お子さんが小学1年生なのに勉強についていけない!と、これからの学習に不安を感じることありませんか?授業についいけないことには原因があります。その原因を理解して、サポートをすることで境界知能の子も勉強できるようになるので、対策をお伝えします。
【目次】
1.小1の境界知能の息子が勉強についていけない
2.小学1年生で勉強についていけない原因
◆ADHDの特性が影響している
◆学習障害がある
◆境界知能や軽度知的障害である
3.境界知能の子が勉強できるようになる対策
◆授業や勉強についていけない原因を知る
◆子どもに合わせたサポートをする
2.小学1年生で勉強についていけない原因
◆ADHDの特性が影響している
◆学習障害がある
◆境界知能や軽度知的障害である
3.境界知能の子が勉強できるようになる対策
◆授業や勉強についていけない原因を知る
◆子どもに合わせたサポートをする
1.小1の境界知能の息子が勉強についていけない
小学1年生のお子さんが勉強についていけないと気づき、不安や焦りを感じることありませんか?
学習の基礎となる1年生の出だしで、早々につまづいてしまうと、これからの学習が心配になりますよね。
わが家の息子も小1の時に、勉強についていけなかったことがあります。
息子は発達障害の注意欠如・多動症(ADHD)の傾向があり、知能検査(WISC)では6歳のときの知能指数(IQ)73、8歳のときIQ84と境界知能です。
息子は通常級に通っていますが、1年生のときの最初の面談で先生から「学習ですでにつまづいています」との指摘を受け、ひらがなの書き取りも不十分な状態でした。
音読の宿題も、文字を目で追うことがうまくいかず読んでいる場所がわからなくなってしまうことや、文章を読んでも理解できていないことがありました。
また漢字学習が始まってもなかなか覚えることができず漢字テストや国語のテストでもいつも50点以下でした。
1年生で、すでに授業についていけない状況でした。
そんな息子の様子を見ながら、今後、学年が上がることでますます授業についていけなくなるのではないかと悩んでいました。
2.小学1年生で勉強についていけない原因
小学1年生で、勉強についていけない原因となる特性としては主に3つあげられます。
◆ADHDの特性が影響している
発達障害のADHDは「不注意」「多動性」「衝動性」という3つの特性があります。
自由な活動が多い幼稚園や保育園とは異なり、小学校の授業は1コマ45分間、座っている必要があります。
多動の特性のあるお子さんだと、じっと座っていることが難しく授業に参加できないことがあります。
また、不注意の特性があるお子さんだと掲示物や周りの音に気が散ってしまい、先生のお話を聞いていないことや指示された教科書のページやプリントを見ていないことがあります。
そのため、理解できる能力があっても、授業に集中していないために、学習内容も頭に入っておらず勉強についていけないことが考えられます。
◆学習障害がある
学習障害(LD)は、全体的な知的発達に遅れはありませんが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」能力のうち、特定のものの習得と使用が難しい状態です。
そのためお子さんによって
・文字を読むことに時間がかかる
・読み間違える
・文章の意味を理解できない
・バランスの取れた字が書けない
・数の概念がわからない
・計算ができない
など特定のことだけが極端に苦手なことがあります。
遊びがメインだった就学前は気づかれないことが多く、文字や計算を習い始める小学生になってからわかることが多いです。
◆境界知能や軽度知的障害である
一般的に知能指数(IQ)は85~115が平均で、IQ70~84は境界知能、IQ50~69は軽度知的障害といわれています。
知能検査(WISC-Ⅳ)では言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の4つの指標と知能指数が数値化されます。
主に、言葉を理解する力、目で見たものを理解し推理する力、覚えながら処理する力、課題を処理する速さがわかります。
・言語理解が低いと先生の説明が理解できない
・知覚推理が低いと文字の形や図形を正確に捉えることが難しい
・ワーキングメモリーが低いと説明されたことや文章の内容・新しい文字を覚えておくことが難しい
・処理速度が低いと時間内に文字を書くことや板書が追いつかない
ことがあります。
小学校の授業は平均的な知能のお子さんに合わせてカリキュラムが作られ学習も進められていくため、いずれかの項目が低いと、その部分で授業についていけない原因となってしまいます。
このように発達障害や学習障害、知的にゆっくりなお子さんは特性により勉強についていけないことがあります。
3.境界知能の子が勉強できるようになる対策
◆授業や勉強についていけない原因を知る
境界知能・知的障害の子どもも、発達障害、学習障害の子どもも、まずは授業や勉強についていけない原因が何かを知ることが、より良い対策を考える上で欠かせません。
なぜなら、どこが苦手でどこが得意かがわかれば、その得意を生かしながらのサポート方法を考えていくことができるからです。
例えば、言葉を聞く力が得意なお子さんはひらがなや漢字を覚えるときには語呂合わせなど耳からのわかりやすい情報を伝えると理解しやすいです。
また見る力が得意なお子さんには漢字の形や読み方、成り立ちを絵やカードで見せて伝えた方が理解しやすくなります。
覚えることが苦手なお子さんは、机上の勉強だけでなく、体験学習や学習漫画など記憶に残りやすい方法にすると覚えやすくなります。
お子さんの
・目で見て理解する力
・耳で聞く力
・覚える力
を日頃からお母さんが観察して理解することが大切です。
また専門的視点で客観的にお知りになりたい場合は、各自治体に設置された教育相談機関に相談すると、アドバイスがもらえたり、必要に応じて検査機関を紹介してくれることがあります。
就学前だと、言語理解が高い子どもは、検査するまで知能が平均より低いことに気づかないこともあります。
息子も語彙力が多く、会話もスムーズだったため、幼稚園の先生からは賢いと言われていましたが、検査をして初めて境界知能であることに気づきました。
知能検査をすることで、普段の関わりでは気づけない息子の得意や苦手についても知ることができました。
臨床心理士さんから「知覚推理の値が68と低く視覚的に物事を理解する力が低いため文字を覚えたり書くことに難しさがあるかもしれない」とお話がありましたので、文字の習得でつまづくということが理解できました。
そのおかげで、通っていた療育で、文字を書くための練習を取り入れてもらうなど対応することができました。
文字を書けるようになるためには時間はかかりましたが、原因がわかっていたために、何を優先的にサポートした方が良いかを専門家と相談し支援してもらうことができました。
このように理由を知ることで、勉強のつまづきの原因が理解できるので、子どものサポートにもつなげることができます。
◆子どもに合わせたサポートをする
勉強についていけない子どもが授業や学校生活で困らないようにするためには、学校の先生との連携が必要です。
私は担任の先生や支援コーディネーターさんに息子の発達障害・ADHDの特性や知能検査の値を伝えたので、息子の状態を理解してもらうことができました。
担任の先生は息子が集中できるように一番前の席に配置し、話を聞いていない時や集中していない時はこまめに声かけをしてくださっていました。
また、漢字学習でも、息子は見本を見ながら同じように漢字が書けなかったので、先生が鉛筆で薄く下書きし、それを息子がなぞれたら丸をくれるという、自信につながる配慮をしてくださっていました。
最初はなかなか書くことができなかった息子も、なぞり書きを繰り返すことで、文字の特徴を捉えるようになり、次第に見本を見ながら書くことができるようになっていきました。
また支援コーディネーターさんからも、スムーズに読むことが難しい息子のサポートとして、
「文章の読んでいるところを指でなぞるとわかりやすいですよ。」
「読んでいるところに集中できるように、今解く問題以外を下敷きで隠すといいですよ」
などと助言もいただけました。
自宅で音読するときは、息子の読んでいる部分を私が指でなぞりながらサポートすることで、息子もすらすらと文章を読めるようになりました。
そして問題を解くときは、注目する部分がわかるように、その問題以外を下敷きで隠すようにしたことで、問題に注目できるようになりました。
息子の場合1年生のときは学校生活に慣れることと宿題をこなすことで精一杯でしたが、2年生になる頃から家庭学習を始めました。
その時も、息子が苦手な目で見て形を捉える漢字学習は、得意な言葉を使った語呂合わせでサポートしたり、覚えやすように体験学習で授業内容を先取りするサポートをしてきました。
その効果もあって、1年生のときは授業についていけなかった境界知能の息子は、学年が上がるにつれて勉強できるようになりました。
3年生になった現在、息子は「学校で困ることないよ」と楽しそうに毎日通っています。
このように、子どもの勉強についていけない理由を知ることで、子どもを取り巻く周囲の大人とその情報を共有することができます。
そして、担任の先生からも配慮していただけ、子ども自身も安心して授業を受けることができます。
またお母さん自身も勉強のサポート方法の方向性を知ることができ、子どもの力を伸ばすことができます。
その結果、子どもも勉強がわかる喜びや楽しさを感じ、自信を持つことができます。
ぜひお子さんの授業や勉強についていけない原因を理解し、お子さんに合わせた対応をなさってくださいね。
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執筆者:菅野 美香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)