあります!
執筆者:嘉山葉子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)